12月23日(金)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄575/値下がり銘柄1192
騰落レシオ(25日)87.04%
空売り比率 46.5%
売買代金
東証プライム 2兆4922億円
東証スタンダード 843億円
東証グロース 1717億円
【恐怖指数】
恐怖と貪欲指数:投資家心理 |ティッカー (cnn.com)
【業種】
【個別】
政府はGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議を開き、廃止が決まった原子力発電所を建替え、運転期間も現在の最長60年から延長する方針を示しています。
既に事前に報じられていたことですが、正式にGX基本方針に明記されたことで、東京電力HD(9501)や関西電力(9503)などの電力株や助川電気工業(7711)、木村化工機(6378)、東京エネシス(1945)など原発関連が物色されています。
原発関連を物色しているのは、基本的に短期資金がほとんどと見られますが、来週以降も物色が続くのか注目されます。
日銀の金融緩和修正を受けて、長期金利が3.6%台まで上昇し、三菱UFJ(8306)が全市場売買代金2位の大商いで年初来高値を更新しています。
三井住友(8316)、ふくおかFG(8354)、佐賀銀行(8395)等も年初来高値を更新しています。
保険株も同様に物色され、MS&AD(8725)が大幅高になり、第一生命HD(8750)やT&D HD(8795)も年初来高値を更新しています。
サイフューズ(4892)がストップ高まで買われています。
日刊工業新聞が、日本精工(6471)が医療ベンチャーの同社と連携し、再生医療分野に参入すると報じています。
同社は先月下旬に上場した直近IPOで、上場後は公募価格の1620円も割り込み上場来安値を更新していました。
それだけに、大手企業の日本精工との連携は見直すキッカケになった様子で、来週1620円を超えていけるか注目です。
コネクシオ(9422)が場中値つかずのストップ高比例配分まで上昇しています。
ノジマ(7419)が伊藤忠商事(8001)の子会社で携帯電話販売業界3位の同社株を854億円でTOBを実施することを発表しています。
TOB価格は1株1911円で、来週もTOB価格にサヤ寄せしていくことが想定されます。
抗がん剤開発に特化する創薬ベンチャーのキャンバス(4575)が大幅反発になっています。
同社は従業員に対するストックオプションとして新株予約権を295個発行すると発表していますが、公式SNSのストックオプションの説明の中で、膵臓がん3次治療を対象とする「CBP501」の臨床第2相試験の結果について「今後進める第3相試験に向けて私たちは自信を深めている」と発言しています。
「CBP501」はがん細胞に直接作用するだけではなく、免疫細胞が少なく、がんを攻撃できない免疫コールドながんを免疫ホットにする「免疫着火剤」の効能もあるとされていて膵臓がん治療に光明を差す薬になる可能性があるとのことです。
反面、米マイクロンテクノロジーが12-2月期(第2四半期)決算において市場予想を下回る決算を発表し、2023年に約10%の人員削減を実施することを公表したため、東京エレクトロン(8035)やレーザーテック(6920)、アドバンテスト(6857)など主力半導体関連が総崩れになり、マルマエ(6264)やアドテック・プラズマ・テクノロジー(6668)など中小型半導体関連も総じて全面安になっています。
エーザイ(4523)が一時7%安になる8411円まで下落し、約1か月ぶりの安値をつけています。
米化学誌サイエンスが、同社がバイオジェンと共同開発するアルツハイマー治療薬「レカネマブ」の治験で3例目となる死亡が報告されたと報じています。
しかしながら、「レカネマブ」との因果関係がはっきりしないことや、2例目の死亡が発表された11/29の翌日は大きく戻したことから、今回も下落幅は次第に縮小していってます。
また、同社は「レカネマブ」を中国でも承認申請を提出すると発表していて、それを好感して下値に買いを入れた投資家もいるようです。
来週の動きが注目されます。
マイクロ波化学(9227)がストップ安まで売り込まれています。
同社は、このブログでも899円の時に紹介し、その後3105円まで駆け上がった銘柄ですが、ここにきて下落基調になっています。
特段、悪材料は見当たりませんが、同社の上場前からの株主に対する180日間のロックアップが12/20までとなっていて21日から売却可能になっています。
このことが悪材料視されたという見方もありますが、同社の大株主であったVCに対しては、ロックアップ期間が90日であり、公開価格の1.5倍以上で解除されています。
大量保有報告書からもVCはほとんど売却済みになっていて、20日まで売れなかったのは同社役員や従業員、業務提携先などであり、それらが売り急いでいるとは考えにくいため、個人投資家がロックアップ解除を材料に売りをだしたと見るべきでしょう。
ともあれ、1990円でPERは672倍、PBRは20.31倍 信用倍率は29.37倍です。
しばらくは静観したほうがよさそうです。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅反落!
大幅ギャップダウンからスタートし、直近安値の26269円を割り込んできています。
しかしながら、コマ線に近い陽線を形成し、ナイトセッションの日経平均先物も反発して戻ってきています。
(日経平均先物は、約70円の配当落ちが加味されていますので、現物に直せば26290円換算になります。)
週明けギャップアップからスタートし、陽線を形成するようなら、酒田五法の「明けの明星」を形成し、反発のきっかけになるかもしれません。
反発に入った場合は、まず下降する5日線(26587円)を突破できるかがポイントになりますし、そもそも、週明けが陰線になるようなら、一段の下落もありえます。
基本は様子見で年初に備えるほうがいいと思います。
【本日のトピック】
さて、本日は、私が感じる来年の相場の重要チェックポイントを書いてみたいと思います。
①リセッション
まずは、当然ですが、リセッション入りがあるのか、もしくは、あっても、どの程度なのかを慎重に見極める必要があると思います。
それには、まず来年1月下旬あたりからスタートする米決算と株価の反応です。
恐らく、決算については、前回の決算から金利が上昇していますので、数字的には悪いものが出てくるでしょう。
問題は、仮に悪い決算が出そろったとして、株価がどのような反応をするかだと思います。
織り込み済みとして反発に入るのか、それとも失望して下落するのか・・・
先日のマイクロンの決算での半導体関連株の下落を見ると、マーケットは決算悪を折り込みきれていないと思いますが・・・
②FRBの政策
ここもと発表になっている経済指標をみると、FRBが重視する個人消費支出価格指数(PCE)が、11月は1年強ぶりの低い伸びになったことや、米家賃上昇が急減速するなどインフレが鈍化してきていることを印象づけるものが出てきています。
ところが、FRBの基本姿勢は、最終的にインフレを2%の目標に低下させることです。
しかしながら、実際に2%を確認してから金融緩和政策に移るのであれば、インフレ率は2%に留まることはなく、さらに下落しデフレに陥ることが想定されます。
マーケットが期待しているように、インフレ率が4%程度になったあたりから、FRBが柔軟な政策に転換するのか、それとも、あくまでも2%が達成するまで政策転換することがないのか、FRBの政策によって大きくマーケットの動きは変わってくるでしょう。
私は相場を予測することは不可能と思っています。
相場は生き物であり、めぐるましく変わっていくものだからです。
しかしながら、自分なりに想定して、こうなればこういう銘柄を買うとか戦略を事前に建てておくことは重要と思っています。
そして、想定外のことがおこった時に「いかに生き残るか」を考えておくことは、最も重要なことだと思います。
正月の新聞に出る大手証券社長の日経平均予測ほど、あてにならないものはありません。