6月16日(月)
【相場概況】
【売買代金】
【米株市況】
【個別銘柄】
アドバンテスト(6857)が急伸しており、同社1銘柄で日経平均を217.93円引き上げています。
JPモルガン証券が13日付リポートで目標株価を1万500円から1万1000円に引き上げており、材料視した買いを集めたようです。
投資判断は3段階評価で最上位の「オーバーウエート」を維持しています。
担当アナリストの鹿内美欧氏らは、生成人工知能(AI)需要で「複数機能を1つのチップに集約したシステム・オン・チップ(SoC)や広域帯メモリー(HBM)関連の高い需要が続いている」と指摘しており、試験装置の需要増から「今後も業績は高い成長が実現できる」と分析しています。
楽天証券経済研究所の今中能夫チーフアナリストは、「中国でAI向け半導体の内製化が進み、試験装置の需要が伸びれば、アドテストには追い風。改めて今後の業績拡大期待が高まっているようだ」との見方を示しています。
https://www.brains-tech.co.jp/
ブレインズテクノロジー(4075)が場中値つかずのストップ高比例配分になり、年初来高値を更新しています。
同社は、13日の取引終了後、2025年7月期第3四半期累計(2024年8月~2025年4月)の単体決算を発表しました。
売上高は前年同期比29.6%増の9億4,200万円、経常利益は同2.5倍の1億2,200万円で着地しています。
経常利益は通期計画の進捗率が118.4%となり、すでに超過しています。
ソフトウェアライセンス数が堅調な伸びを示し、複数の大型案件の計上も寄与したようです。
同社の取引先には大手企業が多く、決算期の関係で2~4月期の売上高が大きくなる季節性があるとのことで、通期の業績予想は据え置いています。
株価は、この勢いがどこまで続くか注目されます。
https://www.tanseisha.co.jp/
丹青社(9743)が急反発し、年初来高値を更新しています。
同社は、13日、2026年1月期連結業績予想について売上高を980億円から1,000億円(前期比8.9%増)、営業利益を60億円から75億円(同45.7%増)へ上方修正すると発表しました。
配当予想も60円から70円に引き上げています。
大阪・関西万博関連のプロジェクトで工期や原価上昇リスクを顕在化させずに完了できたことで収益性が改善したようです。
株価は、本日の大幅高で2020年1月以来の高値水準に到達しており、新展開入りが期待できそうです。
【本日のトピック】
さて、中東の地政学リスクが激化する中、本日の日経平均は大幅高になりました。
中東の地政学リスクは、55㌦まで下落していた原油先物の価格を70㌦超まで急騰させました。
原油高を受けて、ドル円はやや円安に動きました。
原油取引はドル建てで行われるため、単純に、原油価格が上昇し増えた額面分、ドル需要が増えることになります。
また、米国はシェール革命により、世界一の原油生産国になっていますが、原油高は米国の原油輸出収益の増加につながるとの思惑を呼ぶことになります。
原油高はドル需要増、ドル高円安に振れやすい相関をもっており、本日の日本株高は円安の流れを好感したようです。
また、今週は16-17日に日銀金融政策決定会合がありますが、すでに日本経済新聞には、26年4月からの国債買い入れ額の減額幅を縮小するというリーク記事が掲載されています。
日銀の引き締め緩和は円安要因ではありますが、実施されるのは26年からなのでドル円にはそれほど大きな影響はないような気がします。
むしろ、会合終了後の植田総裁の会見内容がハト派に傾くようなら、ドル円も円安に反応するかもしれません。
原油高の長期化や日銀の緩和姿勢が材料視されれば、史上最高水準に積み上がった円安マグマ爆発のトリガーになる可能性はあります。
円安が日本株の一段高を演出してくれるかもしれません。
一方で、原油高が長期化されれば米国のインフレを再燃させる可能性があります。
インフレ再燃になれば、米国の利下げは難しくなり金利高を誘発し、株価の上値を抑える要因になります。
ブラックスワン指数と言われるスキュー指数がじわりと上昇してきているのも気になりますね。
現状、中東の地政学リスクは「遠くの戦争は買い」と見なされているようですが、万一、ホルムズ海峡の封鎖などにつながれば、マーケットは甚大な被害を受けるでしょう。
やはり、しばらくは押し目買いのチャンスをじっくり狙うのが正解のような気がします。