11月2日(木)
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Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【個別】
京セラ(6971)が急伸し年初来高値を更新しています。
同社が、1日発表した2023年4〜9月期の連結決算(国際会計基準)で、営業利益は前年同期比29%減の540億円で着地しています。
半導体需要の回復遅れで減収減益となったようですが、7〜9月期の営業利益は283億円と4〜6月期の257億円からは増加しています。
株式相場全体が強気に傾いている地合いも追い風に、業績の底入れを期待した買いが優勢になっているようです。
2024年3月期(今期)の営業利益予想は前期比7%減の1200億円と、従来の1470億円から引き下げていますが、嫌気した売りは目立っていません。
市場では「今回の下方修正で、おおむね悪材料は出尽くしたとの見方が強まっているようだ」(証券ジャパンの大谷正之調査情報部部長)との声が聞かれています。
また、同社は決算説明会の質疑応答の中で、政策保有株式であるKDDI(9433)株の活用策を検討していることを明らかにしています。
KDDI株の活用策に対する期待が高まり、機関投資家を中心に買いが集まったと見る向きもあるようです。
サイバーエージェント(4751)が大幅高で3日続伸しています。
同社が1日発表した2024年9月期(今期)見通しは、営業利益が300億円で前期比22.2%増になっていますが380億円程度の市場コンセンサスを大きく下回っています。
「ウマ娘 プリティーダービー」の人気が一服するなか、ゲーム事業では大幅な営業減益となっています。
しかしながら、同社株は前回の決算発表以降売られてきたこともあり、ある程度は織り込み済みで、アク抜け的な動きに繋がっているようです。
また、説明資料によれば、ゲーム事業では9月から提供開始したスマートフォン向けゲーム「FINAL FANTASY VII EVER CRISIS」が国内・海外と想定以上の滑り出しとのことです。
更にメディア事業では連結グループ化した子会社の貢献もあって7-9月期の売上高は大きく伸びており、営業利益は0.6億円の赤字に留まり、黒字化間近となっています。
これらが好感されて先行き期待から本日は買戻しや見直し買いに繋がっている様子です。
オルガノ(6368)が8日続伸になり、年初来高値を更新しています。
同社は、1日に上半期決算を発表、営業利益は78.6億円で前年同期比20.7%増となり、10月25日の修正計画水準で着地しています。
業績の数字自体は既に2Q・通期共に上方修正済みだけにサプライズはありませんでした。
しかし、受注高が2Q累計で前年同期比2.7%減となっているものの、7-9月期で見れば前年同期比61.6%増、前四半期比では126.7%増となっています。
受注が急回復している格好となっており、先行き期待が強まった様子です。
また、この決算を受けゴールドマン・サックス証券が同社株の投資判断を「買い」継続とし、目標株価を6,500円まで引き上げたことも本日は買い安心感に繋がっている様子です。
同社の好調な受注高を受け、やはり半導体向け純水製造装置手掛ける野村マイクロ・サイエンス(6254)も大幅高となっています。
デクセリアルズ(4980)が続急伸し、年初来高値を更新しています。
同社は1日引け後に、2024年3月期第2四半期累計の連結決算を発表しています。
営業利益が前年同期比23.2%減の150億4,500万円になったものの、7-9月期では前四半期(4-6月期)に比べ2.1倍の101億8,000万円となりました。
7-9月期は在庫調整の完了と季節性要因が寄与したとしています。
目先の株価は2022年6月高値4,445円がターゲットになってきそうです。
マイクロアド(9553)が急反発し、ストップ高まで買われています。
同社は、人材採用向けサービス「conel(コネル)人材採用パッケージ」の提供を開始すると発表しています。
これは、子会社のcoryが提供する企業のLINE公式アカウントを活用したマーケティングサービス「conel」と、マイクロアドのマーケティングプラットフォーム構築サービス「UNIVERSE」が保有するビジネスデータを連携させたもののようです。
LINEアカウントへの友だち集客、チャットボット機能を活用した企業認知向上施策やユーザーのエントリー誘導までを一気通貫でサポートするとのことです。
本日の大幅高で株価は2ヵ月半ぶりに25日線超に浮上していて、トレンド転換が見込まれそうです。
【テクニカル分析】
日経平均は3日続伸!
前日に突破したばかりの25日線(31,451円)を上放れ、ローソク足は2日連続でマドを空けて上昇しています。
週足ローソク足でも、今週の大陽線が前週の陰線を覆う「陰の陽包み」を形成していて、中期トレンドにおいても地合い改善が進んでいることが伺えます。
2日のナイトセッションの日経先物は32,330円 +450円まで上昇し、文化の日の日経平均CFDは32,713円 +300円とさらに大幅高になっています。
10月の米雇用統計は、雇用者数が前月比15万人増となり、市場予想の18万人増を下回る結果になりました。
これにより、ショートポジションが極端に積み上がっていた米国債先物の買戻しが一斉に出たため、長期国債利回りが、一時4.5%を割り込むまで下落しました。
米国決算発表が進んでいますが、S&P500社の内、376社の発表が終わった時点では、前年同期比ベースで増収増益見込みです。
売り上げは微増ですが、業績は約5%の増益となっています。
先週までの金利上昇により、株の魅力が帳消しにされてきたのが、金利下落により株の見直し買いに繋がったようです。
ナスダック100も下落トレンドからの転換となる15,150を貫通する勢いです。
実質金利が2%~2.5%のレンジで安定推移してくれれば、米国株は調整を挟んだがゆえに、逆に年末に向けて上昇するものと思われます。
11/6の日経平均は、ギャップアップからスタートするのが、ほぼ確実なため、場合によっては、目先「三空踏み上げ」となり、上昇一巡後は調整に入るかもしれません。
しかしながら、前述の【個別】で取り上げた京セラ(6971)やサイバーエージェント(4751)のように、足元は悪くても業績回復期待で買われる上昇トレンド時特有の物色のされ方をされる銘柄も出てきています。
年末ラリーの流れが出てきているものと思います。