5月11日（水）
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄630/値下がり銘柄1158
騰落レシオ（25日） 84.07％
空売り比率 46.5％
売買代金 東証プライム 3兆2045億円
東証スタンダード 648億円
東証グロース 956億円
【恐怖指数】
https://www.cnn.com/markets/fear-and-greed
【業種】
【個別】
ＳＯＸ指数上昇を受けて、レーザーテック（6920）が6％近い上昇になり、東京エレクトロン（8035）やSCREEN（7735）など半導体関連が活況になりました。
日本郵船（9101）、商船三井（9104）、川崎汽船（9107）の海運大手が、そろって4％以上の上昇になり、決算が好感されたソニーＧ（6758）や日本製鉄（5401）が大幅高になっています。
任天堂（7974）の決算は見栄えが悪かったものの、10分割や自社株買いが好感されて3％を超える上昇になっています。
今期の大幅増益計画がポジティブサプライズになったレノバ（9519）が23％を超える急騰になり、このブログでも3/31に紹介した東邦チタニウム（5727）も、決算が好感されて、一時ストップ高になるまで買われています。
好決算と創業10周年の記念配実施が好感されたデクセリアルズ（4980）がストップ高になるまで上昇しています。
反面、2割減益計画が嫌気されたトヨタ（7203）が4％を超える下落になり、デンソー（6902）やトヨタ紡織（3116）など系列企業にも売りが広がっています。
米長期金利下落により、三菱ＵＦＪ（8306）や三井住友（8316）など銀行株が売られ、第一生命（8750）やT&D HD（8795）など保険株も総じて売り込まれています。
今期大幅減益計画となった大平洋金属（5541）がストップ安まで売り込まれ、太陽誘電（6976）や出光興産（5019）も決算を材料に大幅下落になっています。
プレイド（4165）は下方修正が嫌気されストップ安になるまで売り込まれ、JDSC（4418）も決算を材料にストップ安に沈んでいます。
農業総合研究所（3541）は資本提携に伴う新株発行が嫌気されて11％を超える下落になっています。
【テクニカル分析】
日経平均は小幅反発！
ギャップダウンからスタートするも、心理的な節目の26000円を死守して切りかえす底堅い動きになっています。
昨日の下影陽線に継ぎ、本日は安寄りから陽線を形成しています。
いまだ、下落する5日線（26504円）もキャッチアップできず下落トレンドは継続しているものの、転換にむけて一歩づつ進んでいる印象です。
【米国トピック】
昨日、米国市場は堅調にスタートしたのですが、クリーブランド連銀のメスター総裁が「0.75％の利上げを排除していない」とコメントし、一時、2年金利が上昇、米株も軟調な動きになりました。
バイデン大統領は「インフレ抑制を最優先課題」として取り組むことを宣言し、ＦＲＢもタカ派の姿勢をとらざるを得ない状況です。
上記は過去の利上げ局面におけるFFレートの推移と今回の2回の利上げと来年までのFEDファンド先物が織り込んでいるFF水準をプロットしたものです。
これをみると、今回の金利上昇のピッチが、過去の利上げ局面のどの水準より早いことがわかります。
仮にこのペースで利上げがおこなわれるのであれば、企業が積極的に増配をおこなったとしても追い付きません。
米株はグロース株のみならず、バリュー高配当株といえども、株価が下落して益回りが調整されるしかなくなります。
すでに、米国REIT指数は、クラッシュし始めています。
今晩のＣＰＩ（消費者物価指数）発表により、利上げペースがどのように変化するのか、非常に重大な局面です。
【本日のトピック】
さて、本日は、場中に決算発表をしたトヨタ（7203）の決算分析を私なりにやってみたいと思います。
今期多くみられる増収減益の形です。
決算説明会によれば、この減益はインフレによる資材価格高騰によるものです。
サプライヤーやOEMメーカーとは、このインフレ影響についてはトヨタが全額持つという取り決めがあるようです。
デンソー（6902）など系列の決算がよく、トヨタが営業利益減益なのは、このことが影響していると思われます。
（他のサプライヤー会社の負担を背負っている）
資財価格の高騰は、大なり小なり、他の会社の決算でも見られますが、トヨタは巨大さと部品の必要性から、多くの会社よりも資材価格の高騰に弱いと言えるかもしれません。
ただし、販売台数は依然として伸びており、売上も増加する見通しです。
したがって、世界経済に与える悪影響はないと思われます。
会社もコロナからの回復を見込んでいます。
そして、トヨタは、かなり保守的な決算をだす傾向がある会社で上方修正の常連です。
今期も為替は115円を想定しています。
半導体不足はアップルの決算後の株価からも深刻なことがわかりますが、車載の半導体はスマホと比べて旧世代の半導体で間に合うため、調達は容易なようです。
したがって、私はトヨタの決算はニュースのヘッドラインほどには悪くないと感じています。
今回も、かなり保守的な決算であると思われ、タイミングを見ながら仕込むのは悪くないと思います。
