3月8日(金)
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Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
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8日付の日本経済新聞朝刊などは「ソースネクス子会社の携帯翻訳端末を手掛けるポケトーク(東京・港)が2025年中に新規株式公開(IPO)する」と報じています。
東京証券取引所のプライム市場への上場を目指しており、上場時の時価総額は約1,000億円になる見通しです。
同社は現在ポケトーク株を84%保有しているため、実際にポケトークの時価総額が1,000億円になるなら、同社保有分は840億円にもなり、同社の時価総額を大幅に上回ります。
それだけに来週も見直し買いが続くとの見方が多く、更に貸借銘柄だけに来週空売りが多く入るようなら踏み上げへの思惑も浮上しそうです。
ただ、同社は、2024年3月期(今期)業績について、19億円の最終赤字(前期は23億円の赤字)を見込んでいます。
松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「業績は赤字続きで株価も低迷気味だった。ポケトーク上場はポジティブだが、足元の業績不振もあり、一方的な上昇が続くとはみていない」と見ているようです。
エヌピーシー(6255)が大幅反発しています。
日本経済新聞電子版が7日、「経済産業省は再生可能エネルギーの電力を高く買う固定価格買い取り制度(FIT)で、軽くて曲がる次世代の太陽光発電装置『ペロブスカイト型』を優遇する」と報じています。
2025年度にも同型による発電をFITに加え、通常の太陽光発電より高く買い取るとのことで、新技術への民間投資を促し、日本の再エネ拡大に繋げるとしています。
これを受けてペロブスカイト太陽電池の製造装置を手掛ける同社株に思惑的な物色が向かったようです。
本日は、ペロブスカイト太陽電池関連銘柄が総じて買われており、同社株のほか、同電池を手掛ける積水化学工業(4204)やフジプレアム(4237)、先日定款にペロブスカイト電池の設計、開発、製造などの事業を追加すると発表した倉元製作所(5216)などがいずれも大幅高となっています。
また、ペロブスカイトの主要材料の一つであるヨウ素を手掛ける伊勢化学工業(4107)、K&Oエナジーグループ(1663)なども大幅高になっています。
思惑物色がどこまで継続するか注目されます。
坪田ラボ(4890)が場中値つかずのストップ高比例配分まで買われています。
同社は、7日、同社が保有し、また今後保有する点眼薬に関する知的財産権及び研究開発成果に関し、ロート製薬(4527)と知的財産権実施許諾契約を8日付で締結することを発表しました。
同契約は、日本国内にて同契約に基づき開発される点眼薬の製造販売承認を取得し、同製品を製造し、販促、販売等することを目的に締結され、同社は、ロート製薬より、契約一時金として4.5億円(税別)の他、上市後の販売に応じてランニングロイヤリティを受領することになります。
契約一時金は、2024年3月期第4四半期(2024年1月-3月)に、売上高に計上することになり、最終損益を従来予想の11.3億円の赤字から6.8億円の赤字へと上方修正し、赤字幅が縮小する見通しとなりました。
同社株は、PTSでもストップ高まで買われていますが、同社株は2月に臨床研究の遅れなどを理由に、2024年3月期業績予想の大幅な減額修正を公表し、株価は急落していただけに、出直りに期待した買いも巻き込んでいるようです。
SBIリーシングサービス(5834)がストップ高まで買われ年初来高値を更新しています。
同社は7日引け後に、2024年3月期の連結業績と配当予想の上方修正を発表しました。
今期の売上高予想は398億円から前期比34.2%増の531億円、経常利益予想は40億円から同35.9%増の48億円に引き上げています。
年間配当予想は70円増額し100円(前期比90円増配)に見直しました。
JOL(日本型オペレーティングリース)商品について、投資家の堅調な需要を背景に販売額が想定を上回ったようです。
また、同社は、JOL商品として、同社子会社を業務執行組合員、投資家を組合員とする任意組合に対し、保有する販売用航空機を売却すると発表しました。
売却予定額は約59億円で、2024年3月期の売上高予想の11%程度となる見込みとしています。
本日の株価は高寄り後急速に押し戻されるもジリジリと切り返して終えており、上場来高値(3,960円)を意識する動きになりそうです。
サイボウズ(4776)が急反発しています。
昨年末時点で著名個人投資家の井村俊哉氏の保有株数は125万7,000株(2.63%)と昨年6月末の99万2,000株から増えています。
あくまで昨年末時点で、現状保有しているかは不透明ですが、市場では未だ保有しているとの見方も多いようで、逆に更に買って くるとの思惑にも繋がっている様子です。
同社株は足元売り込まれてきただけに押し目買いやリバウンドのキッカケとなったようですが、今月下旬には有価証券報告書が提出され、それにより同氏の買い増しが更に市場に知れ広がると期待する声も聞かれます。
【テクニカル分析】
日経平均は4日ぶりに反発!
しかしながら、ローソク足は陰線となり、下向きに転換した5日線(39,917.06円)を下回っています。
SQ値(39,863.92円)も下回っています。
さらに、パラボリックは陰転、MACDもデッドクロス、ヒストグラムもマイナス転換しています。
数種類の短期指標がビンゴになり、上昇トレンドの終わりを示唆しています。
ナイトセッションの日経平均先物は、38,790円 -720円の大幅安で戻ってきています。
ボリンジャーバンドをみても、+1σ(39,673.88円)を下回ることは確実で、1月の時のように、早期に+1σを取り戻す動きがなければ、中心線の25日線(38,296.63円)を目指す下落になりそうです。
一般的に25日線は上値抵抗線にはなっても、下値支持線にはなりにくいと言われています。
米株と日銀政策次第と思われますが、37,000円台も覚悟しなくてはいけないかもしれません。
【本日のトピック】
さて、日経平均先物の大幅下落に拍車をかけたのはエヌビディアの下落であることは間違いありません。
半導体関連の寄与度の高い日経平均は、週明け大きく下落することは避けられないでしょう。
エヌビディアは1日で1300億㌦(約19兆1,200億円)もの時価総額が吹き飛んだことになります。
ただ、それより不気味なのが、8日、時事通信で報道された「国債購入、規模明示へ YCC撤廃、新「量的」枠組み-円滑な緩和正常化で」という記事です。
要約すると
3、国債の買い入れは月額6兆円程度とする
となり、これが実現すると市場の大きな変動要因になります。
2023年3月末で、日銀の保有する国債保有残高は576兆円です。
平均の残存期間は、およそ8年となっているので年に
576兆円÷8年=72兆円
となり年に平均で72兆円の償還期限が到来し政府から返済されている状態です。
日銀が国債買い入れを停止すれば毎年政府から72兆円が返済され8年で国債保有残高はゼロになる計算となります。
量的緩和とは、この平均で政府から72兆円返済される分を上回る国債を買い入れて保有残高を増やして行く金融政策となります。
月に7兆円を買い入れると年に84兆円となることから償還期限が到来する72兆円と差し引きで
84兆円-72兆円=12兆円
となり、年に国債保有残高を12兆円増やす量的緩和となります。
テーパリングとは、この毎月の買い入れ額を減らして量的緩和のペースを落とすことを意味する金融政策となります。
例えば月に7兆円の買い入れを6.5兆円に減らすテーパリングを行うと
6.5兆円×12ヶ月=78兆円
となり年に償還期限が到来し72兆円が政府から返済されるので差し引き
78兆円-72兆円=6兆円
となり量的緩和のペースを年に12兆円増やす計画から年に6兆円増やす計画へとペースを落とすことをテーパリングと呼びます。
テーパリングが終了とは
年に償還期限が到来し政府から返済されるのが72兆円なので国債の買い入れを月に6兆円に減らすと
6兆円×12ヶ月=72兆円
となり新規に買い入れる国債と償還期限が到来して政府から返済される分が72兆円となり同じ額となるので日銀の国債保有残高は横這いとなり、これをテーパリングの終了と呼ぶことになります。
時事通信の報道では新規の国債買い入れは6兆円と明示するとなっているので量的緩和は正式に終わることを意味します。
またイールドカーブコントロール、イールドとは金利、イールドカーブとは長短金利差を意味するのでイールドカーブコントロールの撤廃とは長短金利の操作を終了することを意味し10年債の金利は市場に委ねることから
1、利上げ
2、量的緩和の終了
が同時に決まることになり、10年債の金利が上昇することは確実なので、抜き打ち的に一気に金融引き締めとなって行きます。
量的緩和が終了となり日銀は国債保有残高を増やさないことになることから政府が発行する国債は右肩上がりで増加しているので国債の需給バランスは崩れて供給過剰となり、国債の価格は低下し金利は上昇して行くことになります。
上記のように、国債の発行残高は右肩上がりで増加していますが、日銀が量的緩和を終了することで国債の残高は増やさなくなることから日銀に代わって誰かが国債を買う必要があり、銀行や企業、家計など民間が買って行くことになるので他のリスク資産を買う分が国債買い入れに回ることからリスク資産の下押し圧力となって来ます。
イールドカーブコントロールが撤廃され量的緩和も終了することが同時に始まることから10年債の金利は高騰し1%を突破して2%を目指す展開になって行くと予想されます。
日経平均の益回りは6%弱となっていますが、仮に金利が1%上がると益回りも1%上がるのでPERは
1÷6=16.67
この状態から益回りが1%上がるとPERは
1÷7=14.29
となるので
14.29÷16.67=14.3%
となり理論的には日経平均は14.3%も暴落する計算となります。
イールドカーブコントロールを撤廃すると金利は跳ね上がるので国債買い入れは柔軟に対応し、むしろ量的緩和を強化するのではと予想していました。
時事通信の報道が、どの程度信ぴょう性のあるものかはわかりませんが、X(旧Twitter)で欧米メディアに流されたことが報じられると、為替は一時146円台まで円高になり、日経平均先物は急落し始めました。
株価が暴落しないことを祈りたいところですが、リスク管理には十分気をつけたいところです。