8月16日(火)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄790/値下がり銘柄953
騰落レシオ(25日) 123.00%
空売り比率 40.6%
売買代金
東証プライム 2兆4062億円
東証スタンダード 1031億円
東証グロース 1722億円
グロース市場始まって以来の売買代金です。
【恐怖指数】
日経VIが18.27%まで低下してきています。
スピード調整があってもいい水準です。
恐怖と貪欲指数 - 投資家心理|ティッカー (cnn.com)
上記は上がFear & Greed Indexで下がS&P500です。
過去1年間は50以上に上昇するとS&P500は下落していますが・・
【業種】
【個別】
映画「ONE PIECE FILM RED」がシリーズ最大の興行収入を突破したことで、版権を持つバンダイナムコ(7832)が上場来高値を更新しています。
米アマゾンドットコムと三井物産(8031)それぞれと資本提携し、新株予約権を発行、株式に転換後はアマゾンが36.95%の筆頭株主になることが発表されたアイスタイル(3660)がストップ高比例配分まで買われています。
また、同社株を518万株、約7%保有するくふうカンパニー(4376)も思惑で買われ、大幅上昇になっています。
1Qの通期計画に対する進捗の良さが好感されたレアジョブ(6096)がストップ高まで買われ、通期最終益の上方修正と自社株買いを発表した日機装(6376)も急騰しています。
大和証券が目標株価を1100円→1900円に引き上げたギフティ(4449)が一時ストップ高まで買われています。
同社は信用取り組みが売り長になっていて、逆日歩も発生しています。
MSやMUFG証券、GS、ノムラインターナショナルPLCの4社で約170万株もの空売り残を抱えていて、買戻しの動きが出てきているという観測もあります。
明日以降もしっかりとした動きが続くのか注目です。
村上ファンド系のシティインデックスイレブンスなどが株式の51%の取得を示唆したと公表し、買収防衛策を導入する方針と発表したジャフコ(8595)が急騰しています。
(VCなのに自社株をPBR0.9倍で放置していた経営陣は、あまりにおそまつのような気がしますが・・・)
反面、米有力アクティビストのエリオット・マネジメントによる保有株全株の売却方針が報じられたソフトバンクG(9984)が大幅安になっています。
バルチック海運指数の下落から、市況のピークアウトが懸念された海運株が全面安になり、日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)も、そろって4%を超える下落になっています。
1Qが大幅減益になったUMCエレクトロニクス(6615)が10%を超える下落になり、今期減益見通しが失望を呼んだテスHD(5074)も大幅安になっています。
前日、決算が好感されて急騰した恵和(4251)に、大和証券が目標株価を6500円→5000円に引き下げたことを材料に利益確定売りが出ています。
【テクニカル分析】
日経平均は小幅安!
ギャップダウンからスタートし、一時28750円台まで売られましたが、一方的に下げることはなく、買戻しが入り、前日終値近辺での膠着状態になりました。
信用残を見ると、先週日経平均が上昇する中、売り残が増加していることがわかります。
日経平均が上昇すれば値上がりする日経レバレッジ(1570)の信用残をみると、株不足になり5.00円の逆日歩がついています。
日経平均が下落すれば値上がりする日経ダブルインバース(1357)は買い残が過去最大に膨れ上がり、貸借倍率は32.44倍になっています。
つまり、先週日経平均が上昇する過程で、空売りが積み上がり、売りのポジションを取っている人は、かなりの評価損を抱えている状態です。
したがって、少し下落しても、すぐ買戻しが入って、下落が限定的になりやすい環境になっています。
日経平均が29000円を超えるような動きがあり、売りのポジションを取っている人が投げさせられて、売り残が減少するような動きがないと、大きな下落がおこることはないのかもしれません。
【本日のトピック】
さて、昨日米国では8月のNY連銀製造業景況指数が大幅な低下になるというニュースが流れました。
発表直後は米株も幾分下落したものの、景況感が悪化するということは、早期に利上げが終了するという思惑で、金利が低下し、株も切り返して終わりました。
シカゴ連銀のエバンス総裁やミネアポリス連銀のカシュカリ総裁らが、4%強の利上げを主張し、早期利下げ観測に警鐘を鳴らしていますが、マーケットは、今のところ警告を無視しており、金利も下落してきています。
年内のFED Watch12月をみても、3.5%の利上げに留まるのが多数派になっています。
https://recruit-holdings.com/files/ir/library/upload/report_202303Q1_ts_jp.pdf
ところが、上記はリクルート(6098)の出木場社長の決算説明会の書下ろしですが、米国は不景気の中でも、賃金インフレは、なかなか収まらない見通しを語っておられます。
FRBはインフレ率が2%台に下がってくるようなら、当然利下げも検討するかもしれませんが、賃金インフレが収まらず、下がっても4%台で高止まりする可能性も十分あると思います。
つまり、当面利上げが継続される可能性が高いということです。
当面のFRB高官発言予定
8/17 ボウマン理事
8/18 カンザスシティ連銀ジョージ総裁、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁(23年末4.4%支持)
8/19 リッチモンド連銀バーキン総裁
ところが、米国のスケジュールをみれば、ジャクソンホール会議まで、早期利下げを否定するイベントが見あたりません。
住宅関連の経済指標は、恐らくインフレ沈静化を連想させるものになると思います。
米国も、日本同様、ショートが焼かれ、乗り遅れたロング勢が打診買いを入れてきている局面です。
ジャクソンホール会議あたりまでは宴が続くのかもしれません。