12月1日(金)
【相場概況】
【日経平均寄与度ランキング】
【業種別】
【売買代金】
【騰落レシオ】
【空売り比率】
【米株市況】
【恐怖指数】
【Fear and Greed Index】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【個別】
レーザーテック(6920)が4日続伸しています。
岩井コスモ証券は30日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を3万4000円から4万円に引き上げました。
同社は、11月下旬にEUV(極端紫外線)光を使ったフォトマスク欠陥検査装置ACTIS「A300」を発表しています。
ACTISはフォトマスクの欠陥を検査する光源に露光装置と同じEUV光を使っており、他の光源を使う欠陥検査装置に比べてフォトマスク上の多層膜内部の欠陥を検出でき、マスク回路パターンの欠陥検出力が高いと言われています。
岩井コスモ証券は、「自社開発の光源URASHIMAも搭載しており、2ナノ以降の半導体フォトマスク検査において必須アイテムになる可能性が高い。」と指摘しています。
収益期待が高まっており、株価プレミアムと成長期待の両方を押し上げるとみているようです。
トリケミカル研究所(4369)が3日続伸し年初来高値を更新しています。
同社が、11月30日に発表した2023年2〜10月期の連結決算は、営業利益が前年同期比52%減の13億円で着地しています。
販売が落ちこんでいますが、24年1月期通期見通し(17億円)に対する進捗率は80%と良好で、業績上振れ期待から買いが優勢となっているようです。
減益は主要な販売先である半導体業界で、メーカーの在庫調整や設備投資計画の見直しの影響により減産が続いていることが主な要因だとしているものの、8〜10月期の営業利益は2億6600万円と、5〜7月期の2億2600万円を上回っています。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の長谷川義人シニアアナリストは11月30日付のリポートで、前四半期の決算説明会では「利益は8〜10月期を底と見込む」との会社コメントがあったため、「(営業益が)前四半期比で増益と上振れた点はポジティブな印象であり、株価にも好影響を与えるだろう」との見方を示しています。
東洋合成工業(4970)が大幅続伸しています。
野村證券は同社株の投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に格上げし、目標株価は8,500円としています。
同証券は、半導体減産が長期化しており、感光性材料の需要が低迷する懸念などから過去3ヵ月の株価はベンチマークを約15%下回り、株価下落で割安感が強まったと判断しています。
同社は、循環的な需要回復を織り込む局面と捉えており、需要減に合わせたコスト抑制を実行する計画で、25年3月期は減産緩和による需要回復で大幅増益になると予想しています。
本日の大幅高で株価が、先月のレジスタンスになっていた7,280円処を上回ってきた意味は大きく、一段高が十分考えられる状況です。
川本産業(3604)が大幅反発しています。
世界保健機関(WHO)は22日、中国北部において子どもの肺炎患者が増加していることを受け、同国に詳細な情報提供を要請したと発表しています。
呼吸器疾患は既知の病原体によるもので過度な懸念には繋がっていませんが、日本でも感染拡大するとの見方もあり、関連株として同社株が物色されているとの見方です。
また、12/1前場中に、米疾病対策センター(CDC)のコーエン所長が、米国でも呼吸器疾患が流行しており、子どもの入院も急増している証言しています。
これがSNS上で広がったことで、後場には更に物色資金が集まって一段高になっています。
思惑的な買いが集まり、同社株の他、抗原キットを手掛けるシスメックス(6869)やミズホメディー(4595)、検査関連試薬のタカラバイオ(4974)なども堅調に推移しています。
物色が続くかどうかは、この呼吸器疾患が更に話題になり、一段と流行するかどうかと思われます。
電車用駆動装置やパンタグラフの製造大手の東洋電機製造(6505)が急騰しています。
同社は、11月30日にインドネシア通勤鉄道から新造車両用電機品を受注したと発表し、買い材料視されています。
受注したのは主制御装置や主電動機、補助電源装置、歯車装置、集電装置などで車両数は192両となり、受注金額は約55億円とされています。
納期は2024年11月からとなっていて、2024年5月期から2026年5月期にかけて順次売上計上される見込みです。
株価は25日線(932.64円)を足場に窓を空けて上放れる展開となっていて、10月17日以来となる4桁大台乗せを達成しています。
9月20日の戻り高値1,047円を視野に捉える動きになりそうです。
【テクニカル分析】
日経平均は反落!
ローソク足は小陰線を形成するも、5日線(33,419.14円)上は死守しています。
ここ数日の傾向として、5日線を上回れば陰線、下回れば陽線を形成しており、膠着状態が継続していることがわかります。
ナイトセッションの日経平均先物は33,470円 +50円で戻ってきています。
引き続き膠着状態が続く様相ですが、今週はMSQ(メジャーSQ)を控えている週でもあり、上下どちらかにトレンドが発生することも否定できません。
注目されるのは、11月15日にマドをあけて上昇が始まった水準(3万3,112円)と、11月24日につけた終値ベースの直近高値(3万3,625円)の水準です。
仮にこれらの価格を上下どちらかにブレークして維持するようだと、ブレークした方向にトレンドが発生する可能性が高まるものと思います。
【本日のトピック】
さて、本日は逆転の発想で、ひょっとすれば来年浮上するかもしれないダメ株を紹介します。
【井関農機 (6310)】
正直、今の同社株については評価すべきところはありません。
東証がPBR1倍割れ企業に警鐘を鳴らす中、同社株は同業他社と比べてもPBRが0.36倍と断トツに低く、営業利益率も2.12%と劣後しています。
おまけに、同社が11/14に発表した3Q決算では、国内の価格改定の反動減で農機製品が落ち込み、通期見通しを下方修正しています。
この影響で予想PERは50.73倍まで跳ね上がっています。
しかしながら、株価は下方修正の翌日11/15の1,060円を底値に少しだけ持ち直しています。
もともと、日経平均がバブル後高値をつける中、ずっと低迷しているのですから、さもありなんということで株価が織り込んでいたということかもしれません。
そして、株価低迷の環境下の中、同社は、ようやく問題意識をもって重い腰をあげようとする姿勢がみられます。
同社の決算説明資料の最終ページには、構造改革「プロジェクトZ」を設置すると記載があります。
「プロジェクトZ」の責任者である小田切氏は、現社長と違って、銀行の天下りではなく、井関農機の生え抜き組です。
恐らく、次期社長の筆頭格であり、このプロジェクトに社運をかけるものと思います。
さらに、同資料には、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を検討しており、2024年2月に開示予定とあります。
同社は2025年に100周年を迎え、かつ254億円の時価総額の会社が現金同等物を106億円保有しているのですから、今まで0円~30円であった配当の増配であるとか自社株買い等も期待できるかもしれません。
たしかに、日本の農業人口は減る一方で、同社業績には逆風がふいています。
しかしながら、同社はICT農業の部門でクボタ(6326)に次ぐ特許を保有しており、これまでも海外部門では好成績を残してきています。
過去には、仕手株化したこともあり、海外でICT農業を普及させ日本に逆輸入なんて戦略が打ち出されれば、株価も今よりは浮上すると思います。