5月12日(金)
【相場概況】
【騰落レシオ】
【空売り比率】
【売買代金】
東証プライム 3兆9587億円
東証スタンダード 1467億円
東証グロース 1353億円
【米株市況】
【恐怖指数】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【業種】
【個別】
東京エレクトロン(8035)が続伸しています。
同社は、2023年3月期の決算を発表し、営業利益は6177億円で前期比3.1%増となり、市場予想を300億円程度上振れる着地になりました。
一方、2024年3月期は3930億円で同36.4%減と市場予想を300億円程度下振れています。
同社は半導体の前工程製造装置(WFE)について、2023年の市場規模は前年比25~30%減の700億~750億ドルとの予想を示し、半導体メーカーの設備投資が抑制傾向で需要が減少すると見ているようです。
一方で、今後の成長を見据えて、同社として過去最大となる約2000億円の研究開発投資を計画し、発行済み株式数の2.1%に当たる1000万株を上限とした自社株買いも発表しています。
市場では、「足元は厳しいが底が見えてきた」と見る向きも多く、騰勢を支えているようです。
ネツレン(5976)が場中値つかずのストップ高比例配分になっています。
同社は、2023年3月期の決算を発表し、減損損失の計上によって純利益は従来計画17億円を下振れる3.8億円となっています。
また、2024年3月期の営業利益は28億円で前期比16.8%増の見通しですが、四季報予想を下回り、中期計画で示していた40億円も大きく下振れる格好になっています。
しかしながら、同社は同時に、配当政策の変更を発表していて、ROE8%およびPBR1倍以上の早期実現に向けた施策を前倒しすることを発表しています。
具体的には今期からDOE3.0%以上に変更するとし、これにより今期配当は1株48円と大幅増配になっています。(配当利回り5.44%)
自己資本が棄損しなければ来期以降も同程度の配当が実施されることになるため、好感されたようです。
更に、同社は、271万7000株(発行済み株式総数の7.21%)・15億円を上限とした自社株買いも発表していて、株主還元に対する姿勢の変化が評価されているようです。
ジャパンエンジンコーポレーション(6016)が場中値つかずのストップ高比例配分になっています。
同社は、2024年3月期の単独業績予想を発表しています。
売上高が前期比21.3%増の185億円、営業利益は同13.1%増の5億円、純利益は同36.0%増の11億円と2桁増収増益を予想しています。
また、年間配当も前期比15円増の55円を予定しています。
主機関で豊富な受注残高を確保済みであり、高水準の工場操業を見込むことが牽引するほか、販売台数の増加や販売単価が引き続き上昇基調にあることも寄与するとのことです。
本日は差し引き50万株超の買いを残しており、青天井圏を駆け上がる可能性が出てきています。
三精テクノロジーズ(6357)がストップ高まで買われ、年初来高値を更新しています。
同社は、決算発表において、2023年3月期の連結経常利益は前期比46.6%増の27.5億円に拡大し、従来予想の20億円を上回って着地したことを公表しています。
また、2024年3月期も前期比5.2%増の29億円に伸びる見通しになっています。
同時に前期の年間配当を35円→37.5円に増額し、今期も前期比2.5円増の40円に増配する方針を示しています。
国内外で遊戯機械分野の受注が拡大するとみているほか、舞台設備分野での仮設舞台装置向け需要の取り込みを見込んでいるようです。
株価は年初来高値を更新し、目先この勢いがどこまで続くか注目されます。
イオンファンタジー(4343)が大幅高になり、年初来高値を更新しています。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券が強気なレポート出しており、それが刺激になっているようです。
コロナ禍の収束でレジャー需要回復期待から株価は上昇トレンドが続くと予想していて、潜在リターンの大きさやアフターコロナの営業利益成長力を考慮すれば、株価には割安感があると指摘しています。
投資判断「Overweight」を継続して、目標株価を従来の3,940円→6,400円へ大幅に引き上げています。
2024年2月期から新たな2桁営業利益成長局面に入るというシナリオを予想しているようで、今期業績は会社計画を大きく上回り、来期も大幅増益を続けるとのことです。
昨日終値の2倍近い目標株価となっていることから、レーティングインパクトも強かった様子です。
来週も買いが続くか注目されます。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅続伸!
5日線(29165円)をキープしながら、年初来高値を更新してきています。
ナイトセッションの日経平均先物は29570円 +150円で戻ってきています。
ここにきて、日本株の強さが際立ってきています。
米株のみならず、欧州株やアジア株の上値が重くなる中、日本株が独歩高になってきています。
この強さを演出しているのは、言うまでもなく海外投資家です。
海外投資家の先物累積売買代金は買い余力が残っている事を示唆していて、彼らが買い続ける限りこの流れに抗うのは賢明ではないと思われます。
日経平均の週足は、13週線(28136円)を下値支持線として、5週連続陽線を形成してきています。
日経平均がトレンド転換するとすれば、日足で5日線(29165円)を下抜き、週足が陰線に転換という流れになると思います。
そして、仮に13週線(28136円)を下抜ける動きになれば、下落トレンドのスタートとなると思います。
逆に言えば、13週線を下抜ける動きがない限り、上昇トレンドは崩れないと見るべきかもしれません。
日経平均の上値がいくらになるのか見通すのは難しいと思いますが、安易に値ごろ感でショートを振るのは危険かもしれません。
【本日のトピック】
「米国がくしゃみをすると日本は風邪をひく」
さて、バブル崩壊以来30年、このことは投資の常識としてとらえられてきたと思います。
日本株のパフォーマンスは、常に米株に劣後し、米株に下落の兆しが読み取ることが出来れば、日本株を売っておけば、それなりの成績を残すことができたのは確かです。
ところが、少なくとも、ここ数週間の動きをみれば、NYダウが5/1の高値から、ズルズルと下落しているのに対し、日経平均は年初来高値を更新する動きになっています。
米株分析を的確におこなって、日本株のショートで持っていかれている投資家も多いのではないでしょうか?
この要因として考えられることはいくつかあると思います。
①中央銀行の政策
言わずもがな、欧米が金融引き締めを継続する中、日本は大規模金融緩和を継続しています。
植田日銀総裁は経済学者としても、知名度が高く、総裁の一挙手一投足が注目されています。
米国が金融緩和に転ずるまでは、日本の優位性が評価されるのかもしれません。
②政権の安定
岸田政権の支持率が上昇してきています。
菅政権と違って、具体的なことはなにもしない岸田政権は政敵を生まず安定していると揶揄する向きもありますが、政権がコロコロ変わるよりはマーケットに好感されるところはあると思います。
よくも悪くも、岸田首相が米タイム誌の表紙になるということは、それだけ注目されてきたということでしょう。
③加速する日本投資
投資の神様であるウォーレン・バフェット氏が、日本の投資を高める方針を表明したのは記憶に新しいところです。
TSMCやサムスンが、日本に半導体拠点を新設してきている動きに代表されるように、海外勢が日本に投資する動きも確実に増えてきているように感じます。
ほかにも、理由はあるかと思いますが、日本の注目度が上がり、日本株を取り巻く環境も変わり始めていることは確かでしょう。
確かに「セル・イン・メイ」に気をつけろとか、PERが19倍近くにも上昇してきていることを警戒する見方はあると思います。
しかしながら、米株の平均PERは20倍~25倍であり、環境が変わってきているのであれば、日本株のPERはむしろ割安と捉えるべきかもしれません。
ここ30年ほど、投資家にしみついてきた「米国がくしゃみをすると日本は風邪をひく」という大前提を見直すべき時が来ているのかもしれません。