3月25日(金)
【相場概況】
東証一部の騰落銘柄数は値上がり1007/値下がり1068
騰落レシオ(25日) 98.37%
空売り比率 44.0%
売買代金 東証一部 3兆0581億円
マザーズ 1336億円
【恐怖指数】
【業種】
【個別】
直近売り込まれていた、日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)の大手海運株がそろって上昇しています。
日本郵船が2050年までに環境負荷の少ない燃料を使った船の導入に2.1兆円投資する方針が伝わったことから、過去に商船三井からLPG燃料船の受注を請け負ったことがある名村造船(7014)が大幅高になり、同材料の関連株としてJPNエンジン(6016)も急騰しています。
景気敏感系のバリュー株に買いが集まり日本製鉄(5401)や住友金属鉱山(5713)、三菱重工(7011)などが上昇しています。
グロース株が総じて売られる中、任天堂(7974)は強い上昇になり、厚労省がコロナ飲み薬を購入することで合意と報じられた塩野義製薬(4507)も大幅高になっています。
前日、このブログで紹介したインド関連のGunosy(6047)やBEENOS(3328)が大幅高になっています。
その他、ブロックチェーン関連事業への参入を発表したKLab(3656)や上方修正を発表したアイペットHD(7339)が大きく買われています。
反面、キーエンス(6861)やソフトバンクG(9984)、ソニーG(6758)など主力グロース株が弱く、レーザーテック(6920)も、一時5%超の上昇から売り込まれ、下落に転じています。
米長期金利は上昇したものの、三菱UFJ(8306)やみずほ(8411)など銀行株が下落し、子会社のSMBC日興の副社長逮捕が報じられた三井住友(8316)には強い売りが入っています。
T&D HD(8795)や第一生命(8750)、東京海上(8766)、SOMPO HD(8630)など保険株の多くが利益確定売りに押されています。
下方修正を発表したみずほリース(8425)やJストリーム(4308)が急落し、直近買われていた材料株の新都HD(2776)やグローバルウェイ(3936)も2ケタを超える下落に沈んでいます。
【テクニカル分析】
日経平均は9連騰!
しかしながら、一時200日線(28274円)を上抜くも、終値では押し戻され、8日ぶりの陰線になっています。
ナイトセッションの日経平均CFDは、やや切り返す動きになるも、終値では200日線を奪還できていません。
RSIが100%になるなど、短期では買われすぎの指標も出ており、来週3/29は権利付き最終日になりますので、配当落ちなどの影響も考慮すれば、5日線(27670円)や75日線(27490円)あたりの調整はあってしかるべきかもしれません。
注目された投資家別売買動向ですが、3/14-3/18の週は、海外投資家は+2733億円(現物▲1955億円/先物+4688億円)と5週ぶりに買い越しに転じています。
今回の日本株の上昇は、金融緩和を継続する日本円が売られることによる円安と海外投資家によるインフレヘッジの買いが考えられます。
ウクライナ侵攻以降、欧州や中国からは巨額の資本流出がおこっており、流動性のある資本主義経済である日本株に資金が流入してきているということだと思います。
米国のインフレ状況がより鮮明になり、FRBがオーバーキル(景気減速やむなしの利上げ政策)に走り、債券相場が示唆するリセッション(景気後退)状態が確認されるまでは意外な日本株高は続くのかもしれません。
2019年9月以来の新値九手になっていますが、前回は押して一段高も続かず、場中売られる展開が数日続いた後、半値押し程度の下げから、さらにもう一段噴き上がっています。
今回も同様の動きで、小調整からの再上昇という動きになっても不思議はないと思います。
しかしながら、2019年の時は約半年後にコロナショックで大底をつけにいったというサイクルであったことは覚えておいたほうがいいかもしれません。
【本日のトピック】
ライフネット生命(7157)
さて、本日は少々きな臭い銘柄を紹介します。
ライフネット生命(7157)は、TVCMなどでおなじみのネット生命の会社です。
知名度は抜群で、利益率の高い掛け捨ての保険を取り扱いしていますので、売上高は伸びてきています。
しかしながら、先行投資や広告宣伝費に積極的に投資しているためか、ここもとは赤字から脱却できていません。
大和証券も2/21に投資判断「2」継続 目標株価を1300円→750円に引き下げています。
ところが、ここもと、村上ファンド系列のエフィッシモキャピタルマネジメントが株を買ってきており、8.8%の大株主に浮上しています。
ライフネット生命は2015年にKDDI(9433)と資本業務提携を結んでいて、筆頭株主はKDDIになっています。
KDDIと言えば、2019年に当時のカブドットコム証券にTOBをかけています。
証券を手に入れて、銀行(じぶん銀行)を傘下におき、決済・投資部門の多角化を積極的に推進しています。
いずれ、生保を取り込むために、ライフネット生命にもTOBをかける動きがでてくるのではないかと思います。
エフィッシモの狙いはTOBに乗っかることでしょう。
最近も新生銀行のTOBに乗っかり荒稼ぎしていますね。
株価は仕込みやすい水準まで下落していて、KDDIにとってもTOBしやすい水準と思われますが、IPOの公募価格が1000円、海外POが1027円、増資が1133円であったことから、この水準での激安TOBは仕掛けにくいかもしれません。
なにより、エフィッシモが許さないと思います。
したがって、時間軸が長くなり、資金が寝てしまう可能性はありますが、長期投資の資金なら買い下がっていくのは面白いと思います。