8月18日(金)
【相場概況】
【騰落レシオ】
【空売り比率】
【売買代金】
【米株市況】
【恐怖指数】
【Fear and Greed Index】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
Neutralゾーンまで落ちてきています。
【業種別】
【個別】
サワイグループホールディングス(4887)が続伸し、年初来高値を更新しています。
18日の日本経済新聞では、「新薬と同じ成分で安価なジェネリック医薬品について、厚生労働省は金額ベースの普及目標を新設する」と報じられています。
記事によると後発薬の普及に関しては、数量ベースでは22年9月時点の後発薬のシェアは79%に達し、政府目標の「シェア80%」を達成しつつあるものの、売上金額ベースでのシェアは21年時点で41%にとどまるようです。
後発薬の活用による医療費の抑制を可視化するのが狙いとのことで、後発薬比率が高まる可能性があると見る向きも多いようです。
本日は、同社株の他、同業の東和薬品(4553)も年初来高値を更新しています。
自動車用防振ゴム最大手の住友理工(5191)が大幅続伸になり、年初来高値を更新しています。
同社は、8/1に、2024年3月期通期の連結純利益(国際会計基準)が前期比77%増の118億円になる見通しと発表しています。
「自動車の挽回生産で主力の防振ゴムが好調」(同社)としていて、従来予想(微増の68億円)から大きく上振れする予想をしています。
東海東京証券では投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に格上げ、目標株価も650円から1250円にまで引き上げています。
各国拠点揃っての全社的な回復に対する確信が得られる時期が到来したと見ているようで、「車の電動化に向け新製品開発にも注力している」(杉浦誠司シニアアナリスト)点も評価したようです。
PBR(株価純資産倍率)が0.57倍にとどまるなどバリュエーション(投資尺度)の面では割安さが目立ちます。
今後、資本効率の改善を意識した経営戦略がとられるか注目されます。
JDSC(4418)が場中値つかずのストップ高比例配分になっています。
同社は昨日引け後に、ダイレクトメールの制作や発送代行を手掛けるメールカスタマーセンターの第三者割当増資を引き受け、子会社化すると発表しています。
取得株数は100株(異動後の議決権所有割合は100%)で、取得価額は約22.26億円、株式譲渡実行日は10月2日の予定です。
メールカスタマーセンターは700社超の顧客を有しており、子会社化でグループの顧客基盤を強化する他、マーケティング支援機能の強化・拡充を図るとのことです。
株価は5日・25日両移動平均線を突破し、75日移動平均線へと向けた動きが期待されます。
エーアイ(4388)が急反発し、ストップ高まで買われています。
同社は17日引け後に中国のiFLYTEK社と協業契約を締結し、同社の日本語音声合成エンジン「AI Talk」の提供を開始したと発表しています。
iFLYTEK社は第19回世界陸上競技選手権大会のオフィシャルイベントサプライヤーで、同社が世界陸上で展開するスマートトランスレーターやスマートディクショナリーペンなどにAITalk SDKを協賛提供します。
また、iFLYTEK社の製品・サービスでのAITalkの活用が見込まれるとしています。
業績寄与期待も高く、引き続き買い優勢の展開と見る向きも多いようです。
ヘッドウォータース(4011)が、マドを開けて続伸し、ストップ高まで買われています。
同社は17日引け後に、日本マイクロソフトが提供する「Azure OpenAI Service」を活用した生成AIプラットフォーム「SyncLect Generative AI」サービスを開始したと発表しています。
対話型AI「ChatGPT」単体では出来ない機能課題に対する強化・拡張が可能で、ChatGPTカスタム済みの機能を提供するとのことです。
顧客は業務に特化した学習を施すことが出来る他、GPTモデル基盤の利用を短納期で実現し、業務効率化やサービス展開に活用出来るとしています。
株価は急速に戻りを見せていて、目先この勢いがどこまで続くか注目されます。
【テクニカル分析】
日経平均は3日続落!
大幅ギャップダウンからスタートしたものの、直近安値の31,309.68円を下回った水準からは持ち直し、結果上影をつける陽線で終わっています。
少し下げ渋る動きは見られたものの、下降する5日線(31828円)の回復すら見られず、底入れとは程遠い流れです。
ナイトセッションの日経平均先物は、乱高下しながら31,490円 +20円で戻ってきています。
空売り比率も46.9%まで上昇してきていますので、ショートカバーもあるかもしれませんが、下落トレンドを払しょくするものにはならないと思います。
日経平均の週足では、大陰線となり、終値ベースで13週線(32,334円)を割り込んできています。
MACDもデッドクロスし、約半年続いたヒストグラムの陽転も陰転しています。
急落するかは別にして、上昇する26週線(30,362円)程度の下落は覚悟しておいたほうがいいかもしれません。
【本日のトピック】
さて、18日朝、「中国恒大集団が破産法適用申請」との一報が舞い込みました。
恒大グループは、「香港やバージン諸島といったオフショアの債務再編に関する通常の手続きであり、破産の申し立てではない」とし、経営破綻ではないと強調しているものの、市場では既に破綻は時間の問題と見做す向きも出てきています。
一方で、中国と先進国の金融システムは必ずしも密接に絡んでいるわけではなく、リーマンショックのような国際的な信用収縮や金融不安が一気に広がることはないという見方もあり、私自身も、即座に「リーマンショック」と重ねるのは、やや煽り気味な主張と感じます。
もちろん、中国は恒大集団だけではなく、碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)や遠洋集団(シノーオーシャン)などのデフォルト懸念もあり、これらが連鎖的に発生すれば、中国不動産市場が深刻なダメージを受け、そのことで中国経済が長期停滞に陥る展開は考えられます。
今のところ、中国のCDSは、まだ深刻な状況ではなさそうですが、引き続きウオッチしていく必要があると思います。
そして、日本にどのような影響があるかは、今後上記のような中国での売上比率の高い企業の決算短信等で類推していくのが有効と思われます。
今回の決算では「製造業は厳しく、消費は好調」というイメージですが・・・
ともあれ、今回の「恒大集団の破産」というニュースは、かなりセンセーショナルなニュースであったと思います。
経験則上、相場が底入れするのは、こうしたセンセーショナルなニュースが織り込まれたときです。
なぜ下落しているのかわからないときより、こうしたわかりやすい悪材料がでたときのほうが、相場の底打ちは早くなります。
月足高値圏や高PERの材料株ではなくて、割安優良株、もしくは自分にとって相性のいい銘柄の安値を、何度かに分けて丹念に拾っていくのが正解ではないかと思います。