1月19日(金)
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Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【個別】
東京エレクトロン(8035)が3日続伸になり、上場来高値を更新しています。
半導体受託生産の台湾積体電路製造(TSMC)が、18日、決算発表にあわせ、24年12月期の売上高が前期比で2割台前半の増加となる見通しを示し、好感した買いがクアルコム(QCOM)やインテル(INTC)などに集まり、東京市場でもあらためて半導体関連に買いが広がりました。
主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3.35%高と大幅上昇し、TSMCの決算説明会において熊本工場での量産を24年10~12月期中に開始する方針が示されたことも、投資家の関心を一段と引き付ける形となったようです。
同社とアドバンテスト(6857)2社で日経平均の寄与度は12.13%にも及びますので、ファーストリテイリング(9983)同様に、日経平均の波乱要因となりそうです。
先端半導体の強い需要と、半導体メモリーの市況改善期待の両輪で半導体関連の業績には追い風が吹くとの見方が強まっています。
ラクス(3923)が急反発しています。
同社は、18日の取引終了後に12月度の月次売上高を発表し、全社売上高は前年同月比43.2%増の34億4,500万円と大幅な増収基調が継続していることが確認されています。
なお、成長柱である経費精算クラウドの「楽楽精算」や「楽楽明細」を含むクラウド事業の売り上げは同49%増となっています。
足元の同社株は、インボイス制度の駆け込み需要の反動減を織り込み下落基調になっていました。
みずほ証券の小山和輝アナリストは「『楽楽明細』の新規契約獲得のモメンタム(勢い)が想定よりも悪化していないと判断した買いが入った」とみています。
同社は、高い成長期待を有しており、PER(株価収益率)は107倍台に達しています。
東海東京調査センターの紙崎翔一朗アナリストは「『楽楽精算』や『楽楽明細』と同じ規模のプロダクトを増やせない限り成長が鈍化する可能性がある」と指摘しています。
東洋合成工業(4970)が急反発しています。
同社は、18日、「nano tech 2024 第23回ナノテクノロジー総合展・技術会議」での拡張現実用途向けに開発したUVナノインプリント「ワーキングスタンプ用樹脂」の展示、国際光工学会でのAR用UVナノインプリント用樹脂の研究開発に関する発表を明らかにしています。
ナノインプリント(NIL)は、他の微細加工技術では困難な大面積加工が可能な点が最大の特長で、中でもUVナノインプリント(UV-NIL)は転写性とプロセス速度の点で圧倒的に優位とのことです。
本日の株価は、半導体関連株人気が、半導体の微細化を支えるフォトレジスト材料を手掛ける同社にも波及した面もありましたが、目先は昨年末12月25日の戻り高値8,500円がターゲットになってきそうです。
https://www.ascentech.co.jp/
アセンテック(3565)がストップ高まで買われています。
同社は、18日引け後に、2024年1月期の配当予想について期末一括7円から10円へ増額修正すると発表しました。
また、20%を目標としていた配当性向を30%に引き上げ、株主還元の更なる充実を図るとしています。
サイバーセキュリティ対策の重要性の高まりから同社製品の需要は引続き堅調で、今期末の受注残高が過去最高金額となる見通しともしており、株価は一段高が期待できそうです。
ソフトウェア・サービス(3733)が急反発しています。
同社は18日取引終了後、23年12月度の月次売上高が前年同月比2.0倍の36億9,500万円になったと発表しています。
2カ月連続で前年実績を上回り、伸び率が前月(48.0%増)から拡大していることが好感されているようです。
また、受注高は前年同月比45.2%増の27億5,000万円、受注残高は同5.3%増の110億1,800万円となっています。
本日の株価は昨年9月以来の11,000円台に乗せる場面があり、新展開入りを目指す動きが期待できそうです。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅反発!
ギャップアップでスタートし、上昇する5日線(35,685.63円)を奪還しています。
ローソク足は、上下にヒゲをのばす陽線となり、1月SQ値(36,025.97円)が意識されたように思われます。
ボリンジャーバンドを見ると、引き続き+2σ(36,121.50円)と+1σ(35,038.91円)の間で推移していることがわかります。
現状では、+2σが、1日で約240円強、+1σが、1日で約180円強せり上がるエクスパンションが継続しており、ローソク足も+2σに沿う形でバンドウォークしていますので、しばらくはしっかりした上昇トレンドが継続するものと思われます。
一方、再び+2σに届かなくなるとともに、+3σや+2σの上昇角度が緩やかになるようだと、徐々に上値が重くなることが想定され、+1σを下抜けることにより下落トレンドに転換する可能性があるため注意が必要です。
ナイトセッションの日経平均先物は36,300円 +300円で戻ってきています。
休み明けは、ギャップアップからスタートし、1月SQ値を抜けてくる可能性があるため、ショートカバーも含め騰勢を強めてくるものと思われます。
ローソク足が終値でも騰勢が続く高値引けに近い形になるのか、寄り天で上ヒゲを形成するのか注目したいところです。
【本日のトピック】
NITTAN(6493)
さて、本日はNITTAN(6493)を紹介します。
同社は2022年に日鍛バルブから商号変更した会社です。
同社の事業領域としては、小型エンジンバルブ事業、舶用部品事業、歯車事業、PBW事業、その他事業の5つの事業領域で構成されていますが、売上の8割以上は小型エンジンバルブで占められています。
小型エンジンバルブとは、ガソリンエンジン等、内燃機関内で800℃を超える燃焼温度の中、1分間に数千回という速さで開閉する部品です。
EV(電気自動車)には使われませんので、EV車が普及する中、斜陽産業と誤解されているのかもしれません。
しかしながら、豊田章男会長が、「いくら電気自動車が進んだとしても市場の3割で、あとの7割はハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)、ガソリン車などが必ず残る」と発言し、脱炭素に向けて新たにエンジン開発を進めるプロジェクトを開始すると宣言したように、各自動車メーカーにおいても、EV化については戦略がまちまちです。
むしろ、商用車や船舶のように2040年においても、ICE(内燃機関)領域が主流を占めると予想されている分野もあるようです。
(能登震災でも、EVは災害に弱いことが露呈してますよね。)
そのような環境の中、同社は、2030年度「売上1000億以上、営業利益100億以上、ROS10%以上」という長期経営VISIONを掲げており、従来のICE領域であるVISION Ⅰを継続育成するとともに、EV領域のVISION Ⅱ、SDGs配慮商品のVISION Xというように新しい事業にも進出しています。
昨年の同社の研究開発費総額は約6億円で、ざっくり4億円がVISION Ⅰに、2億円がVISION Ⅱに使われたようです。
また、VISION Xでは、利益度返しで、打音にこだわったゴルフパターや、最終的にはインドに輸出という夢を追う野菜の水耕栽培キットなど、自由な発想で商品開発も進めているようです。
昨年12/7に発表された2Q決算では、半導体不足に起因する自動車業界の生産調整の解消が進み増収となり、価格転嫁と円安により増益で着地しています。
通期見通しも、同社は10/31に上方修正を発表していますが、為替は132.70円を前提にしています。
24年度は、前期繰越工事も含めて、約51億円の設備投資を行う予定です。
配当は、年12円を予定しており、配当性向は28%ほどになっていますが、最終的には期末の業績を加味して増配も検討しているとのことです。
株価は、持合い離れの動きが見られますが、それでも尚、PER7.4倍、PBR0.34倍と割安に放置されています。
配当利回りは3.72%で、さらに増配も期待できますので、面白いのではないでしょうか?
グロース株のような派手さはないかもしれませんが、中期でNISAで買うのもありかもしれません。