9月15日(金)
【相場概況】
【騰落レシオ】
【空売り比率】
空売り比率が37.6%まで低下しています。
【売買代金】
【米株市況】
【恐怖指数】
【Fear and Greed Index】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【業種別】
【個別】
自動車部品大手のアイシン(7259)が続伸し、5年4か月ぶりの高値を更新しています。
同社は、14日の取引時間中に、中期経営計画の策定を発表し、2026年3月期までの経営目標を示すとともに、バッテリー式電気自動車(BEV)など成長領域への事業シフトの一環として、部品点数の大幅な削減につながる新技術「ギガキャスト」を導入することを明らかにしています。
ギガキャストはテスラ(TSLA)がいち早く導入したことで知られ、トヨタ自動車(7203)もこの技術を導入した量産EVを市場に投入する方針を示しています
同社は今回、「電池骨格・ギガキャスト」の戦略として、2030年度に売上高を2,000億円に伸ばす目標を掲げています。
SMBC日興証券の牧一統シニアアナリストは14日付リポートで「成長期待が高まる内容でポジティブ」と評価しています。
また、同社は、政策保有株式の売却を含め、既存事業資産やグローバルの在庫の圧縮を進め、25年度までに総資産の10%(4,000億円)を目標に、保有資産の圧縮を目指すとしています。
成長領域への投資や追加株主還元に振り向けることにより、資本政策の改善を計画しています。
同社株のリスクは中国です。同社は、中国での売上高が全体の1割強を占めていて、東海東京調査センターの杉浦誠司シニアアナリストは「景気低迷を背景に販売が落ちるリスクがある。過去の業績下方修正の場面でも中国市況を要因にあげることが多かった」と指摘しています。
中長期の事業戦略を収益底上げにつなげられるかが焦点になりそうです。
ビジョナル(4194)が大幅続伸になっています。
同社は、14日の取引終了後に2024年7月期業績予想を発表しています。
売上高を前期比18.0%増の664億円、営業利益を同21.0%増の160億円としていて、前期に続き成長路線を継続する見通しを示したことが好感されているようです。
企業のプロフェッショナル人材に対する需要の高まりを背景に、主力のビズリーチ事業が拡大すると予想し、人事・採用支援システムを手掛けるHRMOS(ハーモス)事業も大きく伸びると見込んでいます。
同社は、2023年中の東証プライム市場への変更に向けた準備を行うとも発表していて、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の新井勝己シニアアナリストは14日付のリポートで、人材マネジメントを支援するシステム「HRMOS(ハーモス)」事業が26年7月期に営業黒字に転じる見通しを示した点が好印象と指摘し、「プライムへの市場変更は株式市場で要望が強かった」として、株価に与える影響はポジティブと評価しています。
INTLOOP(9556)が場中値つかずのストップ高比例配分になっています。
同社は14日引け後に決算を発表していて、2023年7月期の営業利益は前期比39.4%増の11億円に伸び、2024年7月期も前期比45%増の16億円に拡大する見通しを公表しています。
プロフェッショナル人材ソリューションサービスやコンサルティングサービスの稼働人数が増加する見通しのようです。
また、同時に、システム開発やIT人材サービス会社を傘下に持つディクスホールディングス(東京都港区)の株式の58.3%を9月29日の予定で取得し子会社化すると発表したことも好材料視されています。
グループの相互送客に加えて、アップストリームからダウンストリームにおける戦略的なケイパビリティを形成することで、付加価値の高い事業運営基盤の構築を図ることが狙いとのことです。
株価は意識されていた75日線を超過し、新展開入りも期待されます。
イメージ・マジック(7793)が場中値つかずのストップ高比例配分になっています。
同社は14日取引終了後、2023年12月期第1四半期(5~7月)の単独決算を発表しています。
今期から決算期を変更したため前年同期との単純比較はできないものの、営業利益は1億6,400万円となり、通期計画の7,200万円を超過していることが好感されているようです。
自社ECサイトの「オリジナルプリント.jp」が好調に推移した他、オンデマンド転写プリンター「Trans Jet」の消耗品の売り上げが大幅に増加したことなどが寄与したようです。
株価は、25日・75日両移動平均線を突破し、もう一段高も期待されるところです。
東大発バイオベンチャーのペルセウスプロテオミクス(4882)がストップ高まで買われています。
15日発売の会社四季報「秋号」での文言や業績予想が材料視されているようです。
それによれば、「開発権返還済みのがん治療薬候補PPMX-T002は新たな導出先候補が決定、来期導出。今期1相終了予定のT003も来期導出見込む。」と書かれている他、2025年3月期業績予想は大幅増収で黒字転換となっていて、1株利益は51円の予想になっています。
前号「夏号」の業績予想から大きく増額修正されていて、同社株は上場来安値圏にあっただけに本日見直し買いに繋がった様子です。
この四季報でどこまで見直されるのか来週以降の動向が注目されます。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅続伸!
9/7高値(33,322.45円)及び8/1高値(33,488.77円)を上抜いてきていて、上値切り下げとなっていた右肩下りのトレンドラインを上抜いてきています。
8/1高値を更新した意味は大きく、次なるターゲットは7/3高値(33,762.81円)そして、6/19の年初来高値(33,772.89円)になります。
中期上昇トレンドを形成してきていると言えるでしょう。
しかしながら、9/18(月)9:50の日経平均CFDは33,307円 -226円で推移しています。
この状況のままで終了すれば、休み明けのマーケットは、マドを開けての下落からスタートする可能性が高く、切り返さずに陰線を形成するようなら、強い売りシグナルとなる「三川宵の明星」が形成されることになります。
その場合は、まずは、5日線(32,930円)が下値抵抗線として機能するかということになると思いますが、いずれにしても、中期上昇トレンドを形成しているのであれば、押し目買いの好機となるでしょう。
米株次第で、9月は、まだ荒れる局面もあるかもしれませんが、「基本は押し目買い」というスタンスは維持すべきと考えます。
【本日のトピック】
さて、来週9/20のFOMCは、FED Watchによると、ほぼ据え置きになることが織り込まれています。
各種経済指標はインフレ鈍化を示すものが目立ち始めているものの、年内あと1回の利上げ予想が示されていることもあって、米国金利は高水準で高止まりの様相を呈してきています。
金利が高水準にもかかわらず、米株が、そこそこの水準を保っているのは、米株のEPS(1株あたり利益)が強含む予想がされているからです。
上記は、現段階でのEPS予測ですが、今年の第二四半期は一時は▲8%程度の減益が見込まれていましたが、予想よりも良い決算となり、▲2.9%程度となりました。
そして第3四半期は2%の増益、その後の第4四半期以降は、二桁増益がなんと25年第1四半期まで継続していく織り込みとなっています。
金利が高く、S&P500も割高と指摘されることも多いものの、先行きのこれだけのEPSの伸びを信じられるなら、足元のPERは将来的には低下するため、強気のプレイヤーには何ら障害にならないということになります。
それだけに、現状の米株市況でEPSが鈍化に向かうといったニュースには注意が必要です。
ご存じの通り、全米自動車労働連盟(UAW)とビッグ3の労使交渉は溝が大きく、UAWは史上初のビック3の「一斉ストライキ」を段階的に開始しています。
このような大規模なストライキは、かなりのインパクトを及ぼすことになりますが、重要なのは「労使交渉は必ずいつかは成立する」ということであり、これまでは、交渉の妥結後は、株価は大きく上昇しています。
しかしながら、今回のUAWのストライキは「ビッグ3の一斉ストライキ」と初のものであり、そのインパクトは2019年よりも大きくなる可能性があると見る向きもあります。
今回のストライキが長期化すれば、新車の製造が遅れ、中古車価格が高騰することになり、インフレという観点でも無視できなくなるでしょう。
そして、米株のEPSが鈍化するきっかけにもなり得るものです。
こうした流れは、「米国がくしゃみをすると日本は風邪をひく」という言葉にもあるように、せっかく中期上昇トレンドに乗ってきた日本株にも水を差すことになりかねません。
早期にウインウインでお互いに建設的に妥協して、ストライキが収束することを願うばかりです。