4月27日(木)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄1037/値下がり銘柄713
騰落レシオ(25日)128.09%
空売り比率 46.2%
売買代金
東証プライム 3兆0066億円
東証スタンダード 1242億円
東証グロース 1309億円
【恐怖指数】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【業種】
【個別】
日東電工(6988)が3日ぶりに大幅反発しています。
同社は23年3月期の連結決算発表にあわせ、24年3月期の業績と配当予想を発表しています。
今期の最終利益は前期比0.8%増の1100億円と微増益ながら、3期連続の最高益の更新を見込んでいます。
また、年間配当予想は20円増配の260円を計画しています。
産業用テープやスマートフォン向けの回路基板などが堅調に推移する見通しのようです。
株価は減益予想から、一転、コンセンサスを100億円ほど上回る増益ガイダンスになったことを、ポジティブ視していて、3/9高値(8870円)を超えていけるかが注目されます。
山洋電気(6516)が大幅高になり、年初来高値を更新しています。
同社は、本日、取引時間中に、2023年3月期の連結決算発表とともに、24年3月期の業績予想を発表しています。
2023年3月期の営業利益は134億円で前期比22.3%増となり、従来予想の142億円は下振れしています。
しかしながら、年間配当金は従来計画の130円→135円に増配しています。
また、2024年3月期営業利益は166億円で、同23.7%増を予想、年間配当金も140円への引き上げを計画しています。
前期業績下振れは想定線、今期は想定以上の増益予想と捉えられ、好感されたようです。
明日以降も確りとした展開を続けられるか注目されます。
サイバートラスト(4498)が場中値つかずのストップ高比例配分になっています。
同社の2023年3月期の経常利益は、前期比22.1%増の10.6億円に伸び、2024年3月期も前期比31.5%増の14億円に拡大することを見込んでいます。
また、今期配当金を17.5円とし、流通株式比率25%をクリアし上場維持基準を達成したことも発表しています。
認証・セキュリティサービスが順調だったことに加え、IoTサービスで受託開発やセキュリティコンサル案件を獲得したことが業績に寄与しているようです。
株価は、目先、この勢いがどこまで続くか注目されます。
ニューラルポケット(4056)が場中値つかずのストップ高比例配分になっています。
同社は、ソニー(6758)と資本業務提携契約を締結すると発表しています。
サイネージ関連事業や、AIを利用した人体の態度検知関連事業、人材育成および人材交流で協力するとのことです。
また、新株69万株を発行し、ソニーに割り当て、第三者割当後のソニーの持株比率は4.56%となります。
調達資金の約6.62億円は研究開発費に充当するとしています。
株価は25日・75日両移動平均線を突破し、目先は3月30日の高値1,133円が意識される動きになりそうです。
ポプラ(7601)が急伸し、ストップ高まで買われています。
同社は、ひろぎんHD(7337)系列の投資ファンドなどからの資金調達を行うことを発表しています。
ひろぎんHD系列のひろぎんキャピタルパートナーズが運営するファンドとMIT Corporate Advisory Servicesが運営する投資ファンドに、議決権の無い優先株を発行して割り当てるようです。
同社は23年2月末時点で6億9400万円の債務超過となっていて、今回調達する7億円で債務超過の解消につなげる方針です。
株価は、14日の年初来高値記録以降、急調整を強いられてきましたが、本日の大幅高で再び新値更新を視野に捉える動きになりそうです。
【テクニカル分析】
日経平均は小幅反発!
ギャップダウンからスタートするも、25日線(28109円)は割り込むことなく切り返し、下影陽線が至現しています。
明日は、日銀政策決定会合の結果が発表されます。
大方の見方は修正見送りと言われていますが、そもそもYCC見直しは意表をつくタイミングで発表しなければならないため、一応警戒しておいたほうがいいかもしれません。
日銀政策が見送りになり、再び5日線(28530円)を奪還するような動きになれば、再度4/25の年初来高値(28806円)を伺う動きになるかもしれません。
【本日のトピック】
さて、韓国サムスン電子が27日発表した1Q決算は、利益が前年同期比95%減少するという厳しい内容になりました。
しかしながら、同社は、半導体の需要が徐々に上向きつつあると指摘しています。
中国の回復にけん引され、スマートフォンとディスプレーが下期に回復すると見込んでいるようです。
サムスンの見立ては、これまでのTSMC等の見立てとも一致していて、「年央から半導体は回復する」というシナリオに合致するものです。
ところが、26日に発表されたアドバンテスト(6857)の決算は想定外のものとなりました。
2023年3月期こそ、過去最高益で着地したものの、24年見通しについては、売上高で前期比14%減の4800億円、純利益で40%減の780億円というショッキングな内容になっています。
世界的な景気減速を受け、スマホやパソコンの需要回復の見通しが立たないと見ているようです。
同社の見立てが正しければ、半導体の回復は24年以降にずれ込むことになり、「半導体は年央から回復」という、これまでのシナリオが崩れることになります。
マーケットは、半導体の回復がずれ込むことは織り込んでおらず、下落を牽引する材料になると思われます。
決算を受けて、同社株は、一時10%を超える下落になり、同社株1銘柄で日経平均を72円引き下げています。
ただ、今回の決算を受けて、アナリストの見方も分かれているようです。
野村証券は、「上期のSOCテスタの売上苦戦」として目標株価を引き下げる一方で、UBSは「会社の見立ては保守的すぎる」、三菱UFJモルガンは「2025年売上に寄与する生成AIの大型案件が確認できた」として、目標株価を引き上げています。
引け後決算発表した信越化学(4063)は来期見通しは未定(この会社は毎回未定ですが・・)とし、明日以降も半導体の行方を占う決算発表が相次ぎます。
「年央に回復」のシナリオが有効なのか、「回復が来期に後ずれ」というシナリオになるのか注意深く見ていく必要がありそうです。