10月13日(木)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄342/値下がり銘柄1447
騰落レシオ(25日) 86.54%
空売り比率 46.9%
売買代金
東証プライム 2兆4558億円
東証スタンダード 703億円
東証グロース 892億円
【恐怖指数】
恐怖と貪欲指数 - 投資家心理 |ティッカー (cnn.com)
【業種】
【個別】
SOX指数が続落する中、連れ安していた日本の半導体関連に買いが入り、東京エレクトロン(8035)やレーザーテック(6920)、アドバンテスト(6857)、SCREEN(7735)など主力半導体関連が逆行高になっています。
東芝(6502)が経営再建案を巡り優先交渉権を与えた企業連合が、東芝の非上場化に向けた買収額として2兆8000億円を想定していることが報じられ、東芝株が急騰しています。
買収額が2兆8000億円で決まれば、単純計算で1株約6464円になり、時価とは大きな乖離があります。
しかしながら、東芝再編は、いまだ不透明感が強く、この水準から買いが継続するかは未知数です。
今期大幅増益の上方修正で黒字転換 増配の発表をしたコシダカHD(2157)がストップ高まで買われ、同業の鉄人化計画(2404)も8%を超える急騰になっています。
新品の物価高や供給不足が追い風になり、リユース品への需要が高まったことから、大幅な上方修正、増配 自社株買いを発表したトレジャーファクトリー(3093)が大幅反発、年初来高値を更新しています。
同業のハードオフ(2674)、ブックオフG(9278)、買取王国(3181)なども大幅高になっています。
コメダHD(3543)が上半期決算を発表し大幅高。
4年ぶりに上場来高値を更新しています。
決算自体は、ほぼコンセンサス通りでサプライズ感はありませんでしたが、9月からフランチャイジー向けの食材卸売り価格を値上げしていることから、利益率が改善する見通しのようです。
河野太郎デジタル相が現行の健康保険証を廃止し「マイナ保険証」に切り替える方針を発表し、子会社で自治体DX支援の一環としてマイナンバーカード普及促進の支援を行っているITBookHD(1447)が大幅続伸になっています。
短期資金の物色先として買われ、フライトホールディングス(3753)も大幅高になっています。
反面、景気減速懸念から、値がさグロース株の一角が売られ、HOYA(7741)やダイキン(6367)、SMC(6273)などが大幅安になっています。
中国の出国制限が続く見通しが報じられ、ここもと好調であったインバウンド関連に売りが殺到。
JAL(9201)、ANA(9202)、オープンドア(3926)、HANATURE Japan(6561)、JR東日本(9020)、JR東海(9022)、OLC(4661)、ラオックス(8202)などが一斉に売りこまれています。
東宝(9602)は「トップガン マーヴェリック」等の洋画が好調で今期純利益が320億円になる上方修正を発表したものの、コンセンサスが370億円程度が見込まれていたため大幅反落になっています。
1株を3株へ株式分割を発表したアースインフィニティ(7692)がストップ高で寄り付いた後、ストップ安まで売り込まれる荒い値動きになっています。
有力投資家の「トンピン」が仕掛けている銘柄のようですが、一般投資家は観賞しておいたほうが無難なようです。
下方修正を発表し赤字が継続する見通しになったチヨダ(8185)や最終減益が嫌気されたヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス(4433)が急落になっています。
【テクニカル分析】
日経平均は4日続落!
下落している5日線(26692円)を3日連続で上回ることができず安値引けになっています。
今晩21:30に発表になるCPI(消費者物価指数)次第かもしれませんが、明日の注目点としては、日経平均の寄与度の最も高いファーストリテイリング(9983)の値動きとSQ値です。
ファーストリテイリングは本日引け後決算を発表していて、22年8月期は過去最高益で配当も60円増配を発表しています。
23年8月期は為替差益がなくなる分 最終益は16%減になる予定です。
悪くない決算と思いますが、明日ファーストリテイリングが買われて、SQ値を抜けていくなら5日線に向けた反転が望めると思いますが、材料出尽くしとみなされて下落するようなら、10/3安値の25621円に向けた下落になると思います。
柳井社長も、日本経済に対して「小手先の金を配るだけでいいのか」と憤りを覚えているようですが、ついに支持率が30%を切った岸田内閣に日本経済を復興させる具体策があるのかどうか?
日本株の復興は、ひとえにそこにかかっていると思います。
【本日のトピック】
さて、本日CPI(消費者物価指数)が21:30に発表になります。
CPI予想は8.1% 前月8.3%
コアCPI予想は6.5% 前月6.3%です。
前月のサプライズは原油の下落でCPIも落ち着くとみなしていたところ、コアインフレ、特に家賃など下落しにくいところが加速していて失望を誘いました。
全体CPIは落ち着いていたのにコアインフレが加速していたため暴落になりましたが、この流れは今月も引き継がれると思います。
今回もコアインフレ 特に家賃 時給などが注目されます。
(結果をふまえた考察は土日にブログにします。)
ただ、米株の今回の下落は、通常の調整を超えたものになってきています。
上記はS&P500が下落した日を集計しているものですが、下落した日数が50%を超え、1974年以来最高になっています。
そして、1.0%以上下落した割合は2008年、2002年に次いで最大です。
2000年のネットバブルが崩壊した時は、高値更新まで7年4か月
2008年のリーマンショック時には5年6か月かかっています。
一方で、FRBが早期に危機対応でマーケット介入したコロナショックは、わずか6か月で高値を更新しています。
現状、FRBはインフレ沈静化するまで金融引き締めを継続する方針ですが、ある意味「経済コントロールに自信を失っている」とも言えます。
今回のCPIを無難に乗り切ったとしても、FRBの姿勢に柔軟性が見えないと底入れとはならないと思います。