2月24日(金)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄1333/値下がり銘柄441
騰落レシオ(25日)127.78%
空売り比率 42.7%
売買代金
東証プライム 3兆0339億円
東証スタンダード 1006億円
東証グロース 1541億円
【恐怖指数】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【業種】
【個別】
東京エレクトロン(8035)が大幅高になり、1銘柄で日経平均を約109円引き上げています。
米市場で画像処理半導体のエヌビディアが、コンセンサスを上回る決算を発表し、SOX指数も3.3%上昇しました。
また、UBSが投資判断を「ニュートラル」→「バイ」、目標株価を40000円→60000円に引き上げたのも好感されたようです。
同社以外にも、アドバンテスト(6857)やSCREEN(7735)、レーザーテック(6920)、ディスコ(6146)などが大幅上昇になり、半導体関連はお祭り状態になりました。
半導体市場のサイクルボトムが23年前半となる条件がそろってきたとの見方もあり、直近高値の49050円を超えていけるかが注目になります。
スターティアホールディングス(3393)が、場中値つかずのストップ高比例配分になっています。
同社は、2023年3月期の年間配当を14円(内記念配3円)→34円へと大幅増額修正することを発表しています。
好調な業績が見込まれ、従来計画の配当性向30%を1年前倒しにするとのことです。
配当利回りはストップ高後の株価でも2.99%になり、配当妙味が高まっています。
目先は昨年10月高値の1248円が意識されるところと思います。
スポーツ用品卸大手のゼット(8135)が大幅続伸になり、昨年来高値を更新しています。
同社は3/8に開幕するWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の関連株として物色されているようです。
3大会ぶりの優勝が期待される日本が活躍する大会が始まれば、盛り上がるのは必至と言われていて、同社やミズノ(8022)あたりも関連株として先回り買いが入っている様子です。
また、3/9の中国戦、3/10の韓国戦はTBSHD(9401)、3/11のチェコ戦、3/12のオーストラリア戦はテレビ朝日HD(9409)で放映予定であり、両社もWBC関連として物色されていると見る向きもあるようです。
東京通信(7359)がストップ高まで買われ、上場来高値を更新しています。
同社は、持株会社体制への移行に伴い、インターネットメディア事業、インターネット広告事業、プラットフォーム事業をそれぞれ100%子会社に承継させると発表しています。
グループガバナンスの強化や経営資源配分の最適化などを推進するとのことで、4/1には商号を「東京通信グループ」に変更する予定です。
同社は17日にメタバースプラットフォーム「AMIZA CITY GINZA」のα版が完成したと開示していて、株価はすでに動意づいていましたが、一段高も視野に入ってきたようです。
Abalance(3856)が場中値つかずのストップ高比例配分まで買われています。
同社は2024年6月期を最終年度とする中期経営計画の再上方修正を発表し、売上を1500億円→2518億円、営業利益を45億円→158億円に大幅上方修正することを発表しています。
太陽光パネル製造事業を手掛けるベトナムの子会社、VSUN社の業績が極めて好調であることが要因のようです。
同社は2/13に今期業績の上方修正をした際、中期経営計画についても見直しが必要と今回の再上方修正を示唆していました。
しかしながら、発表した数字があまりにも大きかったため、株価は高値圏にあったものの、あらためて買いを集めたようです。
そして、今回の発表の中でも、更なる上方修正の可能性が示唆されているのは驚きです。
そして、同発表がなされた後、明治機械(6334)も大幅高になっています。
同社の筆頭株主はAbalanceです。
そして、明治機械もAbalanceが昨年実施した第三者割当の一部を1株2202円で引き受け、13万6200株(議決権割合0.79%)保有しています。
思惑的に買われたようですが、マークしておいてもいいかもしれません。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅反発!
ギャップアップからスタートし、前営業日に下抜けた200日線(27271円)、75日線(27300円)、25日線(27418円)を回復する大陽線になっています。
マド埋めも完了し、アイランドリバーサルを否定しています。
先月後半から、約1か月続いたレンジ(27300円~27800円)に戻った形になっています。
ナイトセッションの日経先物は27330円 -50円の小幅安で戻ってきています。
米株に比べ、底固いのは為替の円安が進んできたからと思われます。
想定通り、植田次期日銀総裁の所信聴取は「緩和を継続」する無難な対応でした。
このことも、為替が円安になった要因のひとつと思われますが、やはり、次の警戒すべき日程としては、3/9~3/10の黒田総裁最後の金融政策決定会合であろうと思います。
マーケットは、金融政策修正が行われるとしても新総裁が就任してからと考えていると思いますが、私はそれだけに一抹の不安がよぎります。
FRBは、事前に高官らがコメントし、マーケットと対話しようとしますが、日銀は事前に市場に織り込ませようとすれば、とたんに投機筋の国債売りを浴びることになります。
それだけに、金融政策修正は、投機筋が思わぬタイミングで実施する必要があります。
・市場と対話するFRB
・市場と対立を辞さない日銀
という意識は持っておいたほうがいいと思います。
【本日のトピック】
さて、24日に発表になった1月の個人消費支出(PCE)価格指数は市場を大きく上回る伸びになりました。
総合は市場予想が4.9%であったのに対し5.4%、コアは4.3%に対し4.7%の結果になっています。
この結果、利上げが警戒され、長期金利が上昇し、米株市場もナスダック中心に下落しました。
為替も136円台半ばまでドル高円安が進行しています。
この結果を受けて、タカ派で知られるクリーブランド連銀のメスター総裁は「インフレ率押し下げに向け金融当局は政策金利を巡りもう少し行動する必要がある」と発言し、セントルイス連銀のブラード総裁も「今すぐ行動して、信頼回復を急ぐべき」とコメントし、更なる利上げの必要性をアナウンスしています。
「米政策金利は、最高6.5%に引き上げる必要があるかもしれない」と論じるエコノミストも出てきています。
しかしながら、長期金利は、なんとか3%台をキープしており、レッドゾーンと言われる4.1%には達していません。
これは、先週5年国債の入札が堅調で、7年国債の入札もまずまずの結果となり、「債券の流動性が低下していない」ことが確認されたことに起因すると思います。
現状は、昨年のような債券の流動性が低下したことによるパニック的な金利上昇局面ではないということです。
債券市場の流動性が低下すれば、金利上昇→株安につながりやすくなります。
米国は、今後「債務上限問題」が控えていて、債券市場の流動性の低下につながる恐れもあります。
「債券市場の流動性」は今後もチェックしていく重要ポイントになりそうです。
FEDwatchを見ると、3月の0.5%利上げの確率も27%まで上昇しています。
そして、年内利下げ予想は、かなり後退しています。
市場はFRB見通しに完全に寄り添う形になり、政策金利高どまりも織り込んできていることがわかります。
S&P500も、200日線タッチで長い下ヒゲを引いてきています。
米市場は薄氷を踏む状況ですが、なんとか踏み止まっているというイメージです。
今週は米国で異常気象が話題になっています。
北東部は大雪になり、オレゴン州の南からカリフォルニア州では吹雪の警告が出されています。
ロスアンゼルスの吹雪警報は1989年以来初めてとのことです。
反面、南東部では記録的な暖冬で、ワシントンDCではチューリップが開花しているようです。
この極端な気象変動が、今後の経済指標にどのような影響をもたらすかは不明です。
今後出てくる経済指標が良いものでも、悪いものでも、異常気象による一過性のものであるリスクは高く、マーケットの波乱要因につながる可能性は否定できません。
日米市場ともに、3月は波乱要因も多くあり、ボラティリティも高くなる可能性があると思います。
引き続き、警戒しながら臨む相場になりそうです。