2月25日(金) 相場概況
東証一部の騰落銘柄数は値上がり1325/値下がり779
騰落レシオ(25日)105.04%
空売り比率 45.4%
売買代金 東証一部 3兆1752億円
マザーズ 1308億円
業種
個別
ナスダック大幅高を受けて、東京エレクトロン(8035)やレーザーテック(6920)、ディスコ(6146)など半導体関連が大幅高になっています。
ファーストリテイリング(9983)やソフトバンクG(9984)、ソニー(6758)など日経平均寄与度の高い銘柄も総じて買われています。
海運株が強く、日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)の海運大手3社は、そろって大幅高になり、名村造船(7014)や内海造船(7018)も急騰しています。
昨日のブログに取り上げた「労働生産性向上銘柄」も、総じて強く、プロジェクトカンパニー(9246)は13%近い上昇になっています。
マザーズ指数が7.5%高になる中、FRONTEO(2158)やサイバーセキュリティ(4493)、メドレー(4480)、ビジョナル(4194)などが2ケタを超える上昇になりました。
増配が好感されたエムスリー(2413)に買いが入り、生活習慣病予防の研究素材であるヒト脂肪肝モデル細胞が日本で特許査定されると報じられたフェニックスバイオ(6190)がストップ高まで買われています。
反面、前日強く買われたINPEX(1605)や石油資源開発(6208)、住友金属鉱山(5713)などが売り込まれ、世界的に長期金利が下落したことと、ロシア制裁に金融制裁が見込まれることから、三菱UFJ(8306)や三井住友(8316)など銀行株が売り込まれる動きになりました。
グロース株が買われる中、任天堂(7974)が逆行安になり、NTT(9432)やKDDI(9433)などディフェンシブ性の強い銘柄も敬遠されています。
防衛関連と目される、石川製作所(6208)や細谷火工(4274)が急落し、2日ストップ高が続いたヘッドウォータース(4011)にも利益確定売りが入り、13%を超える下落に沈んでいます。
マザーズ市場に新規上場したマーキュリーリアルテックイノベーター(5025)は、初値は公募価格を上回ったものの、失速し、終値では公募価格を下回って終わっています。本日もストップ高まで上昇したBeeX(4270)と明暗をわけています。
日経平均は6日ぶりに大幅反発!
ナイトセッションの日経先物は、さらに大幅上昇し、26970円 +470円 で終わっています。
ウクライナ紛争の動向次第で、マーケットが大きく変動するため、28日のスタートがどうなるかはわかりませんが、今のところは、反発の可能性が高そうです。
しかしながら、上記先物チャートを見ても、25日線(27058円)は抜けていません。
27000円水準は、売買高も多く、戻り売りも出やすい水準です。
28日は、月末安アノマリーもあり警戒されやすい水準です。
25日線で、頭を押さえられるようなら、まだ中期下落トレンドは継続ということになります。
少し、変化が出てきたのが、海外投資家動向です。
日経平均が▲2.1%下落した2/14-18週の海外投資家動向は▲59億円(現物32億円/先物▲92億円)の小幅売り越しになっています。
年初から大幅売り越しを続けてきましたが、彼らの売り圧力が2週連続で低下してきていることがわかります。
岸田首相は、このタイミングで25日の参院予算委員会で、「金融所得課税の見直し、引き続き議論を行っていきたい。」と述べています。(もはや、増税に執念を感じさせます。)
海外投資家が、この度重なる強力な悪材料を織り込んでくれたならいいのですが・・・
テクニカル的には、年始から続いている中期下落トレンドを打破するためには、75日線(28171円)を上回ることが必要です。
米株は、24日から、急速に切り返しました。
24日は、
ロシア侵攻→FRBの金利上昇鈍化(3月50bp利上げ確率は20%~30%に低下)→長期金利低下→グロース株買い(ナスダック急騰)という流れでショートカバーが入ったようです。
25日は
米国と欧州の足並みがそろわず、ロシアのSWIFT排除が、いったん見送りになりました。
(SWIFT排除は、世界経済、特に欧州に深刻なダメージを被る諸刃の剣と言えます。)
ロシアは、この機会に、一気にウクライナを攻め立て、短期決戦で実効支配する戦略にでています。
ウクライナが圧力に負け、講和してしまえば、ロシアは大々的に「戦争は終わった」とアピールするでしょう。
そうなってしまえば、リスクのあるSWIFT排除は実行に移せなくなると思われます。
25日の米株は、SWIFT排除を織り込んでいたと思われ、SWIFT排除見送りが伝わると、ショートカバーが一気にはいり反発したようです。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、米国からのキエフ脱出を求められましたが、「今必要なのは乗り物ではなく弾薬だ」と言って断り、キエフに残り徹底抗戦を宣言しています。
ロシアも、資源国でありながら、高いインフレ率に悩まされ8会合連続の利上げをおこなっています。
S&Pはロシア国債をジャンク債扱いにし、ルーブル安が加速しています。
かっての同胞に銃を向けるロシア兵の士気も、決して高いものではないようで、「自分は訓練と思って来た」という若い兵士もいるようです。
短期決戦をもくろんだプーチンに対して、ここにきて長期戦になる可能性もでてきています。
戦局が長引き、犠牲者が増える状況になってきたため、ロシアのSWIFT排除決定間近と報道するところも出てきました。
ロシアの制裁拡大→さらなる資源高→世界的なインフレ→FRBの利上げ加速→市場の不透明感の増大→株価の下落という構図になります。
2018年の下落は、15年末から開始した利上げが、すでに9回行われた後であり、QT開始は前年の17年です。
2018年は引き締め末期で、いまは最初の利上げ前です。
しかしながら、環境は違うのですが、S&P500は、非常によく似た軌道をたどっています。
モルガンスタンレーは、同様の動きになるのであれば、4600Ptあたりまで上昇した後、3月末に3840Ptまで下落する可能性を指摘しています。(昨日S&P500は4384Ptまでリバウンドしてきています。)
あまりに似ているサイクルなため、非常に不気味に思います。
この日曜日にも、SWIFT排除が決定される可能性もあります。
まだまだ、予断を許さない状況がつづきそうです。