11月4日(金)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄351/値下がり銘柄1438
騰落レシオ(25日)97.66%
空売り比率 45.9%
売買代金
東証プライム 3兆7036億円
東証スタンダード 711億円
東証グロース 1204億円
【恐怖指数】
恐怖と貪欲指数:投資家心理 |ティッカー (cnn.com)
【業種】
【個別】
航空機需要の回復がチタン業に追い風となったほか、半導体関連で高純度チタンなどの販売が増加。円安もあいまって通期業績見通しの大幅上方修正・増配を発表した大阪チタニウム(5726)が一時ストップ高になる5日続伸となり年初来高値を更新しています。
事前に同業の東邦チタニウム(5727)が上方修正を発表し、同社株も連騰していたため、材料出尽くしになる可能性もありましたが、ボーイング社の投資家説明会において、納入を停止していた中型機「787」について2023年に70機~80機納入する方針が報じられ急騰しています。
東邦チタニウム(5727)も15%近い急騰になり、航空機用内装品を手掛けるジャムコ(7408)も大幅高になっています。
為替の円安の影響で、通期営業利益見通しを1100億円→1700億円に大幅に引き上げた三菱自動車(7211)が18%を超える急騰になっています。
1350億円程度であったコンセンサスを大きく上回ったため急騰していますが、その内訳は為替のウエートが高く、600億円引き上げたうちの311億円は為替による増益になっています。(米ドル134円想定)
仕掛品は、むしろ減少傾向にあり、今後も為替動向に翻弄される株価になると思います。
自動車メーカーの投資回復や半導体メーカーの投資拡大が追い風になったほか、遅延していた機器の納入も改善が見られ、上半期決算を大幅増益で着地したネットワンシステムズ(7518)が13%近い急騰になっています。
1Qでも納入遅延が発生し、上半期目標の達成が危ぶまれていたところの朗報になり、通期下振れ懸念も大きく後退した様子です。
通期業績予想の上方修正を発表したアルメディオ(7859)が場中値つかずのストップ高比例配分まで買われています。
太陽光発電パネル製造の拡散炉用ヒーターモジュールの販売が中国で伸長したことと円安が奏功し、上半期経常損益が4億円の黒字に浮上し、通期同損益も0.9億円の赤字から4億円の黒字に上方修正しています。
中国は政策として再生エネルギー発電に積極的な姿勢を取っていることがうかがえます。
反面、ソフトバンクG(9984)やキーエンス(6861)などグロース株が売り込まれ、上期決算の減益を発表したKDDI(9433)が4%を超える大幅安になっています。
川崎汽船(9107)が2Q決算と通期業績の上方修正を発表しています。
事前に商船三井(9104)の上方修正が発表されていて、市場の関心は同社が以前から示唆していた1000億円以上の追加株主還元の有無に移っていました。
同社は1000億円の自社株買いを発表しましたが、立会外分売での取得で、エフィッシモ・キャピタル・マネジメント等の大株主から取得するもので、市場から取得するものではないことが判明しました。
これに失望した売りで、同社株は一時、7%を超える急落になりましたが、同社は取得した株をすべて消却することを発表しています。
これにより、発行株式数が大きく減るため、既存株主のEPSが上昇することになり、期末配当の増額期待が高まったことから、下げ一巡後は急速に下落を縮小して終了しています。
中国での新型コロナウイルス規制の影響で米化粧品大手のエスティローダーが通期見通しの下方修正を発表し、資生堂(4911)やコーセー(4922)、ファンケル(4921)など化粧品株が軒並み売り込まれています。
たった一人のコロナ感染者のために、上海ディズニーランドが閉鎖されたニュースが話題を集めていますが、習近平体制は「ゼロコロナ」政策の手綱を緩めていません。
前述のアルメディオ(7859)等の決算から、中国が国策として推進しているEVや再生エネルギー分野は、まだ、好調な様子が感じられますが、ファナック(6954)やナブテスコ(6268)など産業用ロボット等は、かなり苦戦している状況です。
中国シェアの大きい業種は、今後も警戒が必要かもしれません。
日本食品化工(2892)は、10/31引け後に通期業績の大幅上方修正と期末配当を65円→180円に大幅増額修正の発表を行い、11/1はストップ高比例配分、11/2もストップ高まで上昇するも、大引け間際にまとまった売りが発生し値を崩しました。
11/4に提出された大量保有報告書によると、大株主のタワー投資顧問が発行済み株式総数の1.97%にあたる12万6100株を売却したことが報告されています。
11/4は需給悪化懸念で9%を超える下落になっていますが、タワー投資顧問は未だ9.44%の株を保有していますので、上値追いは当面難しいと思われます。
新作RPG「メメントモリ」の課金高の伸びが減速しつつあることが報じられたバンクオブイノベーション(4393)がストップ安まで売り込まれています。(そりゃそうやろ!)
ボリンジャーバンドの+3σに沿ったバンドウォークから、はずれたときに売却していれば逃げられたと解説する向きもありますが、どれほどの人が対応できるのでしょう?
説明不能な株価での売買は、よほどデイトレやスキャルピングに自信がある人以外は手を出すべきではないと思いますが・・・
【テクニカル分析】
日経平均は大幅続落!
大幅ギャップダウンからスタートし、一時600円を超える下落になりましたが、上向きに転じた25日線(26982円)、心理的節目の27000円を下値抵抗線として切り返し、終値ベースでは200日線(27164円)を回復して終わっています。
ナイトセッションの日経先物は米株高を受けて大幅高で帰ってきています。
5日線(27446円)を上抜ける水準になっていますが、抵抗線となっている75日線(27602円)を明確に上抜けるかがポイントになりそうです。
来週は11/8に中間選挙 10/10に10月CPI(消費者物価指数)の発表があり、週末は日本のSQになります。
米株動向次第では、荒れる展開も想定しておいたほうがいいかもしれません。
【本日のトピック】
ハードオフコーポレーション(2674)
さて、本日は11/2のブログのコメ兵ホールディングス(2780)に続き、リサイクルショップを運営するハードオフコーポレーション(2674)を紹介します。
新潟発祥のリサイクルショップですが、日本全都道府県、海外も含め916店舗を運営しています。
社長の名は山本太郎ですが ↑このバカではありませんのでご安心を。
買取した品物を、クリーニング、点検をしてから販売する手法で急成長してきた会社です。
コメ兵ホールディングスがブランド品中心のリサイクルなのに対し、生活用品を中心としたリサイクルになっています。
一時、落ち込んでいた利益水準が急回復している要因は、SDGs推進が拡大する中でのリユース意識の高まりやインフレ環境が後押しする中で、遊び心をもったアプリやアンバサダーを効率的に活用したデジタル戦略にあります。
同業他社より高い利益率で、今期も最高益の予想です。
配当性向は50%程度を目安にしていて、現在の株価で配当利回りは3.07%になります。
PERは14.8倍 PBRは1.33倍です。
11/8が2Qの決算発表日ですが、上方修正や増配も期待できるのではないかと感じています。
米国市場が不安定な中、影響の受けにくい業種に資金を移しておくのも一考と思います。