2月2日(木)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄524/値下がり銘柄1242
騰落レシオ(25日)121.45%
空売り比率 43.8%
売買代金
東証プライム 2兆8939億円
東証スタンダード 670億円
東証グロース 1681億円
【恐怖指数】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【業種】
【個別】
米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の決算が好感され、大幅高になり、SOX指数も5%を超える上昇になったことから、東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)など主力半導体関連が大幅高になっています。
昨日、受注残減少が原因で大きく売り込まれたレーザーテック(6920)も4%近い反発になっています。
日本製鉄系の電炉メーカーの合同製鉄(5410)が一時ストップ高になるまで買われています。
同社は鉄スクラップ価格の調整局面が予想より長引いたことやコスト改善が進捗したことが奏功し、2022年3月期営業利益を75億円→125億円に大幅上方修正しています。
また期末配当も70円→140円に増配し、年間配当を120円→190円に増配することを発表しています。
PERは4.4倍 PBR0.42倍 配当利回りも6.29%と高配当なため、まだまだ上値余地があるとの見方もあります。
また、同じ日本製鉄系の中山製鋼所(5408)も6%近い高騰になっています。
同社の決算発表は2/7ですが、上方修正の連想で買われたようです。
上記は日本製鉄関連の上場会社ですが、チェックしておいたほうがいいと思います。
保育、介護施設を運営するAIAIグループ(6557)が場中値つかずのストップ高比例配分になっています。
同社は2023年3月期3Q累計決算において、営業損益が前年▲4億1800万円→▲9700万円に改善してきていることを発表しています。
チャイルドケア事業の充足率向上に加え、職員配置の適正化、児童発達支援事業と放課後などデイサービスの多機能型施設「AIAI PLUS」の稼働率向上が寄与したようです。
本日は同社の他、テノ.ホールディングス(7037)がストップ高まで買われるなど少子化関連銘柄に大きく物色される銘柄が目立っています。
クリングルファーマ(4884)がストップ高まで買われています。
同社は慶応義塾大学で進めている慢性期完全脊髄損傷に対する複合治療に関する共同研究の成果が、国際学術雑誌に論文掲載されたと発表しています。
同大学が保有するIPS細胞由来神経幹・前駆細胞とクリングルファーマが開発する組換えヒトHGFタンパク質及び足場基材の併用療法により、完全脊髄損傷モデル動物の慢性期に対し、新たな神経回路の構築による運動機能と排尿機能の回復に世界で初めて成功したとのことです。
昨年7月高値の865円が意識される動きです。
反面、住友化学(4004)が大幅続落になり、年初来安値を更新しています。
同社は2023年3月期 営業利益が1150億円→0円になる大幅下方修正を発表しています。
また、期末配当も12円→未定としています。
無配もあり得るとのことで、株価もしばらくは厳しい動きになりそうです。
【テクニカル分析】
日経平均は小幅続伸!
引き続き「上値も重いが下値も固い」気迷い相場を継続させていますが、本日は5日線(27378円)をクリアし、「陰の陰はらみ」を形成しています。
少しづつ売りのエネルギーが低下してきていることがうかがえます。
後述するように、米国は昨日のFOMCで霧が晴れ始めていて、日本はYCC撤廃懸念がくすぶり上値が重いという状況です。
日本のマーケットはYCC懸念にいったんの区切りがつく2/10の日銀総裁後任人事決定まで持ち合うのかもしれませんが、もし、2/3期限と言われている「東芝の非上場化」が決まれば、2兆円超の投資資金が復活することになりますので、マーケットを押し上げる原動力になるかもしれません。
【本日のトピック】
さて、昨日のFOMCは、おおかたの予想通り0.25%の利上げに減速することが決まりました。
そして、パウエル議長の会見はマーケットに非常にフレンドリーと受け止められました。
特に、「インフレが和らいでいる」というフレーズのコメントが出るたびに、マーケットは騰勢を強める動きになりました。
マスコミによる質疑応答がすすむと、マーケットは更に騰勢を強めました。
FED'S POWELL: WE'RE TALKING ABOUT A COUPLE MORE RATE HIKES TO ACHIEVE AN APPROPRIATELY RESTRICTIVE STANCE.
— Breaking Market News (@financialjuice) 2023年2月1日
WSJのニック記者の質問に対して、「我々はあと2回(A COUPLE:数回)の利上げを予定している」と返答しています。(2回以上ならMOREになる!)
あと2回ということであれば、ターミナルレートは5.25%ということになります。
マーケットは「わからない」という状況をもっとも嫌います。逆に言えば、どんなに最悪指標でも実態が把握できれば織り込みます。
今回、利上げが、あと2回というのが提示され、マーケットが想定していたターミナルレートと大きな乖離がなかったため好感されたということです。
マーケットは年後半にも利下げが始まる見通しに自信を持ったようで、10年国債利回りも急低下しています。
もっとも、パウエル議長も発言していますが、次のFOMCまで「2度の雇用統計」と「2度のCPI」の発表があります。
ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏も、インフレ去ったとの「確信」がインフレを再燃させると不気味な発言をしています。
1/30のブログにも書きましたが、原油価格やCPIナウなどはチェックしていきたいものです。
とはいえ、当面、グロース株は注目されるでしょう。
NASDAQ100は、1年続いた抵抗線を抜けてきたと見る向きもあります。
4Qの決算が大幅減益であったにもかかわらず、市場予想を上回り、大規模自社株買いを発表したメタ・プラットフォームズはアフターマーケットで20%を超える上昇になっています。
しかしながら、小型株のマザーズ指数は、徐々に持ち直す動きが見られます。
2/10と言われる日銀総裁後任発表で、雨宮氏か中曽氏が選ばれれば、日本株もグロース株復権が見られるのではないでしょうか?