12月8日(金)
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Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
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https://www.benefit-one.co.jp/
ベネフィット・ワン(2412)がストップ高まで買われています。
同社は、エムスリー(2413)が1株1,600円のTOBを実施中の銘柄ですが、第一生命HD(8750)が対抗TOB提案を発表しています。
第一生命HDはベネフィットワンの株式価値を1,800円と算出し、みなし配当益金不算入規程適用で見込まれるパソナ税務メリットを按分し買付価格に上乗せ予定です。
ただ、TOBを実施するには、同社と同社親会社のパソナHD(2168)の賛同を必要条件としています。
これを受けてパソナHDは、「公表内容は精査中であり、応募契約の内容も含めて対応を検討する」とのプレスリリースを出していますが、上場企業として、TOB 価格が優位、かつ、みなし配当の税務メリットが受けられる提案を断るのはハードルが高いと見る向きもあります。
また、更にエムスリーが、第一生命に対抗してTOB価格を引き上げてくる可能性もあるとして、本日の同社株は1,800円を大幅に超過しています。
SBI証券の鈴木英之投資情報部長は「今後はエムスリーがどう出るかが注目だ。福利厚生の需要は強く、シナジーを考えればエムスリー、第一生命HDが共同で出資する形もあり得るのではないか」とみているようです。
ローム(6963)が急反発しています。
8日付の日本経済新聞朝刊は「東芝(6502)とロームがパワー半導体を共同生産することが7日分かった」と報じています。
両社それぞれの工場で分担して生産し、互いに生産した半導体を融通することを目指すとしていて、事業費の一部を国が補助するとされ、その額は1,200~1,300億円規模ともされています。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の内野晃彦シニアアナリストは8日付リポートで、市場で政府補助金が交付されないのではとの見方が出ていたこともあり、報道について「ポジティブ」と指摘しています。
ロームの東芝に対する出資額3000億円のリターンに懸念の見方があったものの「補助金対象となる設備投資が具体化したことで、パワー半導体における協業の方向性に対する議論もできるようになる」とみているようです。
ニチレイ(2871)がマドを開けて急反発しています。
同社は、7日のアナリスト向けスモールミーティングで、次期中期経営計画で海外事業への資源配分を高める方針を示し、成長期待の買いが入ったようです。
加工食品事業の足元の販売状況は堅調で、家庭用冷凍食品は10-11月販売数量が前年比5%の伸長、業務用販売数量も11月単月では前年並みに回復のようです。
また、来期の営業利益計画は中計目標値370億円をベースに組み立てる計画としている他、次期中期計画の基本方針として海外事業への資源配分を優先させるとしています。
東海東京調査センターの荒木健次シニアアナリストは「消費者の需要が盤石で、値上げしても数量が伸びるとのポジティブな印象」と指摘し、「独自の商品戦略や地域戦略でマージン(利幅)を高めていけるかに注目している」と語っています。
また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の角山智信シニアアナリストは「26年3月期からの次期中計は海外での設備投資に重点を置き、国内のフリーキャッシュフロー改善と海外事業の成長加速につながる」と評価しています。
ニトリホールディングス(9843)が逆行高になっています。
8日の東京外国為替市場で、一時141円台まで円高が進む急速な円高・ドル安が進んだため、商品を海外で生産し輸入する同社の採算改善期待から買いが入ったようです。
円高メリット銘柄では、個人輸入代行のエニグモ(3665)や海外で加工食品を製造する業務スーパーの神戸物産(3038)、靴専門店のABCマート(2670)も物色されています。
また、エイチ・アイ・エス(9603)など旅行関連も買われています。
コロナ禍で落ち込んだ日本人の海外旅行が、円安の影響で回復しきれておらず、先日JTBが発表した年末年始の旅行動向見通しでは、海外への旅行者数はコロナ禍前2019年度の7割程度に留まる見通しです。
為替市場で円高が進行したことを受け海外旅行需要が増える思惑が働いたようです。
今後も更に円高が進むとの見方も強まっているだけに、ここもとジリ安の展開であった同社株の他、オープンドア(3926)やアドベンチャー(6030)、ベルトラ(7048)、エアトリ(6191)、旅工房(6548)なども確りの買いが入っています。
https://www.oec-solution.co.jp/
オリジナル設計(4642)がストップ高まで買われて、年初来高値を更新しています。
同社は7日引け後に、2023年12月時点の株主から株主優待制度を導入すると発表しています。
毎年12月31日時点で4単元(400株)以上を保有する株主に対して、株主専用サイトで食品、電化製品および体験ギフトなど5,000種類以上の商品と交換出来る優待ポイントを保有株数と保有期間に応じて5,000~44,000ポイントを贈呈します。
優待利回り妙味などが意識される形で買われ、1,000円大台復帰となりました。
目先この勢いがどこまで続くか注目されます。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅続落!
ローソク足はマドを開けて下放れ、終値で75日線(32,372.00円)を割り込んでいます。
株価上方では5日線(32,923.83円)と25日線(33,026.24円)がデッドクロスし、週足の13週線(32,370.99円)も下向きに転換しています。
下落圧力の増大が伺え、注意が必要です。
ナイトセッションの日経平均先物は32,520円 +320円で戻ってきています。
空売り比率が47.8%まで上昇していることからも、週初はショートカバー等で持ち直す動きが見られるかもしれませんが、8日SQ値は32,639.57円を記録し、「幻のSQ」になっています。
目先の戻りはSQ値が意識されやすく、来週以降の米株や為替の動向次第では、200日線(31,112.99円)を下値メドとした下落があることも想定しておいたほうがいいかもしれません。
【本日のトピック】
さて、ご存じの通り、週末に発表された11月雇用統計は、市場予想を小幅に上回る結果になりました。
失業率は3.9%予想→3.7%と大きく低下しています。
雇用統計の結果を受けて、米10年国債利回りは上昇しています。
ここ2週間ほどは、過度に金利が低下していましたが、それはFRBが来年の早い段階から利下げを行うという市場の期待、及び雇用統計の更なる悪化を見越しての動き (すなわち経済が想定より早く不況に突入するという過度な期待)と見るのが自然と思います。
今週は今年最後の政策金利発表ウィークとなりそうです。
米国ではFRBによるFOMC (米連邦公開市場委員会)、英国ではイングランド銀行によるMPC (金融政策委員会)、EUでは欧州中央銀行によるMPM (金融政策決定会合) が予定されています。
さらに来週は日銀の金融会合も予定される中、今週13日(水)には日銀の短観が控えており、今年最後の総仕上げとなりそうです。
最大のリスクは、FOMC後のパウエル議長による記者会見ですが、恐らく無難な会見になるものと思われます。
注目はFOMC後のSEP (経済見通し概要) 発表であり、特にFOMCのメンバーが翌年以降の政策金利をどう考えているかを表す「ドットチャート」は市場の政策金利予想を狂わせる可能性があります。
もしFOMCメンバーの考える「2024年末の政策金利」が市場より高い水準にあるのであれば、株価に対してネガティブな影響を与える可能性があります。
発表後も米10年国債利回りが、4.2%~4.5%程度の落ち着いたレンジで推移するなら、年末までのゴルディロックス相場に水をさすものにはならないかもしれません。
一方で、植田総裁の「チャレンジング発言」で、マイナス金利解除の前倒しを連想した週末マーケットは大きく荒れました。
一時、141円台までフラッシュクラッシュしたドル円は、現状145円近くまで回復しています。
恐らく、為替市場は▲10bpがゼロ金利に戻ることに何の意味ももたないことや、マイナス金利解除が、その後の急激な利上げのスタートではないことを思い出したのでしょう。
しかしながら、株式市場は、為替の円高により、簡単に企業業績の増益モメンタムにヒビが入ることを露呈してしまいました。
そこに、ウラ金問題勃発で、もはや岸田政権は風前の灯火です。
これでは、頼みの海外投資家の買いも期待できないでしょう。
今週も波乱続きのマーケットになりそうです。