9月21日 相場概況
東証一部の騰落銘柄数は値上がり218/値下がり1943
騰落レシオ(25日) 138.51
空売り比率 41.4
売買代金 東証一部 3兆3780億円
マザーズ 1390億円
VIXが急騰し、日経VIもプットのボラティリティ上昇のため上昇してきています。
業種 空運、陸運、医薬品の3業種のみ上昇。
鉄鋼、機械、海運が3%を超える大幅下落。
個別 政府が緊急事態宣言の全面解除を視野に入れていると伝わったことから、JAL(9201)、ANA(9202)の空運株やJR東海(9022)や京急(9006)などの鉄道株、HIS(9603)やオープンドア(3926)、ハナツアー(6561)などの旅行関連に強い買いが入りました。
アストラゼネカと開発している胃がん患者向けの「DS-8201」が第2臨床試験開始になったと発表した第一三共(4568)が急騰しています。厚生労働省がコロナワクチンの3回目接種を実施する方針と伝わったことも材料視されたようです。
上方修正と増配を発表したダイセキ環境ソリューション(1712)が急伸し、利益見通しの上振れを発表したアグレ都市デザイン(3467)やUEX(9888)も大幅高になりました。
反面、市況関連が総じて弱く、日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)の海運大手がそろって売り込まれ、日本製鉄(5401)やJFEHD(5411)など鉄鋼株も大きく売り込まれています。
恒大集団のデフォルト懸念から、TOTO(5332)が6%を超える下落になり、コマツ(6301)や日立建機(6305)など中国関連と言われる機械株にも売りがでています。
中国リスク警戒からファーストリテイリング(9984)や東京エレク(8035)、ソフトバンクG(9983)など指数寄与度の高い銘柄群も軒並み売り込まれています。
ビットコイン下落が嫌気されリミックスポイント(3825)やセレス(3696)など暗号資産関連が大幅下落になり、下方修正を発表したオリエンタルコンサルタンツ(2498)も急落しています。
日経平均は大幅反落!
前日の「陰の陽はらみ」からの窓を開けた大幅下落になっていて、5日線(30368円)も下向きに転換しています。目先の調整入りを示唆しており、一進一退の日柄調整に入るのか、一気に9/3~9/6につけた窓埋めになる値幅調整になるのか見極める必要がありそうです。
日経新聞によると、恒大集団の大きな利払いが起こるのは9/23であり、その日は日本は秋分の日の休日にあたります。
FOMC後のパウエル議長の記者会見も9/22の深夜27:30にあることから、目先はリスク回避の売りが出る可能性もあると思われます。
ただ、恒大集団については油断は禁物であるものの、ある程度情報は入ってきます。
以前、わからない相場が急騰もしくは急落を演出すると書きましたが、リーマンショックの時には、何が起こっているのかわからず、不安に駆られて売りが売りを呼ぶという展開でした。
そういう意味では、今回の件が世界の金融機関の経営不安につながる危険性は少なく、中国政府も落としどころを探っている段階に来てると思われるため、マーケットに与える影響は一時的なものと思います。
そうであるなら、急騰の過熱を冷やす機会になっていると考えられ、絶好の押し目買いの好機と考えるべきと思います。
さて、本日も、多くの銘柄が売り込まれる中、アフターコロナ関連はしっかりの動きになっています。
資金の流れがこうした銘柄群に活路を見い出すことも考えられ、その中でもどの分野が効率的なのかを考察したいと思います。
上記はコロナ過で大きく落ち込み、行動制限緩和で復活が期待される業種です。
その中でも、伸び率が高い順番としては、⓵旅行→⓶鉄道→⓷航空→⓸百貨店の順番になる可能性が高いと思われます。
⓵旅行は、日銀の統計によると、本来旅行で使う予定であった資金が、国民の強制預金として約20兆円たまっているとのことで、解禁されれば、より贅沢で高額な旅行が選択されやすいのと、GO TOのような政策が後押しする可能性もあり、一番伸び率が高そうです。
以前、インバウンド関連で紹介した エアトリ(6191)、オープンドア(3926)、アドベンチャー(6030)、ハナツアー(6561)あたりは狙い目かもしれません。
⓶鉄道も景気が回復しGDPが上昇すれば、鉄道利用率は向上することは知られていますが、今回のコロナ過で在宅勤務が定着してきているため、通勤需要は以前と同じ水準に回復することはなさそうです。
通勤需要の高いJR東日本(9020)より、新幹線のJR東海(9022)やJR九州(9142)のほうが回復度合いは大きいと思います。
⓷航空は、今回のコロナ過で飛行機の数自体減少しています。それから、海外渡航とインバウンドの復活はワクチンパスポートなどが整備されないと出遅れる可能性があり、収益の回復には時間がかかると思われます。
⓸一番きびしいと思われるのは百貨店です。
コロナ過でネット通販がより定着してしまったことと、インバウンドの回復には時間がかかると思われます。
コロナ前は①航空②鉄道③旅行④百貨店という序列であったのが、アフターコロナの序列では⓵旅行⓶鉄道⓷航空⓸百貨店となる可能性が高いと思われます。
銘柄選びの参考にしていただければと思います。