4月20日(木)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄1027/値下がり銘柄703
騰落レシオ(25日)128.09%
空売り比率 40.0%
売買代金
東証プライム 2兆2428億円
東証スタンダード 1648億円
東証グロース 1989億円
【恐怖指数】
【業種】
【個別】
自動車向け油封部品(オイルシール)のトップメーカーのNOK(7240)が大幅上昇になり、年初来高値を更新しています。
同社は、新中期経営計画期間中の資本政策と株主還元を発表しています。
それによれば、3ヵ年で総額675億円を下限とした株主還元(自己株式の取得、配当)を実施するとのことです。
具体的には、2024年3月期は100億円の自社株取得を実施し、2024年3月期〜2026年3月期までの期間においてDOE2.5%以上とし、総額375億円を下限とした配当を実施するとのことです。
また、2024年3月期〜2026年3月期までの期間において、2023年3月末時点の政策保有株式時価総額の25%売却を実施するとのことです。
同社は低PBR銘柄で財務体質も良く、キャッシュも多く持つ企業だけに東証の改善要請を受け何らかの株主還元策を打ち出すと期待はされていました。
5月10日に本決算発表を予定していることから、その時に自社株買いが正式に発表されるとの見方が多いようです。
なお、同社はHP上で確認出来る2000年以降で自社株買いを発表したことは一度もないだけに、株主還元には決して積極的ではなかったと言え、今回その姿勢を変えてきたことは好感されるものと思われます。
防犯・監視カメラの企画・販売等を手掛けるダイワ通信(7116)が場中値つかずのストップ高比例配分になっています。
同社は、ヤマト運輸とAI顔認証送迎用バス置き去り防止安全装置「Face Roll Call」について、全国の送迎バス保有事業者への訪問取付を目的とした業務委託契約を締結したと発表しています。
ヤマトグループのネットワークやノウハウを活用することで、導入が進んでいくとの期待から買いが向かったようです。
株価は25日線を超過し、目先は2,000円大台復帰となるか否かが焦点になりそうです。
ウェルスナビ(7342)が、大幅続伸になっています。
同社は、ロボアドバイザー「WealthNavi」の預かり資産が8,000億円を突破したと発表しています。
WealthNaviは「長期・積立・分散」の資産運用を自動化し、ETFを通じて世界約50カ国の1万2000銘柄に分散投資するサービスで、資産配分の決定から発注、積立、リバランス、税金最適化まですべて自動で行うサービスです。
預かり資産の増加を評価した買いが継続するか注目されます。
イーディーピー(7794)が大幅上昇になっています。
昨晩の「ワールドビジネスサテライト」で、人工ダイヤモンドのことが取り上げられていて、天然ダイヤモンドに比べ割安な人工ダイヤモンドの人気が年々高まっていることが報道されています。
天然ダイヤモンドと違い、人工ダイヤモンドは環境を破壊する心配もなく、値段以外に、環境に配慮することや社会問題に対して意識を向けたブランドを購入する層が増えているようです。
また、前日には佐賀大学の研究グループが、人工ダイヤモンドを使った高品質の半導体の回路を世界で初めて開発したこともあり、その期待感もあるようです。
明日以降も物色が続くか注目されます。
オンラインゲーム開発のサイバーステップ(3810)が大幅高になり、年初来高値を更新しています。
同社は本日、完全新作サンドボックスゲーム「テラビット」のPC/Steam版を午後3時にリリースすると発表しています。
ニンテンドースイッチ版とスマートフォン版は5月下旬、プレイステーション4および5版は6月以降にリリースする予定のようです。
また、同社は子会社のブルームズが、米国ナスダック市場への上場を目的としてケイマン諸島に BloomZ Inc. を設立したことも公表しています。
株価は、上昇基調を強めていますが、一段高につながるか注目されます。
【テクニカル分析】
日経平均は小幅反発!
ギャップダウンからスタートしたものの、持ち直し、5日線(28586円)を上回る陽線で終わっています。
4/18高値(28698円)にわずかに届かず、上値の重さを感じさせます。
「最後の抱き陽線」に似た足形を形成していて、明日の動きが売り込まれるようなら、目先のトレンド変換を示唆しているのかもしれません。
直近人気のあった材料株も、軒並みストップ安をつけてきており、個人の回転も鈍る可能性が高そうです。
GWまでに、少しづつポジションを軽くしておくことも一考かもしれません。
【本日のトピック】
IMAGICA GROUP(6879)
https://www.imagicagroup.co.jp/
さて、本日は、2/28のブログで紹介したIMAGICA GROUP(6879)のIRにヒアリングをかけましたので記載したいと思います。
お昼すぎにIRに電話すると担当者不在。約1時間後くらいに女性のIR担当の方から連絡していただきました。
5/11の決算発表前ということもあり、はっきり答えていただけないことも多かったのですが、私が質問したのは主に3つの事項です。
①NTT(9432)との共同研究の進捗は?
同社は、昨年12月に「NTT(9432)とIWON時代におけるリアル・サイバー融合空間の表現・演技技法に関する総合的な共同検討に着手した。」と発表しています。
この進捗状況はどうか?と質問すると、
「進捗はしているが、現状では公表できない。しかるべき時がくれば発表すると思う。NTTのほうから発表されるかもしれない」
との回答でした。
私は、この件は、前回のブログにも書きましたが、同社の子会社のフォトニックスラティスの持つ、IWON構想に欠かせないフォトニック結晶の技術が関係していると考えています。
同社の子会社のフォトニックスラティスはフォトニック結晶を製品化している数少ない会社です。
進捗状況が発表になるのはいつぐらいになるかも、
「NTTとの関係上答えられない」
との返答でしたが、もし、進捗状況が発表されて、同社の子会社の技術が絡んでいる内容であれば、株価を多いに刺激する材料になり得ると思います。
②アマゾンの動画配信増について
本日の日経新聞で、「アマゾンが動画配信で独自作品5割増へ」という記事がでています。
日経CNBCでは、同記事から、字幕や吹き替えなどの「ローカライゼーション」を得意とする同社に恩恵が見込まれると報じていました。
これに対し、IR担当の方は
「アマゾンやネットフリックスに限らず、色々な依頼がくる。この件は当社にプラスに作用する可能性はあるが、数多くの業務の一部であり、業績に与える影響がどの程度かの試算はできていない」
との返答でした。
今期の業績に、どの程度寄与するか楽しみです。
③プライム上場基準
3/1の会社四季報オンラインによると、同社は東証プライムの維持基準である流通時価総額100億円以上に未適合と報じられています。
これについて、IR担当の方は
「昨年末の水準では適合していると公表した。以後については、1~3月の株価の平均値で算出され東証から発表がある。決算発表後に公表する。適合する水準の株価は、ザックリ600円くらいになる。」
との返答でした。
株価は3月半ばから、一時600円を割る時期もありましたが、恐らく、適合していると思われます。
そして、同社の株主構成をみると、筆頭株主は、長瀬文男会長の資産管理会社の(株)クレアート。
2位、3位は 信託口で日銀ETFと思われます。
5位には、ノルウェー政府がはいっています。
みすみす、株価下落につながるプライム落ちは避けるように動くと思うのですが・・・
同社の指標をみると、PERが7.1倍、PBRが0.77倍と割安な水準に放置されています。
株価がさえないのは、重い信用買い残も作用していると思います。
しかしながら、高値期日を通過し、3月以降、毎週信用買い残は減少してきています。
チャートを見れば、75日線(631円)あたりを上抜けることが出来れば、景色が変わってくると思います。
少し時間はかかるかもしれませんが、引き続き有望とみて、監視していきたいと思います。