8月25日(金)
【相場概況】
【騰落レシオ】
【空売り比率】
【売買代金】
【米株市況】
【恐怖指数】
【Fear and Greed Index】
【業種別】
【個別】
三菱地所(8802)が7日続伸し、年初来高値を更新しています。
三鬼商事(東京・中央)が10日発表した7月の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス空室率は、前月比0.02ポイント低い6.46%と3か月ぶりに低下しています。
オフィス市況の堅調さに着目した投資家の買いが集まっている様子で、海外市場の先行きに不透明感があるなか、内需関連株としても物色する向きがあるようです。
25日も、日経平均株価が大幅反落するなか、業種別日経平均の「不動産」は逆行高を演じています。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹氏は「ホテル需要の回復もあり事業環境は改善している」とみているようで、業績改善を目に見える形で示すことができれば、上値を試す動きになりそうです。
グッドスピード(7676)が、3日ぶりに大幅反発になり、ストップ高まで買われています。
同社は、24日、過去約4カ月間の保険金請求を調査した結果、1051件のうち30件で不適切な事案が見つかったと発表しています。
ただ、保険金水増し請求を巡る報道で、前日までの2日間で約30%下落し、年初来安値を更新していたこともあり、「いったん自律反発を狙った買いが入っている」(証券ジャパンの大谷正之調査情報部部長)との見方があるようです。
株価は、「買戻す動きが優勢」との見方もある一方で、調査は継続される予定で、「悪材料出尽くしとは言いにくい。今後の調査でさらなる不正が明らかになる可能性は拭えず、株価は上値の重い展開が続く」とみる向きもあるようです。
Globee(5575)が大幅反発になっています。
同社は24日引け後に「当社株主であったVCの保有当社株式の売却について」とのリリースを公表しています。
上場前から出資しているVC(ベンチャーキャピタル)のNVCC8号投資事業有限責任組合に直接確認した処、同社株式保有分が8.93%から0.00%(保有無し)になっていることを確認したとのことです。
大量保有報告書はまだ出ていませんが、懸念だったVC売りが既に終わっているとの見方から、本日は買い安心感に繋がったようです。
VCには90日間(2023/09/11まで)のロックアップが掛かっていますが、公開価格1.5倍(1,725円)以上でロックアップ解除となることから、売却出来る状況になっていたようです。
本日の上昇で25日移動平均線を上抜いており、来週も見直し買いが続くか注目されます。
ARアドバンステクノロジ(5578)が大幅続伸になっています。
同社は24日引け後に、2023年8月期の連結業績予想について発表し、営業利益を4億3,800万円から前期比28.5%増の5億900万円へ、純利益を2億8,100万円から同9.9%増の2億9,900万円へ上方修正しています。
また、併せて期末配当予想を無配から20円へ引き上げています。
高収益案件へのシフトや品質管理の強化による原価逓減策が奏功し、粗利益が前期比22.6%増の24.36億円に拡大するとのことです。
株価は上場直後から続いた下降トレンドに終止符を打とうとしています。
環境管理センター(4657)が急反発し、ストップ高まで買われています。
同社はアスベストや土壌汚染、放射能など環境に関する各種調査・分析を手掛けています。
東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出を巡り、放射能測定への需要が高まるとの思惑から物色を集めているようです。
直近の株価は日々のボラティリティが大きく、ここ1週間程度は値幅調整を強いられてきましたが、本日の大幅高で年初来高値668円を視野に捉える動きになりそうです。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅反落!
大幅ギャップダウンからスタートし、75日線(32,135円)や5日線(31,868円)を下回る大陰線を形成しています。
ナイトセッションの日経平均先物は31,860円 +230円で戻ってきています。
MACDのヒストグラムは収縮し、日経平均先物は、短期的なトリプルボトムを形成する動きのようにも見えます。
中期トレンドは、まだまだ下落基調と思われますが、明日以降、心理的な節目である32,000円を回復してくるようなら、週足の13週線(32,388円)復帰への期待が高まります。
しかしながら、32,000円も回復できずに下落に転じ、8/18安値(31,275円)水準を下回る動きになるようであれば、「Dead Cat Bounce(死んだ猫でも高いところから落とせば跳ね返る)」の格言が当てはまり、9月相場は、より厳しい局面になる可能性があると思います。
ウォール街の有名な格言である「Sell in May(セル・イン・メイ)」は正確に言うと「Sell in May, and go away; don't come back until St Leger day.」となり、「相場が高い5月に売って、9月半ばに再び市場に戻ってこい!」ということを示唆しています。
日本株も同様に、9月相場は、より厳しい局面もあるかもしれませんが、中期的には押し目買いを徹底し、買い下がる局面と思います。
ここからは、「挑戦者」となれるか「傍観者」となるかで、年末の成果で大きく差がつくように思います。
【本日のトピック】
さて、ここにきて頼みの海外投資家の日本株投資が明らかに細ってきています。
4月、5月は3兆円超の買い越し、6月も1兆円弱の買い越しになっていましたが、7月は僅か650億円弱の買い越しになり、8月は、まだ3週目ではあるものの1兆円弱の売り越しに転じています。
8/25の日経CNBCでは、株価下落と円安のダブルパンチでドル建て日経平均が5月以来の安値に沈み、海外投資家が日本株から撤退を開始した可能性を指摘しています。
一方で、マザーズ指数が▲5.9%急落した8/14-18の週に海外投資家は僅かながら買い越しになっていました。
彼らは一貫してグロース市場で売り越しを続けて指数を押し下げてきましたが、足元では2週連続で買い越しに転じています。
週末の日経平均が600円以上下落する中、マザーズ指数がプラスで推移したのも、海外投資家の買い越しが影響しているものと思われます。
なぜ、このタイミングで、海外投資家がグロース株の買いに転じたかは定かではありませんが、上記の連結決算ベースでの株価収益率をみると、グロース銘柄は前期656.86倍→58.29倍と大きく改善していることがわかります。
グロース株は金利上昇局面では脆さを露呈しますが、業績の伸びがカバーすることにより、逆張りに転じた海外投資家の買いの許容ゾーンに入ってきたということかもしれません。
いずれにしても、小型株を主戦場とする個人投資家にとっては朗報と言えると思います。
日経平均については、春以降、予想EPSが下落傾向にありました。
米中が対立する中、代替として日本株が評価されることで株価は上昇してきましたが、バリュエーションという側面では、現状の調整は当然あってしかるべきものかもしれません。
そして、予想EPSの伸び率が現状の+3%水準を維持できるのであれば、日経平均のバリュエーションも、そろそろ適正水準に達しそうです。
足元では、中国景気悪化や金利上昇など懸念材料も数多くあり、アノマリー通り「弱い9月」を迎えるのかもしれません。
しかしながら、仮にそのような局面があったとしても、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」という強い気持ちを持って買い下がるのが正解と考えます。
本日は、なんだか格言の引用が多くなりましたが、このような局面こそ先人の教えに耳を傾けるべきと思います。