9月16日 相場概況
東証一部の騰落銘柄数は値上がり892/値下がり1186
騰落レシオ(25日) 134.31
空売り比率 42.1
売買代金 東証一部 3兆4660億円
マザーズ 1676億円
業種 石油・石炭、鉱業、倉庫・運輸などが上昇。
海運、ガラス・土石、不動産などが下落。
個別 米国でエネルギー株が買われたことから、INPEX(1605)や出光興産(5019)、ENEOS(5020)などが物色されています。
GSが目標株価2900円→3300円に引き上げたカルビー(2229)、同じくGSが目標株価7400→7800円に引き上げた明治HD(2269)など食品株の一角が買われています。
武田(4502)や小野薬品(4528)など薬品株は総じてしっかりの動きとなり、大手海運が値を消す中、明治海運(9115)や乾汽船(9308)、NSユナイテッド(9110)など小型の海運株が急伸しています。
上方修正と増配を発表したジェイリース(7187)や中期経営計画を発表したユビテック(6662)が急騰しています。
反面、キーエンス(6861)、任天堂(7974)、ダイキン(6367)など値嵩株の多くが売り込まれ、強めにスタートした日本郵船(9101)や商船三井(9104)など大手海運株も下落に転じています。
昨日大きく跳ねたサインポスト(3996)は一時25%高まで買われましたが、引けでは7%安と大きく売り込まれました。
マザーズ市場が売り込まれ、メルカリ(4585)やフリー(4478)、BASE(4477)、AIインサイド(4488)など主力株が大幅安になり、サンバイオ(4592)、アンジェス(4563)、セルソース(4880)、モダリス(4883)などバイオ関連も総じて売り込まれています。
その他、政策関連として賑わっていた、イーレックス(9517)やレノバ(9519)、ウエストHD(1407)など再生エネルギー関連も手仕舞い売りに押されています。
日経平均は続落!
連続陽線も12日でストップになりました。
大崩れは回避したものの、主力株が軒並み売り込まれ、楽観ムードが大きく後退しています。
特にマザーズが大きく調整してきたのが誤算で、日経平均が調整に入った時の受け皿になると期待されていただけに、今後が心配されるところです。
大きな上昇波動は不変と思われますので、調整後は上値をとる動きに転じると思われますが、調整が日柄調整になるのか値幅を伴う調整になるのか見極める必要がありそうです。
さて、昨日まで、ほとんど材料視されなかった中国恒大集団問題ですが、本日、にわかに取りざたされるようになりました。
本日の主力株の下落やマザーズの急落は、この問題が原因といっても過言ではないと思います。
私なりに情報を集めましたので、参考にしてください。
まず、上記の中国恒大集団の負債の内訳ですが、流動負債が26.7兆円もあります。
仕入れ債務や有利子負債がメインなので、この大部分は短期的に支払い期限がやってきます。
一方で、流動資産は33兆円もあります。
通常、これだけあれば、流動負債が26兆円あっても問題ないはずです。
実際、これまでは、保有不動産の売却と借入によりキャッシュフローは回っていました。
ところが、不動産価格高騰が、習近平が掲げる「共同富裕(ともに豊かになる)」に反していると目をつけられ、昨年の8月から過剰な融資を規制する「三つのレッドライン」が設定されました。
このため、中国恒大集団の融資が制限されることになり、だんだんと資金繰りが苦しくなってきています。
上記のように、流動資産の大部分は棚卸資産で、すぐに使える現預金や売上債権は4.5兆円しかありません。
負債の返済のためには不動産売却をすすめる必要がありますが、積極的な値下げをしていたのですが、ついに追い付かなくなり、最近は恒大集団の支払いの遅れが目立つようになっていました。
あらためて、恒大集団のバランスシートを見てみると、1年以内に支払い期限を迎える負債が20兆円以上あり、この返済のため棚卸資産の売却は必須です。
ですが、今の状況ではとても間に合いません。
残る道は政府による救済か銀行による追加融資か倒産しかありません。
しかしながら、もともとは中国政府が追い込んだともいえる末路ですので安易に救済するとは思えません。
さりとて、恒大集団の負債総額は33兆円ですので、リーマン級(リーマン破綻の負債総額は64兆円)とまではいかないまでも、経済に対する影響は甚大なものになりそうです。
落としどころとしては、政府管理下のもとで倒産させて、個人や小口の債権を保護するというものでしょう。
早ければ、9月中にもデフォルトや倒産の可能性があるかもしれません。
特に、中国は9/19から中秋節 10/1から国慶節の長期休日が待っています。
長い休みの間のリスクを避けるため、休み前にはリスク回避の売却による下落があるかもしれません。
また、中国市場が休みの間に倒産させて、自国のマーケットに影響が出ないように奔走するという可能性もあろうかと思います。
しかしながら、中国も北京オリンピック前に経済の混乱はさけるべく動くと思われますので、マーケットに与える影響は一時的と思います。
下落時は、中国政府の規制対象ではない、環境関連とかEV関連とかを買い向かうのがいいのではないかと思います。