6月28日(火)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄数1498/値下がり銘柄292
騰落レシオ(25日) 108.33%
空売り比率 43.1%
売買代金 東証プライム 2兆8093億円
東証スタンダード 1026億円
東証グロース 1450億円
【恐怖指数】
恐怖と貪欲指数 - 投資家心理|ティッカー (cnn.com)
【業種】
【個別】
電力需要のひっ迫と原発再稼働の思惑から東京電力HD(9501)が連日の大幅高になっています。
猛暑関連がにぎわい、伊藤園(2593)や大塚HD(4578)、コカ・コーラジャパン(2579)など飲料関連が物色され、アイス卸のアイスコ(7698)も大幅高になっています。
原油価格上昇を受けて、INPEX(1605)が5%近い上昇になり、出光興産(5019)や富士石油(5017)など石油卸も物色されています。
三井物産(8031)や住友商事(8053)など商社株が買われ、大阪チタニウム(5726)や大平洋金属(5541)、日本金属(5491)など非鉄株にも買いが入っています。
日本農薬(4997)やクミアイ化学(4996)、北興化学工業(4992)、OATアグリオ(4979)など農薬関連が大幅高になっています。
1Q決算が好感されたしまむら(8227)が年初来高値を更新し、SBIが追加取得し持ち分法適用会社となることが発表されたチェンジ(3962)が急騰しています。
反面、東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)、信越化学(4063)など半導体関連の一角が逆行安になり、村田製作所(6981)や太陽誘電(6976)、TDK(6762)など主力ハイテク株の一角も軟調な動きになっています。
JPMが目標株価を770円→670円に引き下げたZホールディングス(4689)が売られ、1Q減益が嫌気された壱番屋(7630)が大幅安になっています。
JT(2914)や花王(4452)など中間配当を予定している12月銘柄は、権利落ち後の株価が警戒されて、さえない動きになっています。
本日上場したヌーラボ(5033)は公募価格割れからスタートし、一時公募価格を上回るときもあったものの、終値は初値を大きく下回って終わっています。
同じく、本日上場のM&A総合研究所(9552)も、高い初値からスタートしたものの、終値では初値を下回って終了しています。
【テクニカル分析】
日経平均は4日続伸!
ギャップダウンからスタートしたものの、切り返し、75日線(26882円)、25日線(26984円)、心理的節目の27000円をキャッチアップして終了しています。
足形は上放れの並び赤という形状を作っていて、更なる上昇が見込める形になっています。
しかしながら、最近の傾向では、同様の足形を形成した場合、その後、およそ200円~400円くらいの上昇が続いた後、急落するケースが多いようです。
現状、株価を支えているのは、自社株買いと、約1兆円と言われる配当の再投資と思われます。
来週8日には、ETFの配当捻出のための換金売りも待っていますので、現状からもう一段高した水準では警戒しておいたほうがいいと思います。
【本日のトピック】
さて、ここにきて、原油価格が、じわりと上昇してきています。
6月半ばから、原油価格は120ドル以上の水準から、105ドル割れまで下落しましたが、これは、バイデン大統領が、7月中旬にサウジに出向き、原油増産を働きかけるというニュースが流れたことが要因とみる向きもあります。
ところが、ロイターによると、フランスのマクロン大統領が、G7の場でバイデン大統領に、「UAEとサウジは増産余力が乏しい」と明かしたと報道しています。
ここ数日の原油の上昇は、バイデン大統領のサウジ訪問が空振りに終わることを見越してのことかもしれません。
昨日発表になった、5月米中古住宅販売成約指数は、市場予想に反して前月比0.7%プラスになったようです。
住宅ローン金利上昇にもかかわらず、成約件数が増えているということなので、いまのところインフレ沈静化というのは無理があると思います。
原油価格が、引き続き上昇していくのかはわかりませんが、もし、再び120ドルを超えるようなことになれば、米株にとって最悪のスタグフレーションにつながる恐れが出てきます。
今週は、年金基金や政府系ファンド(SWF)のポートフォリオのリバランスが株価を支えているのかもしれませんが、30日のPCEデフレーターの発表が、米株の鬼門になる可能性があると思われます。
来週は、日米ともに試練を迎えることになるかもしれません。