3月1日(火) 相場概況
東証一部の騰落銘柄数は値上がり1170/値下がり938
騰落レシオ(25日)106.21%
空売り比率 44.4%
売買代金 東証一部 3兆0344億円
マザーズ 2008億円
業種
個別
1:3の株式分割を発表した商船三井(9104)が全市場売買代金トップの大商いになり、6%を超える大幅高。日本郵船(9101)、川崎汽船(9107)にも期待の買いが入っています。
指数寄与度の高いファーストリテイリング(9983)やソフトバンクG(9984)が買われ、東京エレクトロン(8035)やNEC(6701)も大幅高になっています。
トヨタがサイバー攻撃を受けたことが報じられ、セキュアヴェイル(3042)やブロードバンドセキュリティ(4398)、サイバーセキュリティ(4493)、網屋(4258)などセキュリティ関連が軒並みストップ高になっています。
JPMが投資判断を「Under」→「Neutral」に引き上げ、オアシスマネジメントが大株主に浮上したマネックスG(8698)がストップ高まで買われています。
期末配当の大幅増配を発表したケイアイスター不動産(3465)や米国NFTメタバースのスタートアップに出資すると発表したブイキューブ(3681)が大幅高になり、三菱UFJニコスと包括加盟店契約を結んだと発表したフライトHD(3753)も、一時ストップ高になるまで買われています。
反面、世界的な長期金利の下落を受けて、三菱UFJ(8306)や三井住友(8316)など銀行株が軟調になり、通期が最終赤字見込みになった山口FG(8418)も大幅安になっています。
工場の稼働を停止することになったトヨタ(7203)が軟調になり、日野自動車(7205)や豊田自動織機(6201)も売られています。
前日ロシア関連として売り込まれた三井物産(8031)が続落し、渡航リスクがくすぶる中、JAL(9201)やANA(9202)も大幅安になっています。
フルッタフルッタ(2586)や佐渡汽船(9176)、第一商品(8746)など、直近物色されていた低位材料株が大きく売り込まれています。
日経平均は3日続伸!
ギャップアップスタートから、一時27000円を回復するも、25日線(27026円)で頭を押さえられる形で上髭を形成しています。
明日以降25日線を上抜けることができるかが注目です。
上抜ける動きが見られれば、MACDもゴールデンクロスする可能性があり、ヒストグラムも陽転する可能性があります。
中期下落トレンドが転換するためには、25日線回復が最低限の条件になると思います。
大きく流れが変わってきたのがマザーズ指数です。
3日間で17%もの上昇になり、昨年11月から一度もブレークしたことのない25日線(743.20Pt)を上抜けてきています。
この動きは、米国の実質金利の低下や利上げ見通しの後退を受けた、米国小型グロース株のショートカバーラリーと連動しています。
FOMCに向けて、ロシア情勢の「適度な混乱」が長引けば利上げ期待後退を通して上昇余地が広がると思います。
さて、ロシアに、「2度目のデフォルト」となる可能性がでてきています。
1度目は、1998年のソ連からロシアに移行する期間で、エリツィン大統領の時代です。
政治的にも不安定な時期で、ロシアは財政難になり、短期国債の債務不履行を発表し、ルーブルの切り下げをおこないました。
このことが、米大手ヘッジファンドのLTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)の破綻につながり、世界の株価が20%ほど下落するLTCMショックを引き起こしています。
今回は、日米欧が中央銀行の外貨準備を凍結したため、為替介入(外貨売り・ルーブル買い)が出来ず、ルーブルが急落しています。
上記はロシア債のイールドカーブですが、1年前に比べて、金利がはねあがり、いかにルーブルによる資金調達が困難になっているかがわかります。
上記は5年物ロシア国債と5年物CDS(クレジットデフォルトスワップ=信用リスクそのものを売買する金融派生商品)の動きですが、CDSが400%を超えてきていることがわかります。
結論からいうと、ロシア国債が1年でデフォルトをおこす確率が50%以上になってきているということです。
ルーブルは対ドルで、おおむね75ドルくらいだったのですが、昨日、一気に117ドル近くまで急騰しました。
ロシアの通貨が、おおむね倍近くの150ドルくらいまで上昇すれば、インフレ率が約40%くらいまではねあがるといわれています。
ロシア国民は、ドルが使えずルーブルしか使えなくなり、40%ものインフレに見舞われるということになれば、生活が困窮を極めます。
ロシアは第一次世界大戦後、ドイツが経験したハイパーインフレになる環境が、一気に進んでいるということです。
追い詰められたプーチンは、窮鼠猫を嚙むごとく、核兵器の使用を匂わし、威嚇してきています。
しかしながら、仮に、ロシアが戦争に勝つとしても、ハイパーインフレへの流れは止まらないと思われます。
上記はロシア最大手のズベルバンクの株価推移ですが、モスクワ証券取引所は2日停止になる中、ロンドンでは、年始100だったものが6にまで暴落し、実質紙くずになっています。
ロシア株ETF(1324)も売買停止になっていますが、仮に売買が再開することがあっても、安易にリバウンド狙いとかは考えないほうがいいと思います。
ロシアは投資対象ではなくなったということです。
日本も早々にサハリン計画等からの撤退をきめないとまずいと思います。(岸田さんわかってるかな?)
おそらく、プーチンは自国が、このようなことに追い込まれるとは想像していなかったでしょう。
それどころか、一部の噂では、プーチンはパーキンソン病にかかっていて、まともな判断ができなくなっているという話もあります。
戦争はどうなるかわかりませんが、またしても、ロシアは狂犬的な指導者のおかげで、黒い歴史を刻むことになりそうです。