8月5日(金)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄1359/値下がり銘柄418
騰落レシオ(25日)122.82%
空売り比率 41.9%
売買代金
東証プライム 2兆8716億円
東証スタンダード 768億円
東証グロース 1185億円
【恐怖指数】
恐怖と貪欲指数 - 投資家心理|ティッカー (cnn.com)
【業種】
【個別】
トヨタ(7203)やソニーG(6758)、ファーストリテイリング(9983)など主力グロース株が大幅高になり、任天堂(7974)も3%を超える上昇になっています。
半導体関連が物色され、東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)、SCREEN(7735)などが大幅高になっています。
市場予想を大幅に上回る今期純利益予想を発表した日本製鉄(5401)が8%を超える上昇になり、今期大幅増収と600億円の自社株買いを発表したHOYA(7741)も大幅高になっています。
1Qの純利益の進捗率が50.4%に達した丸紅(8002)が大幅高になり、2Qの純利益が前年同月比2.1倍、中間配当も2円増配で36円にすると発表したSUMCO(3436)も大幅続伸になっています。
1Qが市場予想を超える増収になり、未定としていた通期見通しも黒字転換 配当も復配することを発表した大阪チタニウム(5726)がストップ高になるまで買われています。
反面、メルカリ(4385)が4%を超える下落になり、東証グロース市場においても、ビジョナル(4194)やJTOWER(4485)、メドレー(4480)など主力どころに売りがでています。
三菱重工(7011)は1Qの純利益が為替の円安で52%増になったことを発表するも、本業の事業利益が3割減っていることが嫌気され大幅安になっています。
大成建設(1801)も、1Q経常が前年同期比64%増益になるも、通期計画の進捗率が9.6%に留まったことが嫌気され、大きく続落しています。
上期経常益の赤字が拡大していることを発表したBASE(4477)が15%近い急落になり、インキュベーション事業で投資損失引当金を計上したことや、新規事業への投資が負担になり、3Q決算が大幅減益になることを発表したBEENOS(3328)がストップ安まで売られています。
ウネリー(5034)やエアクローゼット(9557)など直近IPOも週末を前に手仕舞い売りに押されています。
【テクニカル分析】
日経平均は続伸!
寄り付きこそ、小甘くスタートするも、5日線(27887円)を割ることなく反転し、先月28日の高値(28015円)を上抜ける大陽線を形成しています。
週足においても、上値抵抗線になっていた52週線(27813円)を上抜ける動きを見せてきていて、中期的にも上昇トレンドへの転換が伺えます。
7/25-29の週の海外投資家の売買動向は▲1472億円の小幅の売り越し(現物▲3083億円/先物1611億円)でした。
NT倍率が14.47倍まで上昇してきている(TOPIXに対して日経平均が買われている)ことからも、ここもと日経平均を押し上げてきたのは、現物の買いではなく、短期のCTAと思われる日経平均の先物買いです。
チャートの流れはよくなっているのですが、来週のSQが過ぎれば、先物の買いは一巡する可能性が高く、現状の上昇トレンドが継続されるのかが注目になると思います。
【本日のトピック】
さて、ご存じの通り、7月米雇用統計が発表になりました。
7月の非農業部門の雇用者数は52.8万人増と市場予想(25.0万人増)を大きく上回り、平均時給も前年同月比5.2%増になり市場予想(4.9%増)を上回っています。
インフレ加速で雇用の鈍化が予想されていましたが、ふたを開ければ雇用は非常に旺盛であったということです。
9月のFOMCの利上げ幅も、0.5%の利上げ確率32%に対して0.75%の利上げ確率68%と0.75%の利上げ確率が高くなっています。
株価は複雑な動きをしました。
雇用統計発表直後は、金利上昇を嫌気して、大きく下落したものの、雇用が堅調であるということはリセッション懸念はないということで、徐々に持ち直す動きになりました。
今回の雇用統計の結果は、過去にあまり例のない形で、市場の見方も複雑化する可能性があると思います。
今回は
慢性的な人手不足→雇用需要拡大→賃金上昇→インフレ懸念→金利上昇
という経路をたどっていますが、原油や小麦、住宅価格などモノの物価は下落傾向にあります。
恐らく、9/13に発表になる8月CPI(消費者物価指数)も下落の結果になると思います。
クリーブランド銀行のメスター総裁は、「政策金利を4%を少し上回る水準まで引き上げる」必要があると発言しています。
年内の政策金利4%以上は、マーケットは織り込んでいません。
9月の利上げが0.75%になったとしても、一時期は1%の利上げを折り込みにいった時期もありましたので、株価は上値が重いながらも堅調に推移すると思います。
しかしながら、賃金インフレが収まらず、年内政策金利予想が4%以上を織り込むことになれば、米株の下落は避けられないと思います。
米株は、これまで以上に金利の動向に左右されると思います。
上記の経済指標とFRB高官の発言 それらをふまえて金利がどのような反応を示すのかはチェックしておく必要があると思います。