3月3日(金)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄1479/値下がり銘柄279
騰落レシオ(25日) 117.31%
空売り比率 44.1%
売買代金
東証プライム 3兆2500億円
東証スタンダード 1024億円
東証グロース 1528億円
【恐怖指数】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【業種】
【個別】
ファーストリテイリング(9983)が大幅高になり、1銘柄で日経平均を約108円引き上げています。
同社は、2月の国内既存店売上を発表し、売上が前年同月比21.3%増になったことが好感されたようです。
2月後半から気温が暖かくなり、春物商品が伸びたのが要因のようですが、本日はABCマート(2670)やサックスバー(9990)、アダストリア(2685)など、多くの小売株が月次を材料に物色されています。
Pluszero(5132)がストップ高まで買われ、上場来高値を更新しています。
同社は1月に中期経営計画を発表して以来、株価が高騰し、2月から委託保証金率70%以上(内現金40%以上)の信用規制がかけられ上値の重い動きになっていました。
3/1に増担保規制が解除になったことにより、上放れてきています。
また、米国でC3・AI(AI)の四半期決算が市場予想を上回り、33%を超える急騰になり、この流れも同社株の急騰に拍車をかけた様子です。
同社株の他、AppierGroup(4180)やユーザーローカル(3984)、エクサウィザーズ(4259)などAI関連銘柄が物色される動きが見られます。
生体認証等を活用したオンライン本人確認サービスを展開するELEMENTS(5246)が続伸し、上場来高値を更新しています。
東証が増担保規制(委託保証金率70%内現金40%)を3/3から解除していて、売買が活発化する思惑から買いが入った様子です。
同社の公募価格は160円で既に8倍以上になっています。
同社はダウンラウンド上場です。
上場前の出資者の中には、分割などを考慮して1株1360円で出資している向きもあるようです。
本日、初めて、この水準を超える局面があり、面目躍如となったところですが、引き続き買いが続くのか注目です。
ピアズ(7066)がストップ高まで買われています。
同社は子会社のQualiagramが、自社開発のAIロールプレイング「mimik」で、バーチャル顧客を作成し店舗やコールセンターでの接客ロールプレイングが可能となる新機能の実証実験を開始したと発表しています。
同社が蓄積した接客ビッグデータとChatGPTを組み合わせ、新人スタッフなどの利用者は、よりリアルな顧客を相手に接客をしている環境で研修が可能となり、利用企業は研修の質向上とコスト低減が可能になるとのことです。
株価は上昇基調に乗ってきていて、勢いがどこまで継続するか注目です。
サイボウズ(4776)が大幅高になり、昨年来高値を更新しています。
同社が発表した定時株主総会の招集通知で、元芸人で著名投資家の井村俊哉氏が昨年12月時点で大株主に居ることが明らかになっています。
同氏は99万2000株(2.16%)保有しており、思惑的に短期資金の物色材料になったようです。
同氏の過去の発言から、三井松島(1518)を売却した資金での買い付けが想定されます。
すでに、同氏が買い付けしてから2倍化している可能性があり、利益確定売りを出してきてもおかしくないと見る向きもあります。
つくづく、あやかりたいものです・・・
【テクニカル分析】
日経平均は大幅反発!
ギャップアップからのスタートとなり、大陽線を形成しています。
ナイトセッションの日経先物は28210円 +310円で戻ってきています。
米国株上昇だけでは、説明しにくい上昇になっていて、メジャーSQにむけた、ショートの買戻しが入っているイメージです。
持合い離れからのボラティリティが高い相場が予測され、高値追いには慎重を期すべきとは思いますが、まだ1万枚の建玉を残す28500円のショートコールが焼かれる展開もあるかもしれません。
メジャーSQ前に、日経平均が28500円越えになる可能性も出てきたと思います。
【本日のトピック】
さて、注目された2月ISM非製造業景況感指数は、1月の55.2をわずかに下回るも、予想よりは高い数字になり、引き続きサービス業が好調であることが伺えます。
しかしながら、前日に、アトランタ連銀のボスティック総裁が、データ次第で政策軌道を修正すべきとしながらも、「夏の半ば、ないし後半までに利上げ停止の可能性がある」と述べたことや、すでに「マーケットがターミナルレート水準を5.45%程度まで織り込んでいた」ことから材料視されませんでした。
むしろ、長期国債金利は、レッドゾーンと目される4.2%をこえることはなく下落しています。
結果、米株はナスダックを中心に高騰しています。
そして、最近の米株は打たれ強くなってきているともいえると思います。
上記SOX指数の動きを見ればわかると思いますが、2月は米金利が1月の金利低下全戻しになったにも関わらず、同指数は上昇したままです。
金利上昇時に下落する傾向があるハイテク株が底堅くなってきているということです。
上記は米10年の実質金利ですが、依然としてレンジの中で推移しています。
米長期金利が4.2%を超えてくれば、期待インフレ率があまり上昇しないと仮定すれば、実質金利が1.7%を超えて2%台をトライすることにつながります。
もし、そうなれば、必ずしもバリュエーションが安くない米株は打撃をうけることになるでしょう。
逆に言えば、現状はそのような状況ではないので、金利上昇の中でも米株が強いという一面があるのだと思います。
日本株はレンジをブレイクし、需給面からも上値トライになりやすいことは前述の通りです。
しかしながら、3/9、3/10は黒田総裁最後の金融政策決定会合が開催されます。
エコノミスト予想の9割は現状維持との見通しのようですが、私は何らかの政策変更があってもおかしくないと思いますし、日銀はサプライズを狙ってくるはずです。
為替も円安で、株も高いので、市場に与える影響は小さいと見込んで、YCCの変動幅拡大等を実施する可能性もあるのではないかと思います。
もし、政策変更が行われれば、メジャーSQに向けてのポジション調整も終わっていますので、マーケットは下押すことは避けられないと思います。
しかしながら、消去法的な買いかもしれませんが、外国人投資家は1月に続いて2月も1兆円以上の買い越しになっています。
これは、岸田政権始まって以来初めてのことであり、年金のリバランスの売りを吸収しています。
金法の決算対策売りは峠を越してきていて、少しづつ買い勢力が優勢になってきています。
仮に政策変更があって、株価が下押す局面があれば、そこは絶好の買い場になるのではないでしょうか?
「日銀サプライズ=当面のサプライズ解消」という構図になるのではないかと思います。