5月6日(金)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄1279/値下がり銘柄510
騰落レシオ(25日) 88.50%
空売り比率 42.7%
売買代金 東証プライム 3兆4359億円
東証スタンダード 680億円
東証グロース 1069億円
【恐怖指数】
VIX指数が再び30を越えてきています。
【業種】
【個別】
米10年債利回りの3%台乗せを受けて、三菱UFJ(8306)や三井住友(8316)など銀行株が大幅高になり、第一生命(8750)やかんぽ生命(7181)など保険株もしっかりの動きになっています。
原油高を背景にINPEX(1605)が買いを集め、このブログでも4/21に紹介したコマツ(6301)や日立建機(6305)も大幅高になっています。
岸田首相がシティーの講演で、原発再稼働への意欲を示したため、東京電力HD(9501)が16%を超える急騰になり、関西電力(9503)や北海道電力(9509)など電力株が軒並み上昇しています。
また、同講演で水際対策緩和の姿勢も示したことから、ラオックス(8202)やパンパシフィック(7532)、マツキヨココカラ(3088)、日本空港ビルデング(9706)などインバウンド関連銘柄が物色されています。
決算関連では、上方修正と増配を発表したアドウェイズ(2489)やTOA(6809)などが急騰しています。
反面、ナスダックの大幅下落から、メルカリ(4385)やレーザーテック(6920)、エムスリー(2413)、リクルート(6098)、ソフトバンクG(9984)など主力グロース株が軒並み売り込まれています。
ペットゴー(7140)やモイ(5031)、クリアル(2998)など直近上場銘柄が手じまい売りに押されて厳しい下落に沈んでいます。
米大手化粧品のエスティ・ローダーが中国のロックダウンの影響で下方修正を発表したことから、資生堂(4911)やコーセー(4922)も急落しています。
アルツハイマー治療薬に関する損失計上により、前期利益見通しを引き下げたエーザイ(4523)が軟調になり、4月の月次が失望を呼んだKeeper技研(6036)も10%を超える急落になっています。
【テクニカル分析】
日経平均は反発!
小甘いスタートから、一時5日線(26751円)を下回る動きになるも、売り一巡後は好決算銘柄を中心に押し目買いが入り切り返す動きになりました。
終値では27000円を回復し75日線(26990円)もキャッチアップしています。
ゴールデンウイークで2日の立ち合いではあったものの、週足でも4週連続の陽線となり、13週線(26932円)上をキープしています。
米株に対して、強さが際立つ日本株ですが、チャート上は三角持合いを形成してきており、かなり煮詰まってきています。
来週決算発表が本格化する中、そろそろ、どちらかに放れてもおかしくない状況のため、要注目の週になると思います。
昨日発表になった4月の雇用統計は、ほぼ市場予想なみとなりました。
→雇用・賃金とも回復基調維持
特に失業率は2020年2月以来の低水準になるまで低下しています。
ところが、前日のS&P500、ナスダックともに続落し、年初来安値を更新しています。
これは、先日のFOMCから本格的な金融引き締めが始まり、市場の焦点が金融緩和局面のように一辺倒でなくなったということです。
つまり、
金融緩和局面
→雇用増・賃金増→好景気→マーケット好感
となっていたのが
金融引き締め局面
→雇用増・賃金増→インフレ圧力
金融引き締め局面 →雇用減・賃金減→景気後退懸念
とマーケットが悪いとこ取りで下落しやすい状況になっていることに注意が必要です。
アナリストによっても、米株見通しに強気派、弱気派が混在していますが、空前絶後の金融引き締め体制に入った米国市場において、何が定石なのかを市場を通して探っていく必要があると思います。
【本日のトピック】
さて、本日は酉島製作所(6363)を紹介します。
〔バリューエーション〕
PER 11.17倍 PBR 0.92倍 配当利回り 2.44%
〔需給〕
買い残 56700株に対し、売り残+貸付残 397102株
約7倍の売り長になっています。
日証金では0.05円ほど逆日歩もついています。
〔業績〕
決算発表は5/12になりますが、これまで発表になった3Qまでの推移をみると
営業利益 1Q 500万 2Q 3億1600万 3Q 13億5600万と、かなりのペースで伸びてきていることがわかります。
年度により、好不調の波があることから、この会社は、恒常的に成長していく株ではなく景気敏感株、景気循環株、バリュー株の性格を持っていることがわかります。
酉島製作所の3Qの決算資料をみると、海外の受注(エジプト、サウジアラビア、香港)が急激に伸びていることがわかります。
そして、何が伸びているのか事業領域別でみると、ハイテクポンプの受注が大きく伸びていることがわかります。
ハイテクポンプは、石油精製、ガス(LNG)精製に多様されるポンプです。
今回のウクライナ紛争で、脱ロシアが進む中、他の資源国はエネルギーの増産を迫られています。
サウジアラビアでの受注が増えているのは、その流れと思われます。
5/12の決算にも期待が持てます。
〔これから期待の持てる材料〕
また、酉島製作所は海水淡水化ポンプにおいても実績があります。
ここ数年、米国での夏場の水不足は慢性化しています。
今年も米国の水不足が話題になるころ、物色される可能性もあると思います。
〔為替〕
2021年12月末は115.02円を想定していますので、円安メリットも享受する銘柄です。
〔景気循環株〕
景気循環株は、一定のサイクルを形成する傾向があります。
長期の月足でみると、新しいサイクルが始まりつつあるように見えるのですが・・・
〔戦略〕
とはいえ、現状の株価は年初来高値水準です。
決算期待で上昇してきている可能性もあり、好決算がでても、いったん利益確定売りが出る可能性もあります。
仮に売られても、高需給が受け止めると思います。
100株単位で買えますので、少し仕込んで、押せば買い増ししていく作戦が有効と考えます。