4月17日(水)
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【個別株】
レゾナック・ホールディングス(4004)(旧 昭和電工)が急反発し、2019年4月以来約5年ぶりの高値をつけています。
同社は、16日の取引終了後、2024年12月期の連結業績予想について、売上高を1兆3,300億円から1兆3,600億円(前期比5.5%増)へ、営業利益を280億円から470億円(前期37億6,400万円の赤字)へ、最終利益を100億円から250億円(同189億5,500万円の赤字)へ上方修正しています。
上期において、為替水準が想定よりも円安基調で推移していることに加えて、半導体材料やHDメディアの需要回復が想定以上に進んでいることを反映し、半導体・電子材料セグメントの売上高・営業利益予想を上方修正したことが要因としています。
また、イノベーション材料、ケミカルの両セグメントについても、足もとのナフサ価格の上昇などを反映して売上高・営業利益予想を上方修正しています。
半導体材料では生成AI(人工知能)向け半導体に使われる「HBM(広帯域メモリー)」用の材料などが好調だったとみられ、野村証券の岡崎茂樹リサーチアナリストは16日付のリポートで「ややポジティブ」と評価しています。
ネクセラファーマ(4565)(旧 そーせいグループ)が一時6%超の急反発をする局面がありました。
同社は、16日、米ニューロクライン・バイオサイエンシズと第2相臨床試験(治験)を実施中の統合失調症など向け治療薬候補「NBI-1117568」について、長期の前臨床毒性試験に成功したと発表しました。
これに伴い、同社は、ニューロクラインから開発の進捗に伴うマイルストーン収入で約23億円を受領し、2024年4〜6月期の売り上げとして計上する見込みです。
国内証券の医薬品担当アナリストは今回の発表に対し「試験の進捗は好感できる」としながらも、「足元の地合いではバイオ関連株の人気が乏しいため、よほど大きなニュースでない限り、株価の好反応は一時的にとどまりそうだ」と評価しており、株価も長めの上ヒゲを伴った陰線で終値では小幅高に留まっています。
オキサイド(6521)が急反発しています。
同社は16日引け後に、アナリストや機関投資家向けの2024年2月期決算説明会における質疑応答の要旨を開示しました。
それによると、同社が四半期毎に損益が改善する計画を示した理由についての質問に対し、半導体事業でセカンドベンダー製の部材を搭載した製品の出荷がすでに始まり、現在セカンドベンダーの生産能力を進めている最中であると明らかにしています。
上半期は、同社が期待する月10台以上の数量を確保できない見通しであるものの、第2四半期(6~8月)以降は調達数量が増加し、下半期は期待する数量を確保できる見込みとしています。
株価は前日に年初来安値を更新していた処からの急反転で底入れに向けて動き出しそうです。
エコモット(3987)がストップ高まで買われています。
同社は16日、子会社GRIFFYが、建設現場作業員の体調管理システム「GenVital」を大林組と共同で開発したと発表しました。
5月から大林組が施工する全国100箇所程の建設現場で約3000人を対象に運用を始めるとのことで、業績への寄与が期待されています。
運用を始める体調管理ソリューション「GenVital(ゲンバイタル)」は、リストバンドを通じて収集した作業員の心拍数や位置情報と、計測器を使って集めた暑さに関するデータから、独自のアルゴリズムで計算した指標が一定の水準を超えた際に、管理者に注意喚起メールを送信する仕組みになっています。
昨夕の日本経済新聞電子版でも取り上げられ、好材料視されたようです。
同社株は、超小型の貸借銘柄ということもあり、踏み上げ相場への発展を期待する向きもいる様子で、明日以降も物色が続くのか注目されます。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅続落!
終値ベースで2/14ぶりの38,000円割れとなり、ローソク足は、強力な売りサインである「下放れ二本黒」を形成しています。
また、3/12安値(38,271円)を割り込んでしまい、「ダブルトップ」を形成しています。
大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは「38,000円を割り込み、36,000円台まで下げてもおかしくない」とコメントしています。
ただ、私自身は、今回かなり弾性的に下げてきており、25日線乖離率も-4.23%まで広がってきたことから、短期的にはリバウンドもあると考えます。
為替の介入懸念もありますし、米株次第なのでしょうが、75日線(37,780.97円)まででは、いったん反発するのではないでしょうか?
そして、反発の号砲となるのは、ファーストリテイリング(9983)でしょう。
ファーストリテイリングのRSIは14.17%まで下落しており、短期的には明らかに売られすぎです。
日経平均は、残り2日で、週足の13週線(38,648.86円)まで回復できれば、中期下落トレンドはダマシになりますので、反発に期待したいところです。
【本日のトピック】
さて、本日、日経平均が引けにかけて下げ足を速めた要因は、14:00に発表になったASMLの決算です。
同社の2024年1Q(1-3月期)の売上高は、52.9億ユーロと前年同期比21.6%減となり、市場予想の57億ユーロを下回りました。
2022年1-3月期以来8四半期ぶりの減収です。
これを受けて、14:00から、主力半導体関連が一斉に売りこまれました。
ただ、減収とは言え、もともとASMLが予想していた売上範囲(50〜55億ユーロ)の中間に相当する金額なので、市場予想が高すぎたともいえます。
ピーター・ウェンニンク最高経営責任者(CEO)は発表資料で、「2024年通期の見通しは変更しない。業界が不振から回復を続けていることに伴い、下期(7-12月)は上期(1-6月)よりも好調に推移すると見込んでいる。24年を移行の年とみている」とし、ロジャー・ダッセン最高財務責任者(CFO)も「業界が好転していることは明らかだと思う。24年には業界の回復が見られ、25年はより好調な年になるよう準備を進めている」と説明しています。
要するに、本格的な収益増大期は2025年であり、2024年はあくまで回復期であるという認識でASMLとしては規定路線であるということです。
このような見通しについては半導体製造装置大手のアプライド・マテリアルズや東京エレクトロンなども同様です。
それよりも、販売地域をみると、前年同期は台湾向けが半分を占めましたが、今回1-3月期は中国向けが半分を占めていることがわかります。
中国については10-12月期の時点で輸出規制に関する "駆け込み需要" が顕著でしたが、1-3月期も底堅い需要が見られます。
東京エレクトロンやディスコなど日本の装置大手で中国比率が高い企業に関しても、1-3月期の中国向け販売は好調である予測ができ、むしろ朗報ではないかと思います。
そして、ロイターは9四半期ぶりのパソコン(PC)の出荷がプラスに転じたことを報じています。
PCの出荷が増える中で、DRAMはHBM(広帯域メモリー)に大量にキャパを取られますので、DRAM価格は当然あがるでしょう。
AI半導体関連だけではなく、日本のお家芸である半導体材料にも光があたると思います。
前述のレゾナック(4004)の好決算も納得できるところです。
ASMLショックは一時的なもので、マーケットはリバウンドのきっかけを探っていると思います。