10月21日(金)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄350/値下がり銘柄1422
騰落レシオ(25日)80.37%
空売り比率 43.4%
売買代金
東証プライム 2兆5950億円
東証スタンダード 716億円
東証グロース 1025億円
【恐怖指数】
Fear→Neutralに回復しました!
恐怖と貪欲指数 - 投資家心理 |ティッカー (cnn.com)
【業種】
【個別】
米国のラムリサーチが決算を好感して大幅高になったことを受けて、東京エレクトロン(8035)やレーザーテック(6920)が大幅上昇になっています。
半導体については、川下のPC・スマホゲーム向けを中心に需要が落ちていることがうかがえますが、川上の半導体製造装置は、半導体企業が長期的にみて半導体需要が戻ることを見込み設備投資を緩めていないことがわかります。
しかしながら、インフレ撃退などがうまくいかず、景気悪化が長引けば半導体企業自身の首をしめることになります。
ただ、これらの結果が出るのは、やや先の話であり、決算シーズン中は半導体製造装置(レーザーテック、東京エレクトロン等)>半導体メーカー(信越化学、SUMCO等)と考えるのがよさそうです。
ディスコ(6146)はウエハーをチップに切り分ける切断装置などが好調で、2Qの決算が上振れ着地になり、中間配当も83円増配。 282円になることを発表し、8%近い急騰になっています。
直近上場のソシオネクスト(6526)が続伸し上場来高値を更新しています。
現状でもPERは13倍程度で、今期業績は上方修正含みです。
為替も年間平均125円としていて、期待が集まっています。
10/28に中間決算発表。10/31に決算説明会実施予定になっています。
来週、決算期待の買いが継続するか注目になります。
韓国子会社の株価が大幅上昇になっていることから、含み益拡大の思惑でダブルスコープ(6619)が12%を超える急騰になっています。
体育会系の人材に特化した就職支援を手掛けるスポーツフィールド(7080)がストップ高になっています。
企業の新規採用ニーズの持ち直しでイベント受注が好調になり、今期経常の上方修正を発表しています。
日本の9月CPI(消費者物価指数)のコア指数が3.0%と加速したことをうけて、ニトリ(9843)や良品計画(7453)、西松屋(7545)など小売株が大幅高になり、割安で外国人人気も期待できるくら寿司(2695)、FOOD&LIFE COMPANIES(3563)なども上昇しています。
反面、先行して上昇していたインバウンド関連に売りが目立ち、JAL(9201)、ANA(9202)、エアトリ(6191)、HANATURE Japan(6561)、西武HD(9024)、小田急電鉄(9007)などが軒並み大幅安になっています。
低調な中国市場が響き、中間業績の下方修正を発表したツガミ(6101)が大幅安になっています。
通期業績見通しは11/8の2Q決算発表時に公表するとのことですが、進捗率からも下方修正になる可能性がたかそうです。
同社の株価下落の連想で牧野フライス(6135)やオークマ(6103)なども売り込まれています。
国内SB623慢性期外傷性脳損傷プログラムの製造販売承認取得について、今期中の承認取得はないと判断したと発表したサンバイオ(4592)が大幅安になり、年初来安値を記録しています。
10/20に新規上場してストップ安になったビジネスコーチ(9562)は、21日も見切り売りが止まらず16%を超える大幅安に沈んでいます。
【テクニカル分析】
日経平均は続落!
ギャップダウンからスタートし、下降する25日線(26916円)を下回って終わっています。
米株高を受けて、ナイトセッションの日経先物は27150円 +250円で戻ってきています。
しかしながら、為替介入もあり円高になったことから、米株の上昇率に比べれば、小幅の上昇に留まっています。
日経平均は200日線(27229円)、75日線(27491円)近辺を上値抵抗線とするアセンディング・トライアングルを形成していますが、来週あたりにブレイクしておかないとトライアングルが崩れます。
金利、為替、決算をふまえて上値追いができるか注目になりそうです。
【本日のトピック】
さて、10/21にマーケットの流れが変わるかもしれない動きがみられました。
セントルイス連銀のブラード総裁は「政策金利は適切な水準にくれば、その先は小幅な調整でいい」
と発言し、
サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は「利上げ幅の縮小を計画しはじめるべき」
という発言をしています。
そして、10/22からブラックアウト期間に入るのですが、しばしば、FEDの代弁をすると言われるWSJのニック記者が「11月の利上げは0.75% 12月は小幅な利上げを議論」という内容のツイートをしています。
これまでは、カシュカリ総裁やメスター総裁など「インフレが沈静化するまで金融引き締めを継続する」といったタカ派の発言がほとんどでした。
マーケットは今回のハト派とも受け取れる発言に反応して金利が下落→株価上昇という動きになっています。
CMEの FedWatch ツール: FOMCへカウントダウン (cmegroup.com)
FEDwatchをみても、11月は0.75%利上げは間違いないものの、12月は0.5%利上げに留まると予想する向きが増えています。
このタイミングで日本政府は、為替介入を実施しました。
151円を超えていたドル円が一気に146円台まで円高になっています。
もちろん、今回の介入の効果も、日銀が金融緩和の姿勢を変えない以上一時的なものかもしれません。
しかしながら、今回の介入のタイミングは日米でコンセンサスをとりあって実行したとみるべきで、「150円を超える円安は好ましくない」という姿勢を両国で示したものと受け取れます。
少なくとも、当面の投機の動きは弱まると思われます。
10/21に3Qの決算を発表したアメリカンエクスプレスは金利上昇を想定し、アナリスト予想を上回る貸倒引当金を積んだことにより、一時7%を超える下落になりました。
しかしながら、金利上昇に歯止めがかかる観測が流れたためか、株価は、切り返し長い下ヒゲのローソク足になっています。
金利上昇に歯止めがかかれば、多額の貸し倒れに備える引当金が不要になる可能性がでてくるからと思われます。
来週は、いよいよGAFAMの決算が発表になります。
市場は、本業もさることながら、ドル高により、かなり決算が悪いことに身構えています。
もし、決算悪が失望を呼んで株価が下落したとしても、ドル高の流れに歯止めがかかるのであれば、織り込みも早いかもしれません。
【日本株の戦略】
もちろん、現時点で円安の流れが変わったというには時期早々でしょう。
日銀が金融緩和を継続しているのですから、一時的な動きなのかもしれません。
しかしながら、【個別】の欄で書きましたが、日本のコアCPIも3%に乗ってきています。
今後、日銀の姿勢も微妙に変化してくる可能性もあると思います。
そこで、本日はシナリオを2つ提示します。
①円安ドル高が続く場合
これまで通りインバウンド関連の物色が継続すると思います。
高島屋(8233)、三越(3099)、Jフロント(3086)、H2Oリテイリング(8242)などの百貨店株
コメ兵(2780)、トレジャーファクトリー(3093)
あたりはチャートも、まだきれいと思います。
②円安ドル高がトレンド転換する場合
良品計画(7453)
円安ドル高トレンドに変化がおこった場合、良品計画(7453)に注目したいと思います。
10/13に発表になった決算では、2022年8月は過去最高の売上になっています。
2023年8月予想の売上は、さらに大きく増加する見通しです。
ところが、決算短信をみると、急激な円安と輸送費高騰が足をひっぱり、営業利益および経常利益が伸び悩んだことがわかります。
この会社にとって、円安はマイナスに作用しますので、円安トレンドになってから、株価も大きく調整していることがわかります。
円安トレンドが転換するのであれば、狙ってみたい銘柄です。