6月3日(金)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄995/値下がり銘柄774
騰落レシオ(25日) 108.48%
空売り比率 42.6%
売買代金 東証プライム 2兆6793億円
東証スタンダード 930億円
東証グロース 1001億円
【恐怖指数】
恐怖と貪欲指数 - 投資家心理|ティッカー (cnn.com)
【業種】
【個別】
月次の強かったファーストリテイリング(9983)が6%近い上昇になり、ABCマート(2670)、ユナイテッドアローズ(7606)、良品計画(7453)、アダストリア(2685)など小売株が大幅高になっています。
原油価格上昇により、INPEX(1605)やコスモエネルギー(5021)、出光興産(5019)などが物色されています。
米国でデルタ航空のCEOが737Maxの購入を示唆したためボーイングが急伸したことから、同社向け製品を手掛けるジャムコ(7408)が12%近い上昇になり、同様の連想から大阪チタニウム(5726)や東邦チタニウム(5727)のチタン2社も大幅高になっています。
1Qが大幅増益になったピープル(7865)がストップ高比例配分まで買われ、2Q累計の上方修正を発表したのむら産業(7131)も年初来高値を更新しています。
反面、今週円安進行を材料に物色されていた自動車関連に売りが出て、トヨタ(7203)や日産(7201)、いすゞ(7202)などが軒並み逆行安になり、デンソー(6902)や豊田自動織機(6201)など部品会社も売られています。
人気ゲームの「バイオハザード4」のリメイク版を来年3/24に発売すると発表したカプコン(9697)は材料出尽くしと受け止められ6%を超える下落になり、「FF16」の発売を23年夏と発表したスクエア・エニックス(9684)にも失望売りが出ています。
原油高騰から、燃料高懸念でJAL(9201)、ANA(9202)、JR東海(9020)などが売り込まれています。
3Q累計が会社計画を超過するも、通期の見通しを据え置いたアルチザネットワークス(6778)が失望売りに押されて、9%を超える急落になり、直近上場のトリプルアイズ(5026)も、売りが止まらず9%を超える大幅続落になっています。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅反発!
ギャップアップからスタートし、4/21の高値(27580円)を明確に上回り、次は200日線(27940円)がターゲットになる動きです。
米株市況が悪く、日経CFDも下落して帰ってきていますので、「宵の明星」になる可能性も、なきにしもあらずではありますが、米株の下落率を比較しても、日本株の相対的な強さは目をひきます。
下落からスタートしても、5日線(27456円)程度の押しであるなら、メジャーSQに向け、200日線チャレンジもあり得る動きと思われます。
【米国市況】株反落、雇用統計受けて利上げ警戒-ドルは130円台後半 - Bloomberg
注目された、米雇用統計は、予想を上回る39万人増となり、発表直後は、長期国債利回りが2.94%まで上昇。
インフレ警戒がたかまり、株価は下落しています。
メスター総裁、「9月の0.5ポイント利上げ」支持し得る-インフレ次第 - Bloomberg
クリーブランド連銀のメスター総裁は、6月と7月に0.5%の利上げを支持し、インフレ状況次第では、9月の0.5%追加利上げを支持すると発言しています。
このことも、市場が警戒される要因となっています。
今週は、6/10に5月CPI(消費者物価指数)が発表になります。
今後のインフレ状況を確認する上で、極めて重要な指標になります。
CPIナウ(CPI Nowcast)の推移とチャート・速報 (stock-marketdata.com)
来週からFOMC前のブラックアウト期間になり、要人の発言は少なくなりますが、CPIの予想値は、クリーブランド連銀が集計しているCPIナウで見ることができます。
4月のCPIは8.3%の上昇になっていたのですが、CPIナウを見ると、徐々に上昇し、6/3で、8.23%まで上昇してきていることがわかります。
CPIナウが8.3%を超えてくるようなことになれば、インフレは沈静化していないということになり、米株にも悪影響がでることが予想されます。
米株市場は、今後も乱高下する可能性があり、注意が必要です。
【本日のトピック】
さて、本日はエクサウィザーズ(4259)を紹介します。
最初にことわっておきますが、この会社は、昨年12月に上場したばかりの、ベンチャーグロース株です。
したがって、現状のバリュー株優位の相場では評価されにくく、スイングにむく銘柄ではないと思います。
下落したところを、コツコツと買い集め、長期保有しておけば、数年後グロース優位相場の時には、2倍、3倍になることがあり得る銘柄と思います。
いわゆる、AIソリューションを提供する会社ですが、この会社の強みは、AIを使ったコンサルティングから実装、保守運用にいたるまで、一気通貫のプラットフォームを作っているところです。
コンサルティングというと、マッキンゼーやボストンが有名ですが、この会社はAIを使い、膨大に蓄積されたデーターベースから、企業の強み、弱みを分析し、提案するところからスタートします。
そのため、対象顧客の業種は、あらゆる業種が対象になり、内容も創薬から新卒の面接効率化まで非常に多岐に渡ります。
AIの会社も、数かぎりなくありますが、通常、システムは外注したり、顧客から依頼をうけて、初めて業務がスタートするような会社が多いのですが、この会社は、コンサルティングから入りますので、顧客が気付いていない潜在的なニーズをつかみ、システム構築まで、すべて自社でまかなうことが可能です。
したがって、お得意様がいて成り立つビジネスではなく、ありとあらゆる業種の企業が対象になり、マーケットも非常に大きいと思います。
社名はウイザード(魔法使い級)の達人たちがたくさん(エクサ=10の18乗)集まる会社という意味からきていて、経営陣の経歴をみても、そうそうたるものです。
社長の石山 洸氏は、リクルートのメディアテクノロジーラボ室長出身で、2020年のForbes日本の起業家ランキングでは2位に選出されています。
社外取締役の宗像 直子氏は、元特許庁の長官です。
エクサウィザーズの出願している特許は152に上り、AIベンチャーではトップクラスです。
実際、企業がAI投資を行う際に、エクサの保有する特許に抵触するため、エクサに仕事を発注するというようなこともあるそうです。
22年3月期の通期の売上は+84.1%の成長になり、第4四半期ベースの売上は+45.6%と尻上がりに成長していることがわかります。
2023年予想も、売上35.1%~45.5%の成長と黒字転換を予想しています。
印象としては、これでも控えめに見ている可能性があり、今後も、一定の成長が期待できそうです。
現状のPERは44000倍と天文学的な数字で、グロース不利の相場においては評価されにくいかもしれません。
しかしながら、公募価格1150円のほぼ半値の状況で、投げ売りもほぼ一巡してきたと思います。
ここから、長期保有するつもりで買い下がっていくのは面白いのではないかと思います。