11月10日(金)
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Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【個別】
トレンドマイクロ(4704)が一時ストップ高になるまで買われています。
同社は、9日の取引終了後、株主還元に関する方針を新たに取り決めたと発表しています。
2023年12月期の期末配当において、通常の普通配当金(配当性向70%方針)に加え、一時的な特別配当金とあわせ合計1,000億円を目標にするとしていて、これを評価した買いが集まったようです。
9月末時点の配当支払い対象株式数をもとに計算した場合、普通配と特別配を含めた1株当たり配当目標金額は約738円になるとのことです。
これを基にした9日終値での配当利回りは約10.4%に跳ね上がっています。
また、今期の配当目標とあわせ、来2024年12月期中に400億円の自社株取得を実施する目標も提示しています。
これらを受けて岩井コスモ証券は投資判断をB→A、目標株価を8,500円に設定しています。
株価は、6/19高値の7,595円を上抜ける動きになるか注目されます。
J-オイルミルズ(2613)が大幅高になり年初来高値を更新しています。
同社は、9日の取引終了後に2024年3月期業績予想の修正を発表しています。
売上高を2,500億円から2,450億円(前期比5.9%減)へやや引き下げた一方、営業利益を40億円から70億円(同9.5倍)へ大幅に引き上げています。
エネルギーコストなどが前回公表時の想定よりも軟化していることや、適正な販売価格維持への継続的な取り組みが利益を押し上げたようです。
また、配当予想を35円から60円(前期20円)に増額修正しています。
株価は、利益確定売りをこなしながら、更なる高値を目指しそうです。
ジャパンエンジンコーポレーション(6016)が場中値つかずのストップ高比例配分になっています。
同社は、9日引け後に決算を発表しています。
2024年3月期第2四半期累計の経常利益は前年同期比2.4倍の6.7億円に急拡大しており、通期の同利益を従来予想の15億円から27億円へと80.0%上方修正しています。
また、業績好調に伴い今期の年間配当を従来計画の55円から100円へと大幅増額修正しています。
足もとで主機関において最新鋭省エネ主機関を中心に受注が好調であり、また環境対応設備を主機関に搭載することで販売単価の改善も進んでいることが要因とのことです。
調整局面にあった株価は75日線を超過し、目先この勢いがどこまで続くか注目されます。
名村造船(7014)が大幅続伸し、ストップ高まで買われています。
同社は、9日引け後に、2024年3月期の連結業績予想を修正しています。
最終利益見通しを55億円から前期比16.1%増の130億円に引き上げ、減益予想から一転増益を計画しています。
また、無配を予想していた中間配当は5円、未定としていた期末配当予想を5円とし、年間配当予想は10円に見直ししています。
想定為替レートを円安方向に見直したほか、原価削減活動の成果を業績予想に反映したことが奏功したようです。
株価は先ず9月12日以来の4桁乗せを目指すことになりそうです。
大興電子通信(8023)がストップ高まで買われ、年初来高値を大幅に更新しています。
同社は9日引け後に、2024年3月期通期の連結業績予想を修正しています。
営業利益見通しは従来の17億円から前期比50.6%増の28億2,000万円に引き上げています。
上期に工事部門の大型案件が前倒しで計上されたことに加え、下期に情報通信機器部門で大型案件の計上を予定していることなどが主な要因のようです。
また、同社は、30万株(自己株式を除く発行済み株式総数の2.27%)・2億1,000万円を上限とする自社株取得枠を設定したことも併せて公表しています。
取得期間は11月10日から来年4月9日までとなります。
株価はシコリの少ないゾーンを駆け上がる可能性が出てきており、一段高が期待できそうです。
【テクニカル分析】
日経平均は反落!
しかしながら、ローソク足は長い下ヒゲを回収して陽線を描き上向きの5日線(32,472円)とのプラス乖離を保って終了しています。
ナイトセッションの日経平均先物は32,880円 +300円で戻ってきています。
週明けの日経平均はギャップアップからスタートしそうですが、5日線をキープしながら11/6高値(32,766円)を上抜ける形になれば、持合いからの上放れになり33,000円に乗せる動きになりそうです。
反面、11/6高値を抜けきらず、5日線を割り込む形になれば、75日線(32,150円)や25日線(31,655円)あたりまでの下落があってもおかしくないと思います。
年末ラリーがあり得るのか、来週は注目の週になりそうです。
【本日のトピック】
さて、一時5%超えまで上昇した米10年国債利回りも落ち着きを取り戻してきたようです。
先週の国債入札では、3年債は堅調、10年債は低調ながら許容範囲内であったのに対し、30年債は驚くほどの弱い結果となりました。
この30年債の最高落札利回りは4.769%でしたが、これは入札前の合意価格(WI)よりも5bpも高い結果となりました。
非常に軟調な入札結果であり、本来であれば、かなりの米金利上昇を誘発してもおかしくない状況です。
しかしながら、米10年国債利回りは4.5%~4.7%程度の持合いに留まり、先月のような金利上昇はおこっていません。
来週は14日に10月CPI、ホームデポ決算、15日に10月小売り売上高、16日にウォルマート決算など、米国の消費マインドをはかるイベントが目白押しです。
おまけに17日は暫定予算の期限を迎えるため、「政府閉鎖」関連のニュースも飛び交うでしょう。
今回は18日まで米国が議長国となってAPECが開催されますので、さすがに、その間の政府閉鎖は回避されると思いますが・・・
そのような環境下の中、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが10日、米国の信用格付け見通しを従来の「ステーブル(安定的)」から「ネガティブ(弱含み)」に引き下げたというニュースが報じられています。
しかしながら、マーケットは驚くほど落ち着いています。
むしろ、格下げ→金利上昇という流れを、いち早くマーケットが織り込んだのであれば、プラスに作用するかもしれません。
来週の諸々のイベントを通過して尚、米金利が落ち着いているのであれば、企業業績が低下する傾向が見えない間は、「Bad new is good news, good news is good news.」
という状況が続き米株市況も強含むと思います。
そして、日本市場でもウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが円建て社債の発行を準備していることが報じられています。
ご存じの通り、過去の円建て社債は商社株の購入資金になったといわれていて、今回は商社株のみならず、金融、自動車、半導体セクターがターゲットになると見る向きもあります。
たしかに、バフェットにとっては、1%にもみたない金利で調達し、5%近い配当利回りの株に投資するのですから、こんなにおいしい投資はないのかもしれません。
米金利が落ち着き、出遅れ日本株に資金が振り向けられるのであれば、日本株も年末ラリーに向けて動いてくるのかもしれません。