10月13日(金)
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ファーストリテイリング(9983)が大幅続伸しています。
同社は、12日の取引終了後、2023年8月期の連結決算発表にあわせ、2024年8月期の業績予想を開示し、最終利益は前期比4.6%増の3,100億円となる見通しを示しています。
前期に続き過去最高益になると予想し、前期の年間配当をこれまでの予想から10円増額したうえで、今期の年間配当は前期比40円増配の330円を計画しています。
中国経済の停滞による業績への悪影響が懸念されていたなか、増益・増配予想を示したことがショートカバーを誘発し、株高に弾みをつけたようです。
野村証券の山岡久紘リサーチアナリストは12日付のリポートで「海外ユニクロ事業を軸に利益拡大を目指す方向感に違和感はない」と、決算の印象はややポジティブとの見方を示しています。
竹内製作所(6432)が6連騰になり、上場来高値を更新しています。
同社は、12日、2024年2月期(今期)の連結純利益が前期比51%増の242億円になりそうだと発表し、従来予想を70億円上方修正しています。
あわせて期末一括配当予想を115円から158円(前期98円)へ引き上げています。
主要販売市場である北米、欧州ともに製品需要は好調を維持していて、上期の販売台数が想定を上回ったことに加えて、為替レートが前提より円安で推移したことが追い風となったようです。
また、足もとで電子部品の入荷状況が大きく改善し、電子部品が未装着の仕掛品を出荷する先行出荷は第3四半期で終了するメドが立ち、これに伴い下期の販売台数を見直した結果、販売台数が従来予想を上回る見込みとなったことも寄与するとのことです。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の佐々木翼シニアアナリストは12日付リポートで「新たな業績計画は為替前提などが保守的であり、円安や供給制約改善による販売拡大から今後も堅調な業績が続く」との見方を示しています。
クレハ(4023)が大幅高になり、約5カ月ぶりに年初来高値を更新しています。
12日に提出された大量保有報告書によれば、アクティビストで有名な村上世彰氏と繋がりあるエスグラントが、同氏の長女である野村絢氏と共同で同社株を10月4日時点で5.18%保有していることが明らかになっています。
同社株は財務体質も良い低PBR銘柄ということもあり、今後何らかの株主提案をしてくるのではとの思惑にも繋がり易い状況です。
また、先月に提出された大量保有報告書によれば、レオスキャピタルも5%程度保有していることが明らかになっています。
市場では「クレハ株はPBR(株価純資産倍率)1倍割れが続くが、経営改善要求などがあれば、株価を高められるとの思惑が広がっているようだ」(国内証券)との声が聞かれます。
アバールデータ(6918)が場中値つかずのストップ高比例配分になっています。
同社は12日引け後に業績・配当修正を発表しています。
2024年3月期の最終利益を従来予想の19.5億円から55.5億円へと2.9倍に上方修正し、また、業績好調に伴い今期の年間配当を従来計画の111円から317円へと大幅増額修正しています。
保有する投資有価証券の一部売却に伴い、売却益51.5億円を計上することが最終利益を押し上げたようです。
配当利回りはストップ高後でも5.6%になり、株価は、目先、この勢いがどこまで続くか注目されます。
直近IPOのキャスター(9331)がストップ高まで買われています。
同社は、12日引け後に、2024年8月期の業績予想を発表しています。
売上高が前期比14%増の47億5,000万円と2桁伸長を確保し、営業利益も1億1,100万円(前期は200万円の黒字)と利益が大きく伸びる見通しを示しています。
WaaS事業のセグメント利益が141.3%増と伸び、創業以来初の営業黒字に貢献しています。
同社は4日に東証グロース市場に新規上場したばかりですが、時価総額が30億円台と小型なこともあり、公開価格の3倍で初値を付けるも、その後は大きく値を崩していました。
上値を見込んだ投資マネーが再び攻勢をかけてきていて、新値更新への期待が高まります。
【テクニカル分析】
日経平均は反落!
上影の長い陰線となり、25日線(32,266円)は、かろうじて維持したものの75日線(32,430円)は下回り、SQ値(32,360円)も下回っています。
プライムの9割が値下り、ファーストリテイリング(9983)1銘柄で193円日経平均を引き上げていたことを考えると実数値以上の大きな下落であったという体感です。
ナイトセッションの日経平均先物は31,880円 -370円で戻ってきています。
米銀決算が好感されて、NYダウは一時300㌦近く上昇する局面もありましたが、次第に値を消し小幅高に留まっています。
イスラエルがパレスチナ自治区ガザへの地上侵攻を準備している兆候が示されたことや、ハマスの指導者で創設メンバーのハリド・マシャル氏が「資金は重要ですが、今日私たちは、パレスチナのために犠牲になるあなたの血と魂を求めています。」などと世界中のイスラム教徒にテロを呼びかける演説をしたことなどから、にわかに地政学リスクが高まり、土日前ということもあり、一気にリスクオフの動きになったようです。
原油や金が大幅上昇になり、安全資産とみなされる米国債が買われることにより金利が下落しています。
恐怖指数(VIX指数)が上昇し、ナスダック、SOX指数が下落→日経平均先物下落という流れです。
ブルームバーグでは、最悪のシナリオとして、「イスラム組織ハマスとイスラエルとの軍事衝突が大幅にエスカレートすれば、ハマスに武器や資金を提供しているイランがイスラエルと直接衝突するシナリオも排除できない。そのような事態となった場合、原油相場は1バレル=150ドルに急騰し、2024年の世界の国内総生産(GDP)伸び率は1.7%に落ち込む可能性があるとブルームバーグ・エコノミクス(BE)は推計する。」と報じています。
おそらく、休み明けの日本株もリスクオフの流れで大幅安からスタートすると思います。
しかしながら、「銃声が鳴ったら買え」という格言のあるように、マーケットが織り込んでしまえば、強烈なショートカバーが入ると思います。
今回の件をどのような形でマーケットが織り込むかはわかりませんが、じっくり下げ止まりのタイミングをはかり買い向かうのが正解と思います。
間違っても、テロリストの娘をコメンテーターに使うようなアタオカ偏向報道に耳を傾けるべきではありません。