12月11日(月)
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Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【個別】
https://torikizoku-holdings.co.jp/
鳥貴族ホールディングス(3193)がストップ高まで買われています。
同社は先週末8日引け後に決算を発表しました。
2024年7月期第1四半期の連結経常利益は前年同期比12倍の7.5億円に急拡大し、8-1月期計画の9.6億円に対する進捗率は78.1%に達しています。
新型コロナウイルス感染症が落ち着くにつれ外出機会が増え、主力の居酒屋「鳥貴族」で客数が伸びており、既存店売上高の順調な拡大でコスト増を吸収する形となりました。
また、同社は鹿児島県や徳島県に初出店するなど、新規の顧客開拓が進んでいることも業績拡大に弾みを付けています。
同社の大倉忠司社長は、地方への出店拡大で30年までに国内で1000店舗体制にする意向も示しています。
株価は、今回据え置いた2024年7月期通期予想の上振れ期待もあいまって強含んでいますが、やや過熱感も台頭しているため、注意が必要です。
https://www.outsourcing.co.jp/
アウトソーシング(2427)がストップ高比例配分まで買われ年初来高値を更新しています。
同社は先週末8日引け後に、MBOの一環として米投資会社ベインキャピタル傘下のBCJ-78が、同社株の非公開化を目指してTOBを実施すると発表しています。
2024年1月下旬をめどに1株1755円でTOBをする予定で、同社株は買い付け価格にさや寄せています。
同社は、国内外で製造業などへの人材派遣を手がける会社ですが、足元では半導体向けの派遣が低調に推移しています。
株式市場からの短期的な収益改善圧力に左右されることなく、オーガニック成長の加速やグローバル規模での人材流動ネットワークの確立、グローバルにおける内部統制の強化を通じた経営の効率化などに取り組むのが狙いとのことです。
株価はTOB価格へのサヤ寄せが続きます。
ツルハホールディングス(3391)が大幅高になっています。
ブルームバーグは、先週末8日に、米ベイン・キャピタルやKKR、ブラックストーンを含む複数の投資ファンドなどが、同社の買収を検討していることが分かったと報じています。
11月15日には、同社は買収受け入れによる非上場化を検討しており、既に財務アドバイザーを選定し、複数のプライベートエクイティーファンドなどが興味を示していると伝わっていただけに目新しさはないものの、具体的なファンド名が報じられたことで、進展しているとの見方から、改めて非上場化期待による見直し買いに繋がっているようです。
株価は、11月15日の報道を受け派手に買われたあとは、揉み合いとなっていて、足元は弱含みで垂れ気味となってきたことから買い易さもあった模様です。
今後は、このまま上値を目指すというよりは、再び揉み合いで続報待ちという展開が想定されます。
本日の日本経済新聞によると、東京証券取引所は親子関係や持ち分法適用関係にある上場会社1,001社超に対して12月にも、企業統治に関する情報開示の拡充を求めるとのことです。
(上場承認をした東証にもブーメランが飛ぶ事案のような気がしますが・・・)
今後、ますます、TOBやMBOが増えていくものと思います。
https://heroz.co.jp/
HEROZ(4382)がストップ高まで買われています。
同社は先週末8日引け後に決算を発表し、2024年4月期第2四半期累計の連結経常利益が、前年同期比5.6倍の2.1億円に急拡大し、通期計画の3.8億円に対する進捗率は55.1%に達しています。
主力のAI/DX事業で顧客獲得活動が功を奏してBtoBが大幅増収になったほか、BtoCも、藤井聡太竜王・名人による史上初の8冠獲得に伴う将棋ブームを追い風に成長しています。
また、AI Security事業も顧客数が継続的に増加して売上は堅調に推移しています。
株価は25日線(1378.28円)や、75日線(1467.48円)を突破するなど新展開入りも期待できそうです。
ホーブ(1382)がストップ高まで買われています。
同社は先週末8日に、香川県に本社を置くセトラス社と、いちご新品種の品種登録共同出願を行い、出願が受理されたと発表しています。
3年間の試験栽培を経て耐暑性に優れる1系統を選抜し、「せとペチカ」の名称で農林水産省へ品種登録の出願を行ったとのことです。
これにより従来の冷涼な地域だけでなく、温暖で高温環境の地域にも栽培エリアが拡大出来、更に近年の猛暑環境下での安定生産も期待されるとのことです。
株価は、将来的な業績寄与が期待出来るとの見方から、見直し買いが優勢になっていますが、時価総額が20億円にも満たない超小型株ということもあって、買いが集まっている内に手仕舞いする向きも多そうです。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅反発!
75日線(32384.46円)を上放れ、ローソク足はマドを空けて陽線を描いて5日線(32835.94円)越えまで上ヒゲを伸ばしたものの、終値は5日線割れで終わっています。
下降を続ける5日線を抜けきれず、上値の重さを感じさせ、本日の上昇は自律反発の範囲と位置付けられそうです。
本日16:30すぎにブルームバーグによる「日銀はマイナス金利解除を今月急ぐ必要がない」という関係者談が報じられると、ドル円は約1円ほど急速に円安になり、日経平均先物も、一時32,920円まで上昇する局面がありました。
ただ、日本は、仮にマイナス金利解除になっても、その後米国のような急速な利上げに繋がる可能性はないため、あくまでドル円の中期トレンドを決めるのは米金利と思われます。
日経平均も上昇トレンドを取り戻すには、5日線はもちろん、上位の25日線(33,059.91円)を上抜ける必要があると思われます。
【本日のトピック】
さて、連日、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題が報じられています。
過去のリクルート事件、佐川急便事件、森友・加計学園問題、公文書偽造などは、直接株価を急落をさせているわけではありません。
しかしながら、今回の事例は、さすがに株価に与える影響は大きいものと思われます。
報じられているように、事実上の安倍派一掃ということになれば、日銀の金融政策に大きな影響がでるとみる向きもあります。
一般に安倍派は、アベノミクスの遺産であるとして、日本銀行の異例の金融緩和の継続を望んでいて、それが金利上昇リスクを抑えるもとで財政拡張による景気浮揚を志向する傾向があるといわれています。
仮に裏金疑惑が安倍派の発言力を低下させるのであれば、マーケットは、「日本銀行は政策の自由度を高め、マイナス金利政策解除やYCC撤廃などの金融政策の正常化に動きやすくなる」と解釈するかもしれません。
言葉尻を捉えたような植田総裁の「チャレンジング」発言や、本日のブルームバーグ報道で、為替が乱高下するのも安倍派の発言力低下を見越したものかもしれません。
内閣支持率が低下の一方であることは、今に始まったことではありませんが、ここにきて自民党の政党支持率も政権復帰後初めての30%割れになってきているようです。
世論調査で内閣支持率は低い一方、自民党支持率は比較的高いもとでは、首相を替えて選挙に臨む、との力学が党内で働きやすいといわれていますが、党全体の支持率が低下すれば、党内から岸田内閣への退陣要求はむしろ弱まり、衆院選挙の時期はさらに先送りされ、岸田内閣の延命につながるとの見方もあります。
すでに、主要な政策推進は滞りがちになり、政権末期を迎えている岸田政権が延命されるということになれば、マーケットにとっては悪夢でしかないでしょう。
一般的に政権末期の内閣に退陣観測が浮上すると、首相が交代することで、経済政策も前に進むとの期待から、金融市場はリスクオン(リスクテイク)の傾向を強めるといわれています。
株式市場にとっては、政権交代が一番望まれているのかもしれません。