4月15日(金)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄数434/値下がり数1350
騰落レシオ(25日)106.80%
空売り比率 44.7%
売買代金 東証プライム 2兆0448億円
東証スタンダード 554億円
東証グロース 1619億円
【恐怖指数】
【業種】
【個別】
上方修正を発表したファーストリテイリング(9983)が9%近い上昇になり、円安進行を材料にトヨタ(7203)もしっかりの動きになっています。
米金利上昇を受けて、第一生命(8750)やT&D HD(8795)など保険株が買われ、新生銀行(8303)やコンコルディア・フィナンシャルグループ(7186)など銀行株の一角も大幅高になっています。
減益ながらコンセンサスを上回る営業益見込みを出し、増配も発表したクレリスHD(3387)が大幅高になり、今期営業益が68%増~3倍になる見通しを発表したディップ(2379)も10%近い上昇になっています。
3/25の、このブログにもインド関連として紹介したGunosy(6047)が通期営業益の上方修正を発表してストップ高になり、減益発表になるも、2000円以下は継続的に自社株買いを行っていく方針を発表したロコンド(3558)も16%近い急騰になっています。
上方修正と大幅増配(20円→44円)を発表した佐鳥電機(7420)がストップ高比例配分になり、ウォンテッドリー(3991)やサイエンスアーツ(4412)なども決算を材料にストップ高まで買われています。
反面 グロース株の多くが大幅安になっていて、レーザーテック(6920)や東京エレクトロン(8035)、SCREEN(7735)など半導体関連の下落がきつく、ベイカレント(6532)やマネーフォワード(3994)なども大幅下落になっています。
エンジン部品の不具合で主力車種の一部が生産停止になることが発表されたSUBARU(7270)が売られ、下方修正を発表した良品計画(7453)も5%を超える下落になっています。
マザーズ指数が大幅続落になる中、メルカリ(4385)やフリー(4478)、JTOWER(4485)など東証グロースの主力どころが大幅安になっています。
決算を材料に急落する銘柄が増えており、わらべや日洋(2918)やアスタリスク(6522)などが急落し、3Q累計営業益がコンセンサスを下回った識学(7049)もストップ安比例配分まで売られています。
グッドパッチ(7351)やラストワンマイル(9252)、幸和製作所(7807)なども決算が失望を呼び、ストップ安まで売り込まれています。
サーバーワークス(4434)のストップ安やシステムインテグレータ(3826)が14%下落するなど、決算後の傾向で、コロナ禍での急な在宅勤務の必要性からのシステム構築などで業績を上げたシステム系のITの株価反応が、かなりきついものになっています。
これから決算のBASE(4477)やアイル(3854)などは要注意と思います。
【テクニカル分析】
日経平均は反落!
ギャップダウンからスタートし、一時5日線(26853円)も下回る局面もあったものの、日経平均寄与度の高いファーストリテイリング(9983)が上方修正を好感し9%近い上昇となり、1銘柄で日経平均を184円引き上げました。
結果、売買代金は2兆スレスレまで減少するも、終値で25日線(27092円)を、かろうじて上回っています。
週足においても、13週線(26988円)を上回り、3週ぶりに陽線で終わっています。
75日線(27268円)が上値抵抗線になっていて、この水準を上抜くことは4/6~4/7に形成したマド埋め(27214円)も完了することにもなります。
日経平均は短期の三角持合いを形成しており、この観点からも、75日線を上抜けすることができるかどうかがカギになりそうです。
【本日のトピック】
さて、4/21の日本電産(6594)を皮切りに、日本でも決算発表が本格化してきます。
すでに、4/15のランキングをみても、値上がり率上位10銘柄中8銘柄、値下がり率上位10銘柄中9銘柄が決算を材料に動いています。
今後のマーケットを占う上で、決算をふまえた株価が、どのような傾向で動いているのか分析するのは大切なことであると思います。
4/15の決算をふまえた値動きで、ひときわ目をひいたのはベイカレント(6532)です。
ベイカレントの決算は、申し分ないもので、22年2月期 売上576億円(34%増) 営業利益215億円(59%増) 40円増配 自社株買い5万株実施予定というものです。
ところが、株価は8.38%もの下落に沈んでいます。
考えられるのはガイダンスとバリュエーションです。
ベイカレントの23年2月期予想は、売上711億円(23%増) 営業利益260億円(21%増)と発表しています。
ところが、コンセンサスでは売上718億円 営業利益272億円でした。
誤差ともいえる範囲の数字の違いと思われますが、それでもマーケットはコンセンサスに届かなかったとして売りが優勢になったとのことです。
ベイカレントはコロナ過で頭角を現した銘柄で、一時期はPERが80倍を超えるまで買われていました。
ところが、米国の金利上昇と共に株価は下落し、現在のPERは33倍まで下落しています。
業績は一貫して伸びてきているのですが、金利の上昇と共に許容されるバリュエーションが下落してしまい、株価も下落しているということでしょう。
上記は、PBRが10倍以上で、流動性の高い順番で並べたものです。
この中でベイカレントのPERは33倍と一番低いことがわかります。
これらの中には、今後、許容されるバリュエーションが下落することにより、株価が下落していくものも出てくる可能性があると思われます。
そして、この流れは今後決算が発表になるGAFAMの株価に共通の流れになるのか、チェックしておくべきであろうと思います。