7月19日(火)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄1161/値下がり銘柄617
騰落レシオ(25日) 106.41%
空売り比率 42.4%
売買代金 東証プライム 2兆4278億円
東証スタンダード 795億円
東証グロース 1067億円
【恐怖指数】
恐怖と貪欲指数 - 投資家心理|ティッカー (cnn.com)
【業種】
【個別】
日経新聞に「EV向け省エネ自動運転センサー」を開発と報じられたソニーG(6758)が大幅高になっています。
原油価格上昇を受けて、INPEX(1605)が5%近い上昇になり、石油資源開発(1662)やコスモエネルギー(5021)なども大幅上昇になっています。
政府は2023年度予算案の概算要求基準で、「防衛費の上限を撤廃する方針」を発表し、川崎重工(7012)やIHI(7013)、三菱重工(7011)、日本アビオニクス(6946)など防衛関連が大きく買われています。
東邦亜鉛(5707)や住友鉱山(5713)、大阪チタニウム(5726)など非鉄金属が物色され、米長期金利上昇から、三菱UFJ(8306)や三井住友(8316)など銀行株も買われています。
日本郵船(9101)や商船三井(9104)など海運株にも見直し買いが入り、川崎汽船(9107)は7%を超える急騰になっています。
減益予想になっていた営業益を上方修正、一転、増益見通しを発表し、同時に500万株・30億円の自社株買いを発表した日本国土開発(1887)が年初来高値を更新しています。
決算が好感された、KeyHolder(4712)やリックソフト(4429)がストップ高まで買われています。
反面、任天堂(7974)やベイカレント(6532)、エムスリー(2413)などグロース株の一角が売り込まれています。
抗がん剤「エンハーツ」の特許訴訟について、米特許庁が審査を中止すると報じられた第一三共(4568)が3%近い急落になり、中外製薬(4519)やアステラス製薬(4503)などの他薬品株も売り込まれています。
www.nikkei.com
洋上風力発電事業者の公募ルール変更で、世界大手が参入を見直すと報じられ、風力発電に対する期待が後退したレノバ(9519)が6%を超える下落になっています。
今期営業赤字の見通しになった串カツ田中(3547)が7%近い下落になり、今期の見通しを非開示とした三益半導体(8155)も5%近い下落に沈んでいます。
通期見通しを引き下げたモビルス(4370)や3Qが最終減益となったグッドパッチ(7351)は、場中値つかずのストップ安比例配分まで売り込まれています。
【テクニカル分析】
日経平均は4日続伸!
大幅ギャップアップからスタートし、心理的節目の27000円を回復するも、27000円の壁に押し戻され、寄り付きで開けたマドを埋める展開になりました。
しかしながら、マド埋めが終了した後からは、再び、買いが優勢になり、陰線ながらも、6/28以来の75日線(26851円)を突破しています。
明日以降、まずは6/28の高値(27062円)を突破できるかが注目です。突破することになれば、アセンディングトライアングル上抜けになり、200日線(27624円)がターゲットになってきます。
逆に、本日上抜けた75日線が下値支持線として機能しない場合には、トリプルトップを形成し、思わぬ反落につながる可能性もありますので注意が必要です。
【本日のトピック】
さて、本日は当面の市場リスクを考察します。
①米ハイテク決算
7/18の米株市場は、引けにかけて失速し、マイナスで終わりました。
その要因としてあげられているのは、「アップルの採用抑制」のニュースです。
アップルはコロナ過の中でも、おおむねウォール街の予想を上回ってきましたし、過去の経済混乱時でも、競合他社より、うまく立ち回ってきています。
それだけに、今回の採用抑制のニュースは、アップルがリセッションに関して危機感を持っているということでしょう。
ブルームバーグの報道後、アップルの株価は2.1%安の147.07ドルで終了しています。
1日の下落幅としては、約3週間ぶりの下落になり、他のハイテク株の下落にも波及しています。
ハイテク株の業績不安の要因は、まちがいなく20年ぶりのドル高になると思います。
20年前とは、会社規模も市場規模も比べ物にならないくらい成長していますので、今回のドル高が決算にどの程度影響を与えるのか、そして株価がどのように反応するのか、過去から類推することが難しいと思います。
アップルは7/28に4-6月(第3四半期)の決算発表を迎えます。
アナリストは前年同期をやや上回る830億㌦(約11兆4600億円)の売上高を予想しています。
これまで通り、期待通りの決算になるのか、予想を下回る決算になるのか、そして、その時株価はどのように反応するのか これからの世界の株価に大きく影響してくると思います。
②エネルギー問題
昨日、原油価格は4%ほど上昇し、一時100ドルを超える価格になっています。
ロシアの国営天然ガス企業のガスプロムは、欧州の一部買い手に不可抗力条項を宣言しています。
ガスプロムは、主要パイプラインに問題が発生したとし、欧州向けのガス供給を絞ってきましたが、今後も少ない供給の状況が継続するかもしれないと宣言したのです。
もちろん、これは、ロシアのいやがらせです。
ロシアは資源供給を盾に、欧州に報復措置に出てきているのでしょう。
原油価格はFRBの金融政策ではコントロールすることが出来ません。
原油価格が、再び上昇すれば、スタグフレーション懸念が再燃します。
バイデン大統領はサウジアラビアに訪問し、原油の増産を訴えたようです。
しかしながら、いまのところ、具体的な増産の話は出てきていません。
サウジに煙に巻かれたという状況でしょうか?
そして、今すぐではないと思いますが、ロシアのエネルギー供給停止が、欧州の深刻な経済打撃につながるということも想定しておいたほうがいいと思います。
ロシアのガス停止は、EUのGDPを最大1.5%押し下げるという試算もありますし、ドイツのエネルギー大手のユニパーは経営難に陥ってきています。
米国がインフレを、うまく脱出できたとしても、欧州発のブラックスワンが降り立つこともあり得ることを頭のすみに置いておくべきかもしれません。