4月14日(金)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄1234/値下がり銘柄519
騰落レシオ(25日)104.24%
空売り比率 46.7%
売買代金
東証プライム 2兆9323億円
東証スタンダード 1733億円
東証グロース 1683億円
【恐怖指数】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【業種】
【個別】
ファーストリテイリング(9983)が大幅続伸し、年初来高値を更新しています。
同社は2023年8月期業績予想の上方修正を発表しています。
営業利益を従来予想の3500億円(前年同期比18%増)→3600億円(同21%増)になる見通しを発表しています。
また、年間配当予想(株式分割考慮後ベース)で230円→250円に増配することを発表しています。
主力商品の値上げが奏功した他、中国での3月の販売状況が極めて良好であったことがうかがえます。
同社の需給を見ると、買い残32万株に対し、売り残93万株、貸株を利用した貸付残は1729万株、売り残+貸付残が1822万株にも及んでいて、ものすごい売り長であったことがわかります。
シティグループ他4社が大量に空売りを仕掛けています。
コンセンサスは会社計画下振れとされていたため、今回の上方修正はサプライズとなり、ショートカバーを余儀なくされたようです。
同社1社の本日の値上がりで、日経平均を261円も上昇させたことになります。
株価は2021年3月来の高値水準まで上昇してきていますが、どこまで上値を取っていけるのか注目されます。
助川電気工業(7711)が急騰しています。
政府は次世代エネルギー源として期待される核融合について、初めてとなる開発戦略を策定したと発表しています。
これを受けて、核融合関連として、同社株に短期資金が集まったようです。
同社株以外にも、核融合関連として、東邦金属(5781)がストップ高になった他、東洋炭素(5310)、マイクロ波化学(9227)、太平電業(1968)などが大幅高になっています。
次世代エネルギーとして、核融合は注目されるテーマとなりますので、核融合関連は押さえておいたほうがいいと思います。
中古車買い取りのカーチスホールディングス(7602)がストップ高まで買われ、年初来高値を更新しています。
同社は、新華綿集団および山東膠東航空城投資有限公司との間で、投資枠組み契約意向書を締結したと発表しています。
青島にある上海協力機構モデル区と空港総合保税区の政策のメリットを活かして、自動車輸出産業のノウハウを集積し、中国北方最大の中古車国際貿易センターに発展させていき、一帯一路諸国向けの中古車総合貿易プラットフォームを構築することを目的とするとしています。
先行きの業績期待の買いが入った様子で、この勢いがどこまで持続するのか注目されます。
名刺管理システムのSansan(4443)が高騰しています。
同社は2023年5月期3Q累計決算を発表し、営業利益が前年同期比48.4%増の7億6000万円で着地したことを発表しています。
上半期は0.7億円赤字で、22年5月期の通期で6.3億円の水準であったことから、想定以上の収益改善となったことが材料視されています。
主力の「Sansan」の売上高が伸びた他、インボイス(適格請求書)管理サービス「Bill One」も契約が急増したようです。
株価は下ヒゲ陽線で、ほぼ高値引けになっているため、勢いを感じます。
昨年後半に上値抵抗となった1840円台を伺う動きになりそうです。
パチスロ機大手のユニバーサルエンターテイメント(6425)が、マドを開けての、5連騰になり年初来高値を更新しています。
同社は、IR施設「オカダ・マニラ」を運営するTIGER RESORT,LEISURE AND ENTERTAINMENTの2023年12月期第1四半期速報値を発表しています。
売上高が前年同期比97.0%増の126億700万ペソ(約308億8,700万円、1ペソ=約2.45円)、調整後EBITDAは同2.9倍の33億2,600万ペソ(約81億4,800万円)となりました。
株価はコロナショック後の下げ分を埋めており、一段高のステージに入ってきているようです。
【テクニカル分析】
日経平均は6日続伸!
ギャップアップからスタートし、高値引けに近い陽線で終わっています。
4/4の直近高値(28287円)を上抜き、このまま、3/9高値(28734円)を上抜けるようなら、上昇のN字波動を描く形で29000円トライになると思います。
ナイトセッションの日経平均先物は28520円 +100円で戻ってきています。
週末は日経平均が大幅高になったにも関わらず、空売り比率が46.7%と高水準であったことを勘案すれば、週明けの日経平均は上昇からスタートすると思います。
しかしながら、週末の日経平均はファーストリテイリングの株価上昇に寄与するところが大きく、同社株に利益確定売りが出たり、米株が金融決算を悪材料視し、売り込まれる局面があれば、売りに押される局面はあるかもしれません。
ただ、それでも上向きの5日線(28058円)程度の押しで終わるのであれば中期上昇トレンドは継続すると思います。
基本は押し目買いのスタンスが有効と思います。
【本日のトピック】
新日本科学(2395)
さて、本日は新日本科学(2395)を紹介します。
同社は、1957年日本発の医薬品開発受託研究機関(CRO)として鹿児島で創業した会社です。
事業は
1. 医薬品開発のすべての過程を受託するCRO事業
2. 独自に開発した経鼻製剤の投与基盤技術を用いた新薬の研究開発、ならびに国内外の大学・研究機関などの有望なシーズや画期的技術を発掘し、研究開発をサポートするTR事業
3. 鹿児島県の自然資本を生かした環境に配慮したメディポリス事業(社会的利益創出事業)
の3つの事業を展開しています。
ただ、売上構成比はCRO事業が91.7%を占めていてます。
CRO事業における一般的な流れは上記のようになりますが
同社が強みを持つのは前臨床試験です。
前臨床試験とは、ヒトで薬の安全性を調べる試験の前段階
用いて有効性や安全性を見る試験のことです。
同社はとくにヒトに近いカニクイザルの試験に強みがある
ようです。
試験施設を鹿児島やカンボジアに保有しているほか、世界
で唯一、自社グループ内に繁殖・供給体制を保有しています。
欧米など海外にも積極的に展開しています。
海外事業も順調に伸びてきているようですが、現状では国内事業が82.6%であり、まだまだ伸びる余地もありそうです。
業績も、概ね順調にのびてきています。
特筆すべきは、粗利益率が順調にのびているところでしょう。
同社は前臨床試験の最大手ですが、この分野はライバルが少ないため、高い粗利に繋がっているようです。
最終益がマイナスなのは、保有する有価証券の減損処理を行ったためで一過性のものと思われます。
同社は2022年7月に東証スタンダードに上場していたイナリサーチをTOBで子会社化しています。
イナリサーチは医薬品企業のほか食品関連企業からも受託し、実験動物や細胞を用いて開発薬物や食品素材の安全性・有効性を確認する前臨床試験を行なっています。
国内だけでなく、東南アジア、とくに韓国向けに強みがあるようです。
イナリサーチの買収により、海外の受注がかなり増加してきています。
同社の上期受注高は133億7300万円ですが、海外からの受注額は57億3100万(前年同期比1.9倍)と急増していることがわかります。
医薬品業界は国内外問わず、開発のスピードアップと費用の効率化などを狙い、CRO(医薬品開発業務受託機関)へのアウトソーシングを推進してきています。
CROとして豊富な実績を持ち、動物育成まで一貫して手がける同社への引き合いが活発化していることがうかがえます。
株価は3/6に3225円の高値を付けてから、いったん調整に入りましたが、2点底から、再び上値トライのタームに入ってきたように思います。
おまけに、需給は売り長で日証金では逆日歩も1日0.1円ではありますが発生してきています。
貸株を利用した貸付残が106万株ほどありますが、GSもバークレーもそろそろ買戻し始めているように感じます。
レーティングも、いちよし証券が目標株価を5000円、BofAは4000円に設定しています。
次回の決算発表は5/8の予定ですが、そこで更なる好決算見通しが示されれば、株価は位置どころを変えてくるのではないかと思います。