8月3日(水)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄683/値下がり銘柄1074
騰落レシオ(25日) 110.86%
空売り比率 41.2%
売買代金
東証プライム 2兆9200億円
東証スタンダード 862億円
東証グロース 942億円
【恐怖指数】
恐怖と貪欲指数 - 投資家心理|ティッカー (cnn.com)
【業種】
【個別】
指数寄与度の高いファーストリテイリング(9983)やソフトバンクG(9984)、東京エレクトロン(8035)がしっかりの動きになり、レーザーテック(6920)やエムスリー(2413)、日本電産(6594)など大型グロース株が買われています。
TOPIX小型グロース株指数は頭打ち感が出てきていますが、大型グロース株へのローテーションが進むかが注目です。
今期営業利益予想を前期比11%増の3500億円になることを発表し、最高益を予想していた従来予想(7%増の3400億円)に上積みする見通しを発表したダイキン(6367)が大幅高になり、3年ぶりの1Q黒字を発表したJR西日本(9021)も3%を超える上昇になっています。
市場コンセンサスを大きく上回る1Q決算を発表したサンリオ(8136)が12%を超える急騰で年初来高値を更新しています。
今後も、6/29に発表したアリババ子会社とのマスターライセンス契約締結やメタバースの構築収益が見込め、好取組需給で空売りの踏み上げと思われる買いも入った様子です。
www.nikkei.com
英シェルの日本法人シェルジャパンと9月にも業務提携をすることが日経新聞に報じられたウエストHD(1407)が5%近い上昇になっています。
遠隔眼科医療用網膜モニタリング機器「PBOS」に関する特許取得を発表した窪田製薬HD(4596)が大幅高になっています。
反面、前引け後1Q決算を発表した川崎汽船(9107)は配当の倍増を発表したものの、配当性向が8.2%程度に留まり、期待されていた1000億円以上の追加株主還元策が決定されていなかったことから失望売りを呼び込み大幅安になっています。
1Qの決算がコンセンサスに届かなかったSUBARU(7270)が5%を超える大幅安になっています。
大幅減益になる1Q決算を発表したケーズホールディングス(8282)が急落し、ヤマダHD(9831)やエディオン(2730)、ビッグカメラ(3048)、コジマ(7513)など家電量販店銘柄が軒並み売り込まれています。
上海ロックダウンの影響や半導体不足が響き、今期予想を大幅下方修正することを発表したNOK(7240)が大幅安に沈んでいます。
【テクニカル分析】
日経平均は反発!
ギャップアップからスタートし、一時、上向きに転じた5日線(27789円)を上抜けるも、昨日の高値27830.58円を更新したところで上昇いっぱいになり、その後は27700円台での横ばい相場になりました。
ペロシ下院議長の台湾訪問についても、市場の反応は限定的であり、重要な節目である200日線(27562円)は死守している状況です。
引き続き、先月28日高値28015.68円と200日線との間で日柄調整が進む状況ですが、200日線上を維持しているのであれば、次第に下値が固くなり、28000円水準を上抜けることにつながると思います。
【本日のトピック】
さて、昨日の米国市場は米中問題が警戒されたのが響きましたが、FRBの高官らから、株式市場の「楽観論」に釘をさす発言が相次いだというのも大きかったと思います。
FRB高官らが発言した内容としては、
・インフレは終わっていない
・インフレが終了するまで利上げを続ける
・金融引き締めは長く続く
・早期の利下げ観測は楽観的
といったものです。
FED Watchの9月の利上げ観測をみると、9月も0.75%の利上げになるという予想が47.5%まで上昇してきています。
利上げ予想のロードマップも、水準が切り上がり、金利引き下げも、来年春先までズレこんでいます。
そして、本日、OPECプラスは、原油の9月供給量引き上げの可能性を協議します。
バイデン大統領が、わざわざサウジアラビアまで訪問し、原油の増産を依頼したわけですが、一部では、あまり効果がなかったと見る向きもあります。
本日、原油価格は上昇してきていますが、OPECプラスの原油供給量の引き上げが不発に終われば、原油価格は100ドル乗せが再来するかもしれません。
ここもと、NT倍率は14倍超えまで上昇してきています。
TOPIXより日経平均のほうが優位性が高い状態で、相対的にグロース株が買われていたということを示します。
原油が上昇してくるなら、上記のような原油関連は物色される可能性がありますし、インフレ再燃ということで、非鉄金属や石炭、商社などが物色対象として復活するかもしれません。
グロース売りのバリュー買いになりNT倍率も低下していくこともあり得ます。
今晩のISM非製造業景況感指数や、8/5の米雇用統計といったインフレを計る経済指標と共に、原油価格にも注目しておいたほうがいいと思います。