9月22日(木)
【相場概況】
NYダウ年初来安値更新です。
東証プライムの値上がり銘柄626/値下がり銘柄1105
騰落レシオ(25日)83.33%
空売り比率 46.9%
売買代金
東証プライム 2兆6518億円
東証スタンダード 793億円
東証グロース 1200億円
【恐怖指数】
VIX指数も一時32台まで上昇。
EXTREME FEARに突入です。
恐怖と貪欲指数 - 投資家心理 |ティッカー (cnn.com)
【業種】
【個別】
自社株の取得期間延長を発表したトヨタ(7203)が買われ、為替が円安に振れたこともあり、三菱自動車(7211)、SUBARU(7270)、マツダ(7261)など自動車関連の一角が買われています。
訪米中の岸田首相が、新型コロナの水際対策を10月以降緩和する方針を表明したことが伝わり、JAL(9201)、ANA(9202)の空運株、JR東日本(9020)、西武鉄道(9024)など鉄道株、旅工房(6548)、アドベンチャー(6030)など旅行関連株、三越伊勢丹(3099)、H2Oリテイリング(8242)など百貨店株、他インバウンド関連に見直し買いが入っています。
再編に絡み、産業革新機構が米ベインキャピタルと連合を組む方針と報じられた東芝(6502)が大幅高になっています。
自社株の取得枠を50万株→70万株 3億円→5億円に拡大することを発表したユークス(4334)が9%を超える上昇になっています。
今期経常利益予想を5.8億円→13.6億円 配当を40円→63円に増配する発表をしたアクセル(6730)がストップ高比例配分まで買われています。
買収したロゴスウェアの業績が寄与すること、「ふるさとチョイス」の手数料引き上げを実施することを考慮して、丸三証券が目標株価を2800円→3200円に引き上げたチェンジ(3962)が急反発になっています。
反面、ソフトバンクG(9984)やリクルートHD(6098)など主力グロース株が売られ、FOMC通過で材料出尽くしとみなされた三菱UFJ(8306)や第一生命(8750)など金融株も売られています。
神戸物産(3038)は8月の営業利益は2ケタ増となるも、材料視されず続落になっています。
1Qの決算で、営業利益がコンセンサスに届かず減益になったことが嫌気された日本オラクル(4716)が大幅安になっています。
今期経常利益を21億円→10.9億円に下方修正し、36%減になることを発表したゴルフダイジェスト・オンライン(3319)が大幅続落になっています。
3日連続でストップ安になっていたダブル・スコープ(6619)は1469円で寄った後、出来高全市場1位になる大商いをやりながら、一時1749円まで上昇するも、徐々に値を消しマイナスで終わっています。
実に7社以上の外資系が貸株取引にかかわっていて、開示義務(0.2%以上で報告、0.5%以上で名前開示)のある比率だけでも、発行株式数の20%を超える貸株取引がおこなわれる異常な状態です。
3175円をつけた9/15にはMSとGSが大量保有報告書を提出しています。
この株が貸株にまわされたかは定かではありませんが、うがった見方をすれば、自ら買い上がりながら、個人投資家を巻き込み、空売りポジションを組んでいったともいえないことはないと思います。(絶対に下がると自信がないとできませんが・・・金融庁はインサイダーも含め調査しないのでしょうか?)
そして、個人の信用残も1754万株の買い残と483万株の売り残を残しています。
当面は需給がこなれるまでは、買い方には苦しい展開が待っていると思います。
【テクニカル分析】
日経平均は続落!
週足の26週線(27328円)を下抜け、一時、心理的な節目の27000円も割り込む動きになっています。
今回より祝日も先物市場が動くようになりましたが、23日の日経先物は大きく下落して戻ってきています。
月曜日は、マドを開けてギャップダウンからスタートするのは、ほぼ確実でしょうから、「三空叩き込み」を形成し、反転の兆しがみえるかが注目になります。
ここから、重要になるのは為替の動きです。
ご存じの通り、財務省は24年ぶりの円買い介入を実施しました。
年初来安値を更新した米株に対し、日本株が、そこまで下落していないのは為替プレミアムがのっているからです。
ところが、昨日1日に限れば、NYダウが-1.62%の下落であったのに対し、日経先物は-2.26%の下落で、日経のほうが下落率が高かったことがわかります。
普通に考えれば、黒田総裁が金融緩和継続を唱える中、介入をやったところで、ファンダメンタルは変わらないわけですから「焼石に水」となるでしょう。
実際、介入直後こそ140円台まで円高になったものの、早くも143円台まで回復してきています。
介入に使える外貨準備にも限りがあり、あと3回もやれば弾切れになるとの見方もあります。
円安の流れが変わらなければ、日本株にとってプラスに作用しますが、かりに、政府が日銀とコンセンサスをとって、円高に誘導するという行動にでるのであれば、日本株の円安プレミアムが、はげ落ちる可能性がありますので、6月安値の25500円あたりまでは覚悟しなくてはいけなくなると思います。
【本日のトピック】
さて、昨日のマーケット下落のきっかけは英国の政策発動といわれています。
トラス政権は大規模な減税と国債増発を打ち出しましたが、マーケットは財政と債券需給を懸念して、債券安、通貨安、株安のトリプル安になっています。
このことは、インフレが収まらない中で、経済政策を行う難しさを示す先例になったと思います。(バイデン大統領は選挙対策の経済対策が打ちにくくなったかもしれません。)
米国も下落しましたが、2年国債が4.2%を越えるまで上昇してきています。
先日のFOMCのドットチャートによると、2022年末の見通しの中央値は「4.25%-4.5%」ですので、9月としては、かなり織り込んできたことがわかります。
S&P500が安値面合わせまで下落してきていて、VIX指数も30オーバー、金利も織り込みがすすむという水準になってきましたので、いったん反発に入ってもおかしくない水準まできていると思います。
あとは、決算に対するマーケットの反応です。
9/29にはマイクロン・テクノロジーの決算発表がありますが、仮に悪い決算がでても、株価がそれほど下落しないということになれば、決算悪もある程度織り込んでいるということになり、米株はいったん反発にはいると思います。
その動きがでるなら、日本株も為替プレミアムが乗った状態が継続できているのであれば、反発にはいると思います。