6月11日 相場概況
日経平均 28948.73円 -9.83(-0.03%)
TOPIX 1954.02Pt -2.71(-0.14%)
マザーズ 1182.37Pt +1.16(+0.10%)
東証1部の騰落銘柄数は値上がり709/値下がり1363
騰落レシオ(25日) 96.32
売買代金 2兆9082億円
日経VI 17.93 -1.94(-9.76%)
VIX 15.65 -0.45(-2.80%)
業種 海運、医薬品、電気・ガスなど上昇
銀行、不動産、その他金融など下落
個別 6/9に野村が目標株価15000円→18000円に引き上げた一方で、大和が「4」継続、目標株価5200円→4900円に引き下げ、評価が真っ二つに分かれているエーザイ(4523)が大商いをこなし7%を超える上昇。
中外製薬(4519)や第一三共(4568)など他の医薬品も大幅高になりました。
米金利低下を背景にエムスリー(2413)が買われ、日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)など海運大手も大幅高になっています。
ENEOSが、完全子会社化など、親子上場解消策を検討している観測が流れたNIPPO(1881)や東邦チタニウム(5727)が急騰しています。
その他、3Qの大幅増益と上場5周年記念配当を発表したアイモバイル(6535)がストップ高比例配分になり、連結営業損益を黒字転換したラクスル(4384)や、今来期大幅増益見通しと増配を発表した神島化学(4026)も急伸しています。
反面、金利低下を受けて、三菱UFJ(8306)や三井住友(8316)など銀行株が軟調な動き。
レーザーテック(6920)も買いが先行したものの、マイナス圏に沈んでいます。
株主総会に経産省が関与していたと大きく報道された東芝(6502)が下落し、三井不動産(8801)や東京建物(8804)など、直近買われていた不動産株も利益確定売りに押される動きになりました。
前日上場したテンダ(4198)がジャスダック下落率トップになり、ワンダープラネット(4199)もスタートは好調であったものの、次第に売りに押され大幅安で終わっています。
また、業績関連のリリースが失望を呼んだ鎌倉新書(6184)やラクーンHD(3031)、アクシージア(4936)などが急落しています。
日経平均は小幅反落!
序盤に29000円を回復するも、戻り売りに押される展開です。
引き続き25日線(28605円)上はキープしているものの、5日線(28950円)はわずかに下回っています。
6月SQ値 29046.40円を上回ることはできず、勢いにかける動きとなっていて、MACDも陰転が近づいています。
先物のナイトセッションが29020円まで回復してきていますので、週初は強含む動きがあるかもしれませんが、75日線(29133円)を明確に上抜けする動きがないと、15~16日、FOMC 17~18日、日銀政策決定会合とイベントがひかえているため模様眺め、あるいは下落という流れもありうると思います。
さて、VIX指数(恐怖指数)がコロナ以来最安の16pt割れまで下落してきています。
上記はVIX指数の週足ですが、コロナ以前の2018年~2020年の間では、おおむね12Ptあたりが底値で、底値から16Ptを超える上昇があればS&P500の下落を警戒するシグナルとして機能していました。
コロナショック時は、80pt超えまで急上昇した後、おおむね底値が20pt、底値から30ptを超えてくるとS&P500は下落しています。
現状、VIX指数は20ptを下回り、新しい流れをつくりはじめていると思われますが、逆に言えば、それだけマーケットはコロナ以来、もっとも楽観視されている状態であるということです。
相場の格言で「楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」という言葉がありますが、ここから、さらにコロナ前の12Ptあたりまで下がっていくのか、それとも、上昇に転じ、マーケットの調整を呼び込むのか注視しておきたいところです。
上記はVIX指数とSKEW指数(スキュー指数、ブラックスワン指数)の相関関係です。
SKEW指数は、コロナ後最高値の155Ptあたりまで上昇しています。
これは、なにを意味しているかおおざっぱに言いますと、
相場が楽観視され、短期のアットザマネーのオプションのボラティリティが減っている(ヘッジポジションが減ってVIXが低下している)
反面、ファーのアウトオブマネーのプットオプションが買われている(急落に備えて、安い行使価格のプットオプションが買われている→SKEW指数上昇)状態であるということです。
SKEW指数はダマシの多い指数ですが、機能するときには、SKEW指数が上昇して、少しタイムラグをおいてVIX指数が上昇してきます。そして、その際は思わぬ急落になるケースが多いようです。
いずれにしても、今後はVIX指数の動きを注視し、上昇傾向がみえるなら、先物オプションやVIXETFなどでヘッジをかけるか、ポジションをなるべく軽くすることを考えておいたほうがいいと思います。