12月1日(月) 相場概況
東証一部の騰落銘柄数は値上がり1368/値下がり752
騰落レシオ(25日) 75.0%
空売り比率 48.6%
売買代金 東証一部 3兆2144億円
マザーズ 1806億円
業種 パルプ・紙、海運、機械など上昇。
情報・通信、医薬品、食料品など下落。
個別 商船三井によるTOBが発表された宇徳(9358)とダイビル(8806)がストップ高比例配分になり、商船三井(9104)自体も、三菱UFJMSが目標株価を11300円→17000円に引き上げたため3%を超える上昇になっています。
大和証券が更なる下振れ懸念は限定的として、投資判断「3」→「2」 目標株価25000円→30000円に引き上げたファナック(6954)が大幅高になっています。
本日はレーザーテック(6920)やトヨタ(7203)、ダイキン(6367)、三井不動産(8801)など主力どころもしっかりの動きでした。
ENEOS(5020)と超小型EVシェアリングサービスの共同実証実験を開始すると発表したサンオータス(7623)が急騰しています。
日本政府による経済安全保障戦略をふまえ、コーポレートガバナンスの適正化に資する内部脅威検知サービスを提供すると発表したエルテス(3967)がストップ高になっています。
反面、明日月次の発表になるファーストリテイリング(9983)が逆行安になり、指数寄与度の高いソフトバンクG(9984)も自社株買いを発表する前の水準以上に下落し年初来安値を更新しています。
オミクロンに対する過度な警戒感が薄れる中、川本産業(3604)や中京医薬品(4558)などマスク関連が急落しています。
1Qの決算が失望を呼んだはてな(3930)が13%を超える下落になり、連日賑わっていたサイエンスアーツ(4412)も一時ストップ安になるまで下落しています。
FRONTEO(2158)の売りが止まらず3日続けてのストップ安比例配分に沈んでいます。
日経平均は反発!
4日ぶりの陽線を形成しています。
しかしながら、上記ボリンジャーバンドにおいて、-2σ(28142円)と-3σ(27588円)の間を脱し切れておらず、-3σに沿ったバンドウオークが継続しています。
新安値銘柄数が528を記録し、昨年3月以来の高水準を記録しています。
指数は、まだ寄与度の大きい銘柄が下支えしていますが、中小型中心に多くの銘柄が新安値を付けていて、指数以上に個人のふところは傷んできており、連日追証のぶん投げと思われる売りが散見されています。
昨日の米株の下落は、オミクロンというより、パウエル議長の「タカ派」転換発言でしょう。
米国は不景気の金利高であるスタグフレーションになる可能性が危惧されています。
グローバル投資家にとって、日本株は「景気敏感株」になりますので、世界景気に不安がでてきて、世界株安になる局面では、まず日経平均先物を売ってきます。
そのため、リスクオフ局面では、上記のようにNYダウより日経平均の下落率が高くなる傾向があります。
日本株は、岸田政権の政策に期待がもてず、外国人の売りに対抗する買い勢力が見当たりません。
バブル全盛期の買いの主体であった金融法人や事業法人が売りの一択になっています。
頼みの個人も、かなり傷んできています。
税制など投資促進政策で、太い買い方があらわれれば、もともと割安で利回りも高いだけに、ここまで外人に翻弄されることはなかったと思います。
しばらくは米株頼みになっており、上記の2018年の再来にならないことを祈りたいと思います。
さて、本日は大和証券主幹事のJDSC(4418)について書いてみたいと思います。
人気のAI(人工知能)ソリューションを提供する会社です。
東京大学の知見、人脈が基礎となっていて、顧客も大手企業がほとんどです。
単にAI開発というより、コンサルティングの特性を持つ会社です。
通常はコンサル、データーベンダー、AIベンチャー、Slerなど分業となることが多いようですが、同社の特徴として一気通貫で業務がおこなわれるため、高い執行能力が発揮できるようです。
業績も、すでに黒字化(AI関連は赤字上場が多い)していて、売上高成長率は1.35倍の高成長を記録しています。
大株主にはベンチャーキャピタルが含まれますが、最短でも90日のロックアップがかかります。
上記は、AI関連のIPOの値動きですが、比較的小型が多く、上場時に人気化し高値を形成し、その後は下落していくパターンが多いようです。
JDSC(4418)は吸収金額が45.4億円 仮条件上限の時価総額が207.54億円となり、そこそこのサイズになります。
そして、12/20の上場予定になりますが、超過密IPOラッシュに上場することになり、資金が分散されます。
トレーダーズは、いまのところ初値を公募1620円と想定し2000円~3000円と予想しています。
ただ、サイズと過密スケジュールを考えると、意外に安寄りする可能性もあり、その時はセカンダリーを考えてもいいと思います。