9月22日 相場概況
東証一部の騰落銘柄数は値上がり287/値下がり1847
騰落レシオ(25日) 134.77
空売り比率 43.1
売買代金 東証一部 2兆8901億円
マザーズ 1486億円
VIX指数はFOMCを無難に通過して低下していますが、日経VIはコールもプットも急騰急落に備えてファーのポジション(アットザマネーから権利行使価格が離れたポジション)が活況になり4か月ぶりの高水準になっています。
株価の見通しが二極化している状態です。
業種 海運、不動産、鉱業の3業種のみ上昇。
卸売り、食料品、機械などが大幅下落。
個別 指数寄与度の高いファーストリテイリング(9983)やソフトバンクG(9984)が買われ、日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)の海運大手3社もプラスで推移しています。
夕方に記者会見を開催(柏崎刈羽原発のテロ対策不備の報告書を公表)すると伝わった東京電力HD(9501)が3%を超える上昇になりました。(原発が一基再稼働できれば、年間約500億円の収支を改善させる効果があるようです。)
MUFGユニオンバンクの株式譲渡を発表した三菱UFJ(8306)も商いを伴った上昇になっています。
中国恒大集団の信用リスクが警戒される状況下ではありましたが、三井不動産(8801)や東京建物(8804)、住友不動産(8830)など国内不動産大手には買いが集まりました。
その他、上方修正を発表したオーケストラHD(6533)や東海東京証券が新規に「Outperform」 目標株価を2800円に設定したコメ兵(2780)も大幅高になっています。
反面、ダイキン(6367)、信越化学(4063)、日本電産(6594)、ファナック(6954)など成長期待の高い値嵩株の多くが売り込まれています。
中国リスクが世界の景気回復期待に水を差す中、伊藤忠(8001)や三井物産(8031)、住友商事(8053)など商社株が売り込まれ、ツガミ(6101)やタクマ(6013)など機械株も大きく売り込まれました。
恒大集団リスクの象徴とみられているTOTO(5332)が5日続落の4%近い下落となり、ビットコインの一時40000ドル割れを嫌気して、マネックスG(8698)やセレス(3696)、リミックスポイント(3825)など暗号資産関連も大幅安に沈んでいます。
SMBC日興証券が投資判断を「2」→「3」 目標株価を7600円→7400円に引き下げたクスリのアオキ(3549)が大幅安になり、決算説明会資料で足元の施工件数の減少が懸念されたブラス(2424)が一時ストップ安になるまで売り込まれています。
日経平均は続落!
下落局面から、一時プラスに転換していましたが、FOMCや中国恒大集団のデフォルトを警戒したと思われる売りが出て、後場に入ってから下げ幅を拡げる形になりました。
先物のナイトセッションは29770円とやや反発して戻ってきていますので、値幅調整というよりは、しばらく一進一退の日柄調整をこなしていく可能性が高いと思われます。
中長期の上昇トレンドは継続していると思われ、引き続き押し目を丁寧に拾う戦略が有効と思われます。
本日は 今年の4月に新規上場したオキサイド(6521)を紹介します。
単結晶、レーザーなど光製品のニッチ企業です。
売上構成をみると、現状一番大きいのは半導体部門です。
半導体検査装置は、通常数億円から数十億円の価格になります。
そこには、上記の紫外線レーザー光源が入っていて、このレーザー製品だけで3000万円~5000万円の値段になるようです。そして紫外線レーザー光源の中に単結晶が入っていて1個800万円くらいの単価になるそうです。
紫外線レーザーには単結晶が必要不可欠なのですが、従来の単結晶に紫外線をあてると日焼け状態になって2週間~1か月程度しか持ちませんでした。
オキサイドは1年以上の耐久性のある単結晶を作ることに成功し、今や半導体検査装置向けの光学単結晶の世界シェアは約95%にも及びます。
つまり、オキサイドの単結晶がなければ、半導体検査装置は作れないといっても過言ではありません。
ご存じの通り、半導体不足は深刻な問題になってきていて、半導体製造装置はYonYでも販売額が倍増しています。それに伴い半導体検査装置もうなぎ上りで需要が増えている状況です。
売上のもう一つの柱になっているのはヘルスケア部門です。
PETとは陽電子放出断層撮影の略で放射能を含む薬剤を用いる核医学検査の一種です。
病院で検査の時に使うMRIとかCTが該当し、照射される部分には20000個~30000個の結晶が並んでいます。
MRIとかは通常数億円かかる装置になりますが、その中に使われる結晶は4000万円~6000万円くらいになるそうです。装置の値段の半分近くを占めていることになります。
今回 エーザイのアルツハイマー治療薬「アデュカヌマブ」が世界で初めて承認されましたが、アルツハイマーの患者は世界中で5400万人いるそうです。がんの患者数が1400万人ですから、いかに多いかわかると思います。
そして、アルツハイマーを患う人は、今後も増え続ける見通しで、2050年には1億5200万人にもなると言われています。
薬ができれば、頭部PETを使った検査も需要が一気に高まります。今までは検査しても直すすべがなかったものが、薬ができることにより、定期的に検査する必要性がでてくるからです。
現実、オキサイドに頭部PETに使用する高性能結晶の問い合わせが増えてきているようです。
そして、オキサイドが最も力を入れているのが光計測・新領域部門です。
売上は全体の10%程度ですが、この部門に1/3以上の人的資源を注入しています。
いわゆるR&D(Research and Development 研究開発)分野ですが、レーザー照明やパワー半導体、医療用ボタン電池など15もの事業が商品化に向けて動いているとのことです。
PERは87倍と割高のように感じますが、これは常に、利益の多くを次なる研究開発と設備投資にまわす方針からと思われます。
四季報秋号では成長の種をまいている設備投資増加率ランキングで4位に位置付けています。
ForebesのJAPAN SMALL GIANTS AWARD 2021でもグランプリを受賞しています。
長期保有すれば大化けする可能性もありうると思いますがいかがでしょうか?