1月4日(水) 大発会
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄213/値下がり銘柄1584
騰落レシオ(25日)75.90%
空売り比率 49.7%
売買代金
東証プライム 2兆7628億円
東証スタンダード 762億円
東証グロース 1572億円
【恐怖指数】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【業種】
【個別】
日経新聞に1/17~18の金融政策決定会合後に示す「CPIの上昇率見通しを上方修正する検討に入った」と報じられたことから三菱UFJ(8306)や三井住友(8316)、みずほ(8411)などメガバンクが買われ、そろって年初来高値を更新しています。
また、地銀株も全面高になり、コンコルディアFG(7186)や千葉興業銀行(8337)等が大幅高になっています。
日経新聞に、「政府は小型EVを数分で充電できる高出力充電器の普及に乗り出す」と報じられ、EV充電関連事業を手掛けるモリテックスチール(5986)がストップ高まで買われています。
東光高岳(6617)やエネチェンジ(4169)などEV充電関連も大幅高になっていて、明日以降も物色が継続されるか注目です。
まんだらけ(2652)が大幅高になり年初来高値を更新しています。
同社は11月月次売上を発表していて、前年同期比26.8%増になり、前月(30.4%増)に続き、高い伸びになったことを発表しています。
顧客増で店頭販売が増えたほか、電脳ショップ「ありある」の通信販売も堅調な伸びを維持したようです。
全体相場が軟調な中、シコリの少ない直近上場銘柄に短期資金が入り、デジタル化支援のBTM(5247)やオンライン本人確認サービスのELEMENT(5246)がストップ高まで買われています。
その他、広告業界プラットフォームを手掛けるアイズ(5242)やライブ配信サービスを手掛けるJig.JP(5244)等も大幅高になっています。
反面、SOX指数が1%以上の下落になったことから、半導体関連が全面安になり、東京エレクトロン(8035)やレーザーテック(6920)など主力半導体銘柄が軒並み売り込まれています。
日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)など海運株が軒並み急落しています。
中国の12月製造業PMIは47.0と11月の48.0から低下し、昨日のバルチック海運指数も17.5%も下落しています。
世界の景気減速が懸念されていて、海運株に逆風が吹いているとの見方もでています。
また、新年度入りで、ポジション調整で海運株の組み入れを減らしているファンド勢がいる可能性も指摘されています。
アップルが、大幅下落しています。
景気悪化懸念とiPhone供給懸念が背景にあり、時価総額が2兆ドルを割り込んできています。
アップルは需要鈍化を受けて、複数のサプライヤーに、一部製品の部品生産を減らすよう依頼したと報じられていて、アップルサプライヤーとして知られる村田製作所(6981)やアルプスアルパイン(6770)、TDK(6762)などが軒並み売り込まれています。
昨日まで強い動きで、連日年初来高値を更新していたINTLOOP(9556)が大幅安になっています。
本日より既存株主への180日ロックアップが解除になっていて、大株主の売却を懸念した売りが出ているようです。
同社の大株主にVCはおらず、主に同社の重役や資産管理会社ですので、売り急ぐことはないと思われますが、利益確定売りのきっかけにされた様子です。
好業績銘柄で強い動きを見せていた銘柄だけに、押し目買いも入りそうなものですが、明日以降の動きが注目されます。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅反落!
大幅ギャップダウンからスタートし、陰線を形成して終わっています。
昨年、10/3安値の25621.96円、同6/20安値の25520.23円水準を割り込むと、トリプルトップが完成してしまい、更なる下落の可能性も出てきます。
空売り比率が49.7%になっていて、騰落レシオも75.90%まで下落していますので、なんらかの反発があってしかるべしと思いますが、まずは、急速に下落する5日線(26138円)を上抜ける動きが見えないと厳しい展開が継続しそうです。
【本日のトピック】
さて、テスラ株の下落が止まりません。
1/3のマーケットでは、一時14%以上の下落になり、2020年9月以来の大幅安になっています。
テスラは年末に、中国で値下げと減産を発表し、米国では7500㌦(約98万円)の値引きを実施したにもかかわらず、10-12月期の世界納車台数が市場予想に届かなかったことが嫌気されているようです。
特に「3四半期連続で目標未達」というようなワードにマーケットは激しく反応します。
未達要因が判明していない、もしくは改善がされていないことをしめすからです。
テスラにとって、最も誤算であったのは中国でしょう。
EV推進を国策としていた、稼ぎ頭の中国が急失速していることがうかがえます。
そして、本日のブルームバーグでは、中国がコロナウイルス急拡大の影響で、半導体の巨額投資を休止しつつあると報じています。
1月末からスタートする決算発表は、悪いことは織り込み済みかもしれませんが、中国経済の急速な減速は、新たな火種になるかもしれません。
そして、やはり気になるのは、一部で強毒性の新株ではないかと言われる新型コロナウイルスの行方です。
EUはどちらかというと、オミクロンであれば、EUでも流行しているため、水際対策に消極的であったのが、ここにきて中国渡航者の水際対策を強化することを発表しています。
世界景気のバロメーターである原油価格が下落気味なのも気になる兆候です。
昨年は、日米ともに「大化け銘柄」が少ない年でした。
個別銘柄のアルファ(超過リターン)をマクロ情勢が定期的に吹き飛ばす環境であったからです。
今年もマクロ情勢に翻弄される環境が続きそうです。
中国リスクと言うと「台湾有事」をあげる人が多いようですが、「中国パンデミック」は「台風の目」にもなり得るということも留意しておいたほうがいいと思います。