8月7日(水)
【相場概況】
【日経平均寄与度ランキング】
【業種別】
【ヒートマップ】
【売買代金】
【騰落レシオ】
【空売り比率】
【米株市況】
【恐怖指数】
【Fear and Greed Index】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【個別株】
キヤノン(7751)が大幅続伸しています。
同社は、6日、発行済み株式総数(自己株式を除く)の3.3%にあたる3,200万株、1,000億円を上限に自社株買いを実施すると発表しました。
同社は1月にも最大1,000億円の自社株買いを発表しており、株主還元強化の姿勢を評価する買いが集まったようです。
1月発表分は2〜6月にほぼ上限まで買い入れており、2024年12月期は累計で約2,000億円の自社株買いを行うことになります。
同社の株価は5日まで3日続落し、累計で2割程度下げていたため、自社株買いには経営陣が自社の株価の割安感をアナウンスする効果もあるとみられます。
SMBC日興証券の桂竜輔氏らは6日付リポートで「株式・為替市場のボラティリティー(変動率)が高まる中で、余剰キャッシュを株主還元強化に振り向ける経営判断がタイムリーになされたことはポジティブな印象」との見方を示しています。
ソフトバンクグループ(9984)が反発しています。
同社が、6日発表した2024年4〜6月期連結決算(国際会計基準)は営業利益が前年同期比23%増の3,039億円で着地しました。
市場予想のQUICKコンセンサス2,579億円(2日時点、5社)を大きく上回り、好感した買いが集まったようです。
21年春の携帯料金引き下げの影響で落ちこんでいたモバイル事業が回復したほか、傘下のPayPayが黒字化したことが寄与したようで、25年3月期の営業利益見通し(9000億円)に対する進捗率は4〜6月期時点で3割を超えています。
また、同社は7日引け後に、100万株、5,000億円(発行済み株式総数の6.8%)を上限とする自己株式の取得も発表しました。
取得期間は8/8~2025年8/7です。
株価は、業績上方修正期待と積極的な株主還元が好感され一段高が期待できそうです。
https://www.nippon-chem.co.jp/
日本化学工業(4092)が急伸しています。
同社は6日引け後に、第1四半期連結決算を発表しました。
売上高が前年同期比16.2%増の103億7,900万円、営業利益は同4.8倍の16億8,800万円、純利益は同4.3倍の12億5,200万円と大幅営業増益となりました。
化学品、機能品と共に化学品でメッキ向けクロム製品が大幅に売り上げを伸ばした他、シリカ製品、燐製品が堅調に推移したようです。
本日の急騰で株価は8月1日からの急落分を取り返しており、更なる上値追いが期待できそうです。
エムティーアイ(9438)が続伸し、ストップ高まで買われています。
同社は、6日引け後に、2024年9月期の連結業績予想を発表し、売上高を270億円から前期比2.6%増の275億円へ、営業利益を18億円から同7.4倍の22億円へ、純利益を17億5,000万円から同3.2倍の24億円へ上方修正しました。
第3四半期までの実績で、クラウド薬歴事業や法人向けDX支援事業が計画を上回って推移しており、第4四半期も同様の傾向が続くとみられることが要因です。
また、持ち分法適用関連会社の昭文社ホールディングス(9475)で特別利益が計上されたことに伴う持ち分法による投資利益へのプラス影響や、子会社ビデオマーケットで特別利益として還付消費税などを計上したことなども寄与するようです。
株価はここ数日の急落分はおろか、先月末水準も大きく上回っており、6月27日高値から8月5日安値までの下げ分61.8%戻りも達成しています。
全値戻しに期待が掛かる局面です。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅反発!
ローソク足は「陰の陽はらみ」からの陽線となり、5日線(35,051.91円)も上回ってきています。
8/5安値の31,156.12円が当面の底値になった可能性が高く、戻りのメドとしては、ダブルトップのネックライン近辺の37,600円あたりと思います。
本日も売買代金が7兆3,000億円を超える高水準で、高安2,000円幅を超える高ボラティリティの展開でした。
恐らく、V字回復になることはなく、値固めの過程で売買代金が減少し、ボラティリティも安定してくると思われます。
値固めの過程で2番底を形成する可能性もあり、しばらくは押し目買いに徹するのが得策と考えます。
値固めは秋口くらいまで続く可能性があり、次の上昇トレンドに入る場合は、再び売買代金が急増することがシグナルになる可能性が高くチェックしていきたいところです。
【本日のトピック】
さて、寄り付き直後は900円以上下落した日経平均でしたが、10:30過ぎに日銀の内田副総裁が函館の講演で「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と明言したことが伝わると、一気に切り返し、一時1,100円を超える上昇になりました。
ご存じの通り、今週は植田総裁のタカ派発言をきっかけに、円キャリートレードの巻き戻しが起こり、世界同時株安が発動しかけていましたが、極端な市場変動に直面して内田副総裁が火消しにまわったというところです。
内田副総裁は「総裁と私の間で考えの違いがあるということではない」と語り、「相場が落ち着いていれば利上げはするという趣旨だろう。毎月勤労統計や物価指標への注目度も高い」(みずほリサーチ&テクノロジーズの坂本明日香主任エコノミスト)などの見方が広がると、日経平均は引けにかけて急速に値を消す場面もありました。
ただ、私はこの会見で、『日銀が市場と対話する意思を示した』と感じており、少なくとも利上げに対する慎重姿勢は復活したと思っています。
日銀にプレッシャーをかけたと噂される政治家や経団連も、マーケットの思わぬ下落に動揺したことでしょう。(植田総裁は利上げに反対だった説あり。所管外じゃねーのかデマ太郎!)
ちなみに、明日の8月8日(木)午前8時50分に7月会合の「主な意見」が公表されます。
7月会合では、9人の政策委員のうち2人(中村委員、野口委員)反対したことが明らかになっていますが、どのような経緯で利上げの結論に至ったか興味深いところです。
仮に年内もう一回の利上げをにじませる内容であれば、マーケットは荒れるかもしれません。
今回の内田副総裁の利上げ慎重論が盛り込まれるのは10/31の展望リポートになるでしょう。
やはり、マーケットが反発に入るのは秋口以降かもしれません。