11月26日(金) 相場概況
東証一部の騰落銘柄数は値上がり152/値下がり1992
騰落レシオ(25日) 74.74%
空売り比率 51.5%
売買代金 東証一部 2兆9993億円
マザーズ 2148億円
空売り比率が50%を超えています。売り仕掛けと思われ、投げ売りだけではないと感じます。
VIX指数が急騰しています。VIX指数がどこで天井を打つかはわかりませんが、VIX指数が急騰から下落に転じる動きがあれば、とりあえずリバウンドが見込めますので、短期の買いのタイミングになります。
業種 全業種が下落。
空運が5%を超える下落、不動産、陸運など大幅安。
個別 新型コロナへの警戒が再燃する中、かって、コロナを材料として賑わった川本産業(3604)、中京医薬品(4558)、重松製作所(7980)、アゼアス(3161)などが急騰しています。
自社株買い発表とともに、大和証券が投資判断を「3」→「2」 目標株価3200円→3800円に引き上げた住友大阪セメント(5232)が急上昇しています。
大口受注を発表したAIメカテック(6227)が13%を超える上昇になり、三菱HCキャピタル(8593)と物流施設開発事業の合弁契約を締結したと発表した霞ヶ関キャピタル(3498)も上場来高値を更新しています。
スズケン(9987)との業務提携を発表したFRONTEO(2158)がストップ高まで買われ、緑内障・高眼圧症治療剤「K-232」の国内製造販売承認を申請したと伝わったDWTI(4576)もストップ高になっています。
反面、海外渡航の制限強化が警戒されて、JAL(9201)、ANA(9202)、HIS(9603)などが大幅安になっています。
西武HD(9024)や鉄人化計画(2404)、パーク24(4666)などアフターコロナ関連で国内を中心に事業展開している会社も厳しい下落に見まわれています。
主力大型株は軒並み下落になり、レーザーテック(6920)やファーストリテイリング(9983)、信越化学(4063)などが大幅下落になっています。
中国当局がDIdIに米国上場廃止を要請したと伝わり、出資するソフトバンクG(9984)が5%を超える下落になり、
3Q期間での利益の伸び率が物足らないと認識されたタカショー(7590)も13%近い下落に沈んでいます。
連日大商いとなった直近上場のGRCS(9250)は買いが先行したものの失速し、9%を超える下落になっています。
日経平均は大幅下落!
日経平均先物のナイトセッションは現物市場より900円下落し、27850円で終わっています。(ザラバ安値は27510円)
移動平均線は、主だった線は、日足も週足も突き抜けてしまい下値のメドがつかない状況です。
上記、ボリンジャーバンドの週足なら、-2σ(27935円)、-3σ(27228円)あたりがメドになりますが、-3σまでいくと、その後も-3σに沿ってバンドウオークする可能性があり、おととしのコロナショック時のような下落を覚悟しなくてはならなくなると思います。
フィボナッチで考察すると、10/6の安値と11/16の高値で、78.6%の27859円
およそ アフターマーケットにつけた日経平均先物の終値水準で押し目を形成し、いったん反発に入る可能性がありそうです。
騰落レシオも74.74%まで低下し、売られすぎの80%を下回ってきています。
空売り比率も51.50%まで上昇し、過去6か月でいうと、空売り比率が50%を超えると反発していることがわかります。
短期的には、日経平均も先物水準まで下落すれば、反発する可能性も十分あり得ます。
ただ、今回の下落で上昇波動から下降波動に変化してしまっているとするなら、エリオット波動の一般論では、下降3波を覚悟しなくてはならないので、仮に反発になっても、上記の第3波 C波の下落を形成してくる可能性があります。
いづれにしても、「落ちてくるナイフは掴むな」の格言のごとく、リスク管理をしっかりおこない、底入れを確認してからの買いを考えたほうが賢明と思われます。
さて、今回の下落のきっかけになったのは、いうまでもなく新型コロナ変異株の「オミクロン」です。
いろんな情報が飛び交っていますが、今までのコロナとの違いは突然変異の箇所(ミューテーション)が多いところにあるようです。
デルタ変異株のミューテーションは10個前後、それに対し、オミクロンは50個以上あるといわれています。
スパイクタンパク質が新型コロナワクチンがターゲットにしている箇所になるわけですが、そこで32種類の変異が起きているようです。
ただ、大事なことは変異が多いからといって現行のワクチンがきかないというわけではないということです。
ファイザーは「1か月半あればオミクロンに対応するワクチンを開発できる。100日あれば量産できる。」と言っています。
オミクロンに感染すると、これまでの新型コロナに比べて症状が重くなることは報告されていません。
伝染力は、まだ実体がみえていないようですが、世界各国が一斉に対策を講じてきています。
感謝祭前に1.64%で引けた米国長期金利は、今回のオミクロンの影響で1.48%まで急低下しています。
安全資産である米国長期国債に資金が流れ込んでいます。
原油価格は、石油備蓄放出で、逆に値上がってしまいOPECとの関係性悪化が心配されていましたが、皮肉なことにオミクロンのおかげで急落しています。
今度の雇用統計いかんでは、金利上昇圧力が高まる可能性もありましたが、FRBも慎重にならざるを得ないと思います。
もちろん、12月は例年、米国は、税金の関係でグロース株に売りが出やすい環境ですし、日本もIPOが26銘柄も上場予定ですのでグロース株には厳しい環境になると思います。
ただ、インフレが落ち着いて、金利上昇圧力が弱まれば、再びグロース株物色が活発になる可能性もあるのではないかと思います。
いまから、大きく下落があれば、どのタイミングでなにを仕込むか戦略を練っておくのは大切なことだと思います。