11月20日(月)
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Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【個別】
東京海上ホールディングス(8766)が大幅続伸し、株式分割を考慮したベースで上場来高値を更新しています。
同社は、17日、2024年3月期(今期)の連結純利益が前期比53%増の5750億円になるとの見通しを発表しています。
保険契約が増えている海外事業の好調で、4〜9月期の純利益は前年同期比2倍の2050億円で着地しています。
また、同社は、取得総数4,000万株(自己株式を除く発行済み株式総数の2.0%)、取得総額700億円を上限とする自社株買いの実施も発表しています。
モルガン・スタンレーMUFG証券の長坂美亜氏は17日付リポートで「一見すると4〜9月期の利益の進捗率は低いが、利益成長の基調は引き続き良好だ。株主還元の拡大も好印象」との見方を示しています。
アステラス製薬(4503)が続伸しています。
同社は、17日に、米ファイザーと共同で開発する前立腺がん薬「イクスタンジ」の適応症追加について、米食品医薬品局(FDA)から承認を取得したと発表しています。
前立腺がんの比較的初期の段階となる「非転移性去勢感受性前立腺がん」が適応症として追加されるとのことです。
同社は「2024年3月期連結業績への影響は織り込み済み」としていますが、東洋証券の大塚竜太ストラテジストは「投資家の業績寄与への期待は強い」と指摘しています。
株価が年初来安値近辺にあったこともあり、見直し買いが入りやすかったとの見方もあるようです。
ヘッドウォータース(4011)が大幅反発になっています。
同社は先週末17日引け後に、マイクロソフトが提供する「Microsoft Azure」や「Microsoft 365」利用企業向けに大規模言語モデル技術のナレッジシェアと伴走支援体制を構築する「Copilot内製化支援サービス」を開始すると発表しました。
システム開発の内製化を企図する顧客企業に向け、同社の専任ソリューションエンジニアやコンサルタントなどで専用の体制を構築し、生成AIの活用習熟度に合わせた支援サービスを提供するとのことです。
株価は直近高値の10,790円を上抜けることができるか注目です。
グリッド(5582)が7日ぶりに大幅反発しています。
同社は先週末17日引け後に、四国電力(9507)と共同開発したAIを活用した電力需給計画立案システム「ReNom Power」の導入効果を検証した結果、エネルギーコスト削減や電力市場での収益向上が実現し、年間10億円を超える収益効果が得られると発表しています。
また、計画策定時間が収益検証も含めて半分以下の時間で作成出来る他、実務者が経験則で判断していた発電計画の良し悪しについてデータに基く判断が可能になるとしています。
株価は、目先25日線(2,818円)に向けた反発が期待されます。
ウェルスナビ(7342)が大幅続伸になり、年初来高値を更新しています。
先週末、時事通信では同社CEOの柴山氏がインタビューに応じ、顧客からの預かり資産を現在の約9,500億円から10年後に20兆円に大幅に増やす構想を明らかにしたと報じています。
来年スタートする新NISAを追い風に個人マネーの取り込みを加速させるとのことです。
同社株は既に新NISAによる需要獲得期待で、足元は強い動きを続けていましたが、CEOによる強気な構想を示したことで、改めて期待に拍車が掛かった様子です。
株価は、踏み上げ期待もあり、新NISA関連として強い動きは続きそうです。
【テクニカル分析】
日経平均は反落!
一時、7月につけたバブル崩壊後の高値を更新するも、反落し、上影の長い陰線を形成しています。
終値ベースでは、上昇する5日線(33,322円)をキープしていて、上昇トレンドは継続と思われますが、上値での売り圧力の強さと短期的な目標達成感を伺わさせる「リバーサルハイ」を形成していて、目先の天井をつけた可能性も否定できません。
相場格言の「鬼より怖い一文新値」が当てはまらなければいいのですが・・・
【本日のトピック】
さて、本日は為替が148円台まで円高が進んだ影響で、自動車株が軒並み安くなっています。
ここもと相場を引っ張ってきたトヨタ自動車(7203)も4%近い下落で陰線を形成しています。
その反面、ここもと明らかに日経平均やTOPIXにアンダーパフォームしてきたグロース250は、本日もしっかりの動きです。
2019年以降、日本のマーケットは、グロース優位、バリュー劣後の時が長く続き、コロナ(グロース)バブルでそれがより顕著な動きになりました。
しかしながら、この2年ほどグロースはレンジで推移した一方で、バリューは大相場による急速なキャッチアップで両者の乖離は一気に縮小しました。
そして、それは、つまり、「バリューの投資妙味は低下した」と解釈することも可能です。
ここからは、2年間の調整を経たグロースの方に妙味がある可能性が高く、本日のマーケットはその転機を象徴しているのかしれません。
そして、景気悪化が伝わる中国においても変化の兆しが見えてきています。
ブルームバーグによると、中国当局は公営住宅建設に軸足をおき、不動産不況に終止符を打とうとしていることが報じられています。
ご存じの通り、習近平は「共同富裕」の名目のもと、不動産バブル退治に動いてきましたが、今回約21兆円の資金を動かし、3年にわたる不動産低迷を活性化させる方針とのことです。
中国関連で知られるファナック(6954)の決算をみると、2024年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比25.4%減の861億円に減っています。
ところが、通期の同利益は、従来予想の1503億円→1533億円(前期は2313億円)に2.0%上方修正し、減益率が35.0%減→33.7%減に縮小する見通しを発表しています。
一般的に、同社のように設備投資に係る企業は、部品や完成品メーカーに比べ、景気の流れが一足早くわかると言われています。
ここもと、いいとこなしだった『グロース』と『中国関連』
いよいよ「眠れる獅子が目を覚ます」ときが来ているのかもしれません。