2月9日(金)
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https://edition.cnn.com/markets/fear-and-greed
【個別】
ニトリホールディングス(9843)が大幅に反発し、昨年来高値を更新しています。
同社が、8日発表した2023年4〜12月期の連結決算は、営業利益が978億円で着地しています。
前期から決算期を3月期に変更したため前年同期の業績は開示していませんが、アナリスト予想の平均であるQUICKコンセンサス(1月17日時点、5社)の922億円を上回っています。
円安の進行により売上原価は増加したものの、プライベート商品の拡大などによる粗利改善に継続して取り組んだことが奏功したほか、既存店の改装をはじめとした客数対策を積極的に進めたことが寄与したようです。
また、物流の内製化や拠点再配置による発送配送費の削減を行ったことも貢献したとのことです。
野村証券の山岡久紘リサーチアナリストは8日付リポートで直近10〜12月期の利益が野村の想定を上回ったことなどを踏まえ、決算の第一印象を「ややポジティブ」と指摘し、海外での店舗展開なども含めて、会社が進めている様々な取り組みは順調とみているようです。
ちなみに、同社の似鳥昭雄会長は、「3月か4月にマイナス金利が解除されれば、1ドル=140円を切るのではないか」との見通しを示したうえで、「その後、米国が利下げすれば24年中に130円台前半、25年にも120円台になる可能性もある」と語っています。
直近では不発が続いているものの、同会長のマクロ経済見通しや為替などの相場予測の精度の高さは定評があります。
為替の円高は、日経平均の下落要因になりますので注意が必要です。
フジクラ(5803)がストップ高まで買われ、昨年来高値を更新しています。
同社が、8日に発表した、2023年10~12月期営業利益は207億円で前年同期比2.8%減となり、7-9月期の同24.0%減からは大きく改善しました。
これを踏まえて、通期予想は従来の540億円から630億円に上方修正しています。
また、期末配当予想を22円50銭から26円50銭へ引き上げ年間配当予想を49円(前期30円)としています。
エレクトロニクス事業で、サプライチェーン問題の影響による需要減が想定よりも軽微だったことや生産性改善が進んでいることが要因で、自動車事業部門でも、費用削減や顧客との間でコスト負担の適正化が進展したことが寄与するようです。
株価は、上昇トレンドを形成しながらの大幅高になっていますが、やや過熱感も出ており注意が必要です。
サイオス(3744)が場中値つかずのストップ高比例配分まで買われ、昨年来高値を更新しています。
同社は、8日に発表した、2023年12月期の連結経常損益は1,500万円の赤字に赤字幅が縮小し、2024年12月期は3億3,000万円の黒字に浮上する見通しとなりました。
また、従来未定としていた前期の期末一括配当を5円実施するとし、今期も前期比5円増の10円に大幅増配する方針を示しています。
回復色を強めていることが好感視され、投機資金が攻勢を仕掛ける形になったようです。
株価は意識されていた75日線(366.29円)を超過してきており、一段高が期待できそうです。
東亜建設工業(1885)がストップ高まで買われ、昨年来高値を更新しています。
同社が、8日発表した、2024年3月期連結業績予想は、売上高を2,600億円から前期比26.4%増の2,700億円へ、営業利益を122億円から同2.4倍の159億円へ、純利益を74億円から同98.6%増の96億円へ上方修正しています。
国内土木事業・国内建築事業ともに受注高の増加による豊富な手持ち工事が順調に進捗していることに加えて、国内土木事業で設計変更獲得に伴う利益回復などが寄与する見通しで、海外事業でも、大型工事の利益率が改善したことが寄与したようです。
また、期末一括配当予想の110円から150円(前期90円)への引き上げも発表しています。
更には、投資家・株主との対話を受けた施策の見直しとして、3月31日を基準日とした1対4株の株式分割、自己株式50万株の消却も発表しています。
株価は更なる上昇が想定されそうです。
UTグループ(2146)がストップ高まで買われています。
同社が、9日発表した、2024年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結経常利益は前年同期比49.3%増の82.5億円に拡大し、通期計画の93億円に対する進捗率は88.7%に達しています。
また、従来の「総還元性向30%」を基準として配当や自己株取得で利益還元を実施する方針から「配当性向60%」を基準として、配当金による利益還元を実施する方針に変更しています。
それに伴い未定としていた今期配当を1株93.03円にするとしています。
更には、同時に第4次中期経営計画ローリングプランの策定も発表しており、それによれば2025年3月期EPSは275円、2026年3月期EPSは306円を数値目標として挙げています。
配当性向60%から算出する2025年3月期配当は165円、2026年3月期配当は183円となる計算になります。
来期以降の配当を考慮すれば、かなりの高配当になります。
PTSでは、すでに3,190円まで買われており、一段高が期待できそうです。
【テクニカル分析】
日経平均は小幅続伸!
ローソク足は、高値から390円の上ヒゲを形成する陰線となり、1/23の上ヒゲ天井と併せて「ダブルトップ」を疑いたくなる局面です。
しかしながら、「ダブルトップ」と判断するためには、2つ目の天井が1つ目の天井を上回らないことが前提条件なり、売買高から見ても、1つ目の天井をつけたときに売買高が多く、2つ目の天井をつけたときは売買高が減少するのが一般的であるため、今回は「ダブルトップ」には該当しないと考えるのが自然と思われます。
ボリンジャーバンドを見ても、再び、+1σ(36,633.78円)を超過しており、一時期、中心線の25日線(35,794.42円)に近づく傾向であった値動きを拒否して反発しています。
このまま、+1σ上を維持すれば、ここもとスクイーズしてきたバンド幅も、再びエクスパンションしてくる可能性があり、強い上昇トレンドを形成する可能性も出てきています。
ナイトセッションの日経平均先物は、37,150円 +260円で戻ってきています。
2月SQ値の37,018.07円を超過しており、週初はショートカバーも巻き込んだ一段高が期待できそうです。
【本日のトピック】
さて、9日の日本経済新聞電子版では「損保4社に政策株の売却要求 金融庁、価格調整で問題視」というスクープが報じられています。
金融庁は、株の持ち合いを通じた企業とのもたれ合いが一連の不正行為の温床になったとみているらしく、損保4社に政策保有株の踏み込んだ削減を求めるとのことです。
損保4社の政策保有株は延べ5900社、6.5兆円(時価ベース)でトヨタ自動車や旧財閥グループも含まれます。
上記は、各社の有価証券報告書からTOP10銘柄とその金額及び保有されている企業別の4社合計金額をまとめたものです。
トヨタ自動車や伊藤忠商事、信越化学などが多く、保有理由は「保険取引の維持・強化」がほとんどです。
これまでも、東京海上HDとMS&ADインシュアランスグループHD、SOMPOHDの持ち株会社3社は投資家からの要請や資本効率の改善を目的に政策保有株の削減を進めていました。
東京海上HDが「23〜26年度までに6000億円以上」、MS&ADが「22〜25年度までに6000億円」と数値目標を掲げ、SOMPOは「30年度までに修正連結純資産比20%以下まで削減を目指す」としていました。
しかしながら、これらは東証から要請に答えたものであり、努力目標の域は超えていません。
金融庁が出てくるとなれば、これまで損保各社が(表面上)計画していた保有株削減ペースが早まる可能性も十分考えられますし、その取り組みが足りないと金融庁に思われれば更なる行動が求められるでしょう。
特に、4社合計で1兆円を超えるトヨタ自動車の削減は市場に大きな影響を与えると思います。
どのようなタイムスケジュールで削減されていくのかは、わかりませんが、トヨタ自動車の売り出し公募の流れもあるかもしれません。
(主幹事の野村を中心とした大手証券の営業マンは腕の見せ所か⁉)
ここもと、トヨタ自動車や三菱商事を代表する輸送用機器や商社セクターの値上がりで最高値をつけていたバリュー株指数の動きにも変化が現れるかもしれません。
お金の流れが、大型株から中小型グロースに移ってくれば、私としては、やりやすくなるのですが・・・