9月7日 相場概況
東証一部の騰落銘柄数は値上がり1477/値下がり602
騰落レシオ(25日) 115.09
空売り比率 39.5
売買代金 東証一部 3兆4335億円
マザーズ 1496億円
業種 空運、情報・通信、陸運が大幅上昇。
パルプ・紙、金属製品、海運の3業種のみ下落。
個別 ドイツテレコムと長期戦略的パートナーシップに合意したと報道されたソフトバンクG(9984)が10%近い上昇になり、1銘柄で日経平均を134円引き上げています。
日経平均に新規採用が決まった村田製作所(6981)やキーエンス(6861)が大幅上昇になり、除外を回避できた東邦亜鉛(5707)や大平洋金属(5541)にも買いが入りました。
公募増資発表で値を崩していたJR西日本(9021)が3%を超える上昇になり、JR東日本(9020)やJR東海(9022)など陸運株、およびANA(9202)、JAL(9201)などの空運株にも見直し買いが入りました。
親会社ENEOSによるTOB観測が報じられたNIPPO(1881)がストップ高になり、上方修正と増配を発表した東京エレクトロンデバイス(2760)が急伸しています。
上方修正を発表したタスキ(2987)は一時ストップ高になるまで買われ、前日の決算で赤字縮小の見通しを発表したACCESS(4813)もストップ高の高値引けで終わっています。
反面、ファーストリテイリング(9983)が逆行安になり、日経平均を24円引き下げています。
商船三井(9104)や日本郵船(9101)など海運株に利益確定売りが入り、日経平均からの除外が決まった日清紡HD(3105)や東洋製缶HD(5901)も急落しています。
日経平均採用候補とみられていたZOZO(3092)が急落し、中国で関連会社が罰金処分を受けていたと報道されたヤクルト(2267)も大幅下落になっています。
また、1Q決算が失望を呼んだインスペック(6656)も9%を超える下落に沈んでいます。
日経平均は7日続伸!
一時30000円を回復する局面もありましたが、ここ直近の連騰で25日線乖離率も6.93%まで上昇していて、さすがに高値警戒感から積極的に上値を追う動きは限定的になっています。
上記ボリンジャーバンドをみると、+3σに沿うような形でバンドウオークをおこなっていて、いまだ力強さは健在であることがわかります。
明日以降、+2σを割り込むような下落があれば、上昇一服ということになりますが、仮に調整しても浅い下落での日柄調整になる可能性がありますので、押し目買いの好機ととらえるべきと思われます。
さて、昨日引け後に日経平均の定期見直しの発表があり、
キーエンス(6861)、村田製作所(6981)、任天堂(7974)が新規採用されて、日清紡HD(3105)、東洋製缶HD(5901)、スカパーJSAT(9412)が除外になったのはご存じの通りです。
今回は9/30にリバランスがおこなわれますが、上記の今回から採用された、株価換算係数に基づいて計算すると、新規採用3銘柄で約5265億円 除外3銘柄で約677億円になることがわかります。
当然、パッシブ運用は677億円売却して5265億円買うわけですから、4588億円不足する換算になります。
不足する4588億円はその他の225銘柄を売却して充当することになりますので、その分日経平均の下押し要因になりうります。
例えば、ファーストリテイリングの組み入れが10%とするなら、約458億ほどの売り要因になるということです。
本日ファーストリテイリングが逆行安したのは、このことを警戒したからかもしれません。
日経平均で言えば、ざっくり600円ほど引き下げる効果があるとも言われています。
ただ、実際には、9/30までに現物の売りに際して、先物で売りヘッジをかけてくることが想定されます。
月末の地合いにもよりますが、組み入れ直前に売りヘッジで調整が入り、組み入れ完了後、ヘッジ解消に伴い大きくリバウンドしていくパターンも想定されます。
そして、上記のとおり、今回は好業績銘柄が組み入れられることになりますので、日経平均全体の純利益合計が、約8185億円増加することになり、およそ2.5%引き上げる
効果があります。
その分、日経平均のPERも引き下げられることになり、割安感が増すことになります。
需給悪イベントを通過してしまえば、改めて、日本株が秋から年末にかけて浮上していくこともありうるのではないでしょうか?